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価格 : 1,441 円
本作は1980年リリースのミニ・アルバムという形でリリースされたものであるが、1曲目「Western Mantra」20分39秒、2曲目「Eastern Mantra」20分11秒とアルバム並の長さであり、この『Three Mantras』をCABARET VOLTAIREの最高傑作に挙げる方も少なくない。 軽快なリズムボックスで始まるロック色の強い1曲目「Western Mantra」は神経を逆なでするようなリチャード.H.カークの演奏するサイケ風ギターとDUB風にディレイしていくノイズが特徴の曲。アルバム『Voice of America』でもそうだったが、実質的な当時のリーダーであり、エレクトロニクス、テープ担当のクリス・ワトソンは所々でDUBの手法を上手く取り入れており、彼の音楽的なバックグラウンドを多少垣間見ることができる。ボーカルとベース担当のステファン・モーリンダーの不気味に呻くようなボーカルもサウンドにマッチしているとおもう。 2曲目「Eastern Mantra」では中近東の民族音楽のような音やテープの逆回転のようなノイズを全面に垂れ流しで曲が進む。1曲目と違い、こちらの2曲目を真剣に20分間聴くのは難しい。 この2曲を同時に聴くとタイトルの3番目の「Mantras」が聴けるということだ。
Voice of Americaと同時期にリリースされている本作はVoice of Americaと 平行してイマジネーションが生まれ、全体の構成から結果的にアルバムと 切り離してMaxiSingleとしてリリースされました。 西洋人が誰しも抱いている東洋への彼岸の想いをヒンズーのフィルターを通じて 発信しています。当時の彼らのインタビューによると常にCabaretVoltaireは個人 的な政治を作品に反映しているそうな。 オーヴァーレベル気味で無遠慮に始まるビートは彼らにしては性急で当時メジャー インダストリアル組として何かと並べられたThrobbingGristleの “Hot On The Heels Of Love”と併せて毎日聞き狂った記憶があります。 相変わらず不安が立ちこめ緊張感を高めるこの楽曲は3人構成時代としては最も 印象に残る作品と言えましょう。 電子音楽は表現が多彩に成るほど聞き手のイマジネーションを引き出さなくなり、 湧き上がる情景を限定してしまうものですが、この時期の彼らの作品は時期から してもその機材から音こそ簡素な構成ですが、聞き手が引き出されるイマジネー ションは遠大なものです。 日本人として英国シェフィールド生まれの人間がどうインドに思いを馳せたかを この作品を通じて浸るのもよいでしょう。 ちなみにWestern MantraとEastern Mantraを同時に再生するとそこに秘められた 本題のTheree Mantraを聴くことが出来ます。
私はLPでしか所有していませんが、当時ジャパンレコードからラフトレード・シリーズの1枚として2000円で発売されていました。 その頃ロッキング・オンのイデオローグとして知られた岩谷宏氏が絶賛したこともあって一部で話題になり、私も背伸びして買ったりしました。 A面B面1曲ずつで、「ウェスタン・マントラ」はジャーマンものにも通ずるようなビートもの、「イースタン・マントラ」は呪術的でチベットのお経のようなコラージュもの。 どちらも反復されることによってある種のトランス状態を生み出そうと意図されている。 そして両面通して体験した後に、聴き手の中にもうひとつの、3番目のマントラが醸成されるという仕組みだ。 こういう理屈っぽい音楽の楽しみ方も思春期のころには楽しいよね。