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見知らぬ森に踏み込んだかのような錯覚を覚える独特の味わい |
聴き手は最初の一音を耳にしたときから、時には妖精、時には道化、時には魔女と化したケイトの、愉悦・不安・驚きなど様々な感情をもたらす夢想の世界に翻弄されることだろう。またケイトの精神的バックボーンをしみじみ歌う#5を聴くとき、彼女の精神世界の深さをうらやましく思うのは私ばかりではあるまい。作品全体が緻密で、これほどまでにほころびのないコンセプチュアルな音楽世界を築きあげられるのは彼女以外そういるものではない。「ライオンハート」は聴き手に決してハイな気持ちを呼び起こすわけではないが、#3のさびで感じる空を飛ぶような感覚など、ちょっと怖い童話の主人公を演じきったような聴後感、見知らぬ森に踏み込んだかのような錯覚を覚える独特の味わいが心地よく、感情の発露が鈍り!かけた現代人の心を再生してくれる一枚だ。 |
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