初めて聴いたときに鳥肌が立ったのは、"21st Century Schizoid Man"のエンディング、そして一瞬の静寂の後に始まる"I Talk to the Wind"でした。 さらに"Epitaph"の"But I fear tomorrow I'll be crying, yes I fear tomorrow I'll be crying..."では涙が出そうになりました。 その感動は40年近く経ち、恐らく何千回も聴いた今でも、何も変わらないような気がします。
ヘヴィ・メタルとジャズが融合してしまった"21st century schizoid man"、
詩情豊かな"I talk to the wind"、極めて雄大な"In the court of the crimson king"と
今更くだくだ言うのも恥ずかしいくらい名曲揃いのアルバム。
歌詞に着目してみよう。
21世紀を迎えたところで我々全員が精神に異常を来たしたわけではないが、
人類の運命が愚か者の手にあるのは"Epitaph"に歌われている通りだ。
とは言え明日を恐れるからと言って泣き叫んでばかりいられないのが現実であるがゆえに
'Confusion will be my epitaph'(混乱が私の墓碑銘)という
ロック史上恐らく最も有名なフレーズはもはや何の有効性もない。
そんなこともあって、実は私はこの作品、あまり好きではない。
あまりに悲観的過ぎて、うっとうしくなってくるのだ。
大体このアルバムで一番好きな曲が"I talk to the wind"なのだから
多分私にはこのアルバムのファンとしてもキング・クリムゾンのファンとしても
何らかの決定的な資質が欠けているのだろうけど。