このボックスセットは4枚組ですが、そのうちの1枚は『A Christmas Gift To You』をそのまま収めたものなので、実質的には3枚組です。で、その3枚各々の1曲目にびっくり。「To Know Him Is To Love Him」「Be My Baby」「You've Lost That Lovin' Feelin'」。そう、全部全米ナンバーワン・ヒットなのです。もちろん、3曲以上の全米No.1を出していればそういう曲順は可能なのですが、このボックスセットはちゃんと発表順になってるんですよね(一部例外あり)。にもかかわらず各ディスクの1曲目が全米No.1になっちゃうんだから大したものです。
大滝詠一のナイアガラサウンドの元ネタここにあり、と言うのは、大瀧氏本人が語っている有名な話です。大瀧氏独自のアレンジ技の幾つかは、「ウォール・オブ・サウンド」と呼ばれるこのCDに収録されているヒット曲を解析した結果産み出されたものなのです。 Phil Spectorは、1950年代末から60年代半ばにかけてヒット曲を連発した、伝説的な天才プロデューサーです。彼のトレードマークとなった「ウォール・オブ・サウンド」は、多重録音が余り一般的でなかった当時、楽曲のアレンジ段階で常識では考えられないような様々な工夫を凝らすことで実現されていました。中でも驚くのが、Bassを二本同時に鳴らし、それを五度でハモらせる技です。これによって、低音域をふっくらさせ、華やかなパーカッション、派手目のドラミングと合わせて、分厚い音と、独特の熱いグルーブ感を作り上げることに成功しています。 このCDは、Phil Spectorが手がけたほぼ全てのヒット曲を、彼と彼の当時の相棒エンジニアの二人で、わざわざモノラルでリマスターしたアンソロジー盤です。内容は、ベストヒットCD三枚と、傑作クリスマスアルバムとして今でも売れ続けている1963年の「A Christmas Gift For You From Phil Spector」の計4枚組+大判解説本という構成になっています。