とても良い / 口コミ件数 : 8件
価格 : 2,197 円
第二次大戦下の大西洋で、アメリカの駆逐艦とドイツの潜水艦Uボートが死闘を繰り広げる戦争映画。 敵の次の動きを読み合う艦長(アメリカ側・駆逐艦長にロバート・ミッチャム。対するドイツ側・Uボート艦長にクルト・ユルゲンス)の頭脳戦。お互いの我慢比べの様相を呈してきた持久戦の息詰まる攻防。その駆け引きのスリリングな面白さ。 劣勢に立たされたUボート艦内で、「まだ、あきらめちゃいかんぞ」とばかり、レコードの音楽をかけ、自分を含めて味方の兵士たちの士気を高めるドイツ側艦長。無謀とも思えるその行動がひとつの転換点となって、両者の戦いは最終局面へとなだれ込んでいきます。 死力を尽くして戦い、勝敗の行方が見えてきた時にとった両艦長の迅速、的確な命令の見事さ。そして、死闘を繰り広げた相手に対する称賛と敬意の思いがとらせる行動の、まあ、素晴らしかったこと。最高のスポーツマンシップ精神を目の当たりにした気持ちに駆られましたねぇ。真実を捏造してでも戦争を始めたどこかの大統領や軍事・情報機関の最高指揮官に、「この映画を見てよ」とおすすめしたくなったなあ。この終盤のストーリーは、ほんと、よかった! 胸が熱くなりました。 俳優では、「海の狼」の異名を持つドイツ・Uボート艦長を演じたクルト・ユルゲンスが最高にかっこよかったです。この指揮官なら「わたし、命、預けます」って気持ちになるだろうな。その眼光、その決断、その勇気。惚れ惚れさせられました。有川 浩『海の底』の中で某登場人物が、「こういうタイプに弱いんです。厳しいけど情に篤(あつ)い、みたいな」と言ってましたね。(角川文庫 p.311) 魅力的なワン・ショットは、魚を釣るために駆逐艦の甲板から垂らした釣糸のその先をたどると、そこに海底に待機しているUボートの姿が・・・、ってところ。駆逐艦が釣り上げようとしているUボートとひっかけて、これは心憎い演出だなって。 Uボートが出てくる映画では、ペーターゼン監督の『U・ボート』もいいですよ。今回、本作品を見ながら、映画『U・ボート』はこの『眼下の敵』の影響を受けているなあと、そう感じましたね。清々しい後味の良さってことでは、『眼下の敵』が文句なし、上を行きます。でも、息詰まるドキドキ感では、『U・ボート』のほうが上を行くでしょう。いや、下に潜るのか(笑)
第二次大戦下の南大西洋。アメリカの駆逐艦とドイツのUボートが、互いに相手の手の内を探りながら、死闘を繰り広げる。主演はロバート・ミッチャムとクルト・ユルゲンス。男くさい二人の指揮官がぶつかり合う戦争映画。 相手の次の一手を先読みして戦術を組み立てる米独の頭脳戦。今から40年も前に製作されたということがにわかには信じがたいほどの緊迫感あふれる映画に仕上がっています。当時の米国海軍が撮影に全面協力しているというだけに、爆撃シーンは迫力満点。戦争大作としてはなかなかのものです。 しかしこの映画の魅力はそうした戦争アクションにだけあるわけではありません。 国を背負って干戈を交えるどちらの指揮官も、明確に口にすることこそありませんが、避けられるものであるならば戦争などはしたくはない、という思いが表情ににじんでいます。その事実を、セリフにこめることなく、見る側に感じさせる脚本が実にたくみです。ドイツ軍が極悪非道の“ナチ野郎”と矮小化されることもありませんし、死と隣り合わせの戦場で、生身の人間の疲弊と苦悩が丹念に描かれている点には、敬意を表したくなります。 戦争にフェアプレイなど望むべくもないのかもしれませんが、それでもこの映画が描く武士道のような男ふたりの対決は、奇妙に清々しい思いを与えてくれます。 思うに、別の時代に別の場所で出会っていたら、二人はもっと早く、素直に、友達になれたはずなのに。 この二人のような人間関係がこの世に数多くあるはずであることを、戦争が覆い隠してしまう。そんな裏のメッセージをこの映画に見た思いがします。
陳腐な表現ですが、まさに「男と男の戦い」です、やれ国のためにだとか、そういう考えは抜きにして、とにかく任務を果たすため、真正面からぶつかり合います、これが世界共通の「海軍精神」、「シーマンシップ」、そして「指揮官・上司のあるべき姿」なのだと思いました。注目すべきは、双方の描き方がまったく対等であり、よくあるナチス排斥映画や国威発揚映画では決してないことで、さらに決して戦争を美化しているものではないということです。駆逐艦、Uボート、どちらの艦長も軍人としての使命を帯びているものの、戦争により辛い体験をしてきた身、戦争をしたがっているわけではない…戦いが終わり、お互い達成感があるわけじゃなし、やはりやりきれなさや切なさが残ります、戦争というものの現実がそこにありますが、けれどちょっぴり「救い」を見出だせる内容な気がします。ご覧あれ。
TVで見てから大学時代に原作を読みましたが、原作ではパニックに陥った乗組員を潜水艦艦長が射殺したり、両艦相討ち後に救命ボートの中で殴りあったり。パニックに陥った乗組員を諭したあとに、艦内でレコードをかけて全員で歌って士気を煽る(これ以降の潜水艦映画では定番になって「レッドオクトーバーを追え」でのソ連国歌斉唱シーンに繋がる)名シーンや「今度はロープを投げないでおこう」「いや、君はまた投げるさ」という艦長同士の最後の名せりふは全て映画オリジナルのものです。ふたりの艦長の部下への労わりやリーダーとしての決断力の表現は映画の方が遥かに上だと思います。 ちなみに駆逐艦側の先任将校(ナンバーワン、小型艦の副長)役のデビッド・ヘディンスンは60年代のSF海洋冒険TVドラマ「原潜シービュー号 海底科学作戦」のクレーン艦長を演じた人です。この番組のある回では「眼下の敵」の体当たりシーンが流用されています。
傑作映画です。 あまたある戦争映画の中でも出色、潜水艦映画では「Uボート」と双璧では ないかと思っております。虚虚実実の駆け引き、そしてシビれるエンディング。 戦争を美化しているように見えるという批判もあるやに聞きますが、それはぜひ 観て判断してください。何度もいいますが間違いなく傑作です。