良い / 口コミ件数 : 55件
価格 : 1,030 円
もう25年前に、東宝のミュージカルを見た記憶がよみがえりました。 大体においてブロードウェイミュージカルを映画化すると、舞台を見た者は満足しない事が多いのですが、この映画はその中では屈指の出来ではないでしょうか。 ティム・バートンの個性が上手くこの作品にはまったような気がします。 当時のロンドンのおどろおどろしい雰囲気が画面から伝わってきます。 歌を見事にこなすジョニー・デップもいいですが、ここではヘレナ・ボナム・カーターを誉めたいです。 小さい頃からこの役がやりたかったと言うだけあって、見事なラベット夫人を造形しています。グロテスクと哀しさを秘めた歌声が最高です。 「フランケンシュタイン」の時同様、今回もラストで炎に包まれますが、この人ほど炎の似合う女優はいないんじゃないでしょうか?この次は是非ジャンヌ・ダルクを演じていただきたい。 それから、本来なら美男が演じる船乗りアンソニーをあえて微妙な容姿の役者(賞味期限が切れた美少年と言う感じ)に演じさせているのが映画の雰囲気にピッタリで感心しました。 この賞味期限ぎりぎり感が全編に漂っています。(美男としてのジョニー・デップ、美女としてのヘレナ・ボナム・カーター、世界を引っ張っていく首都としてのロンドン。) どんなものでも腐りかけたものが一番美味しい。 その風味がこの映画を傑作に仕立て上げたんだと思います。
愛するものを奪われた男が復讐にかられ、最終的には復讐そのものに狂ってしまっていたとても悲しい物語です。 雰囲気ある街並みと服装。印象深いキャラ立て。モノクロの色彩美。 時にすこしコミカルな印象さえあるシーンもありますが、 「首切り」「人肉食」といったシーンが主に絡んでくるので、ダメな人は避けなければならないでしょう。 とはいえ、そこはティム・バートン。 このなかなか悪趣味なグロさも、チープさと交え、特有のブラック・ファンタジーといえる世界観の中に昇華されていると思います。 ミュージカルという作用もあり、特に童話的に感じさせてくれますね。 ミュージカルシーン自体も、個人的には歌も歌詞も引き込まれるものがありました。 いっぽうでそこによる現実性の弱さもあり、切迫感悲哀感にやや欠け、登場人物の心情と完全にシンクロするのは難しかったかもしれません。 特に驚きを狙ったような展開や見せ方ではなく、だいたい想像通りに物語は進みます。 こういった結末に反して衝撃には欠けると思いますが、無駄なくよくまとまっていて個人的には気に入りました。 最後のシーンはその映像世界ともあいまって、ある種の美しささえある終結だと思います。 評価低めなので、あえて☆5です。
原作がミュージカルだけあって、きちんと台詞(歌か?)が残る映画 でした。歌も良い…!聞かせてくれます。 ストーリーは、判事の策略により麗しい妻子と離れ離れになった理髪師 トッドが殺人鬼として復讐を企てるもので、とても簡潔です。 残念なのは、映画の雰囲気が全体として(ストーリー・画面ともに)暗く お顔を拝見することが難しいこと。 その中でトッドの娘は白い肌を浮き上がらせていて見やすかった。 演出なのか、「見たいものを見ている」だけなのか(^^; このように暗くする理由は、最後には明らかになります。 それまでじっくりご観賞ください。 なお、本映画は「復讐に燃える殺人鬼」の演出によりR-15指定です。
結構ぶっとんだキワいお話なのですが、 非常にポップで、素晴らしくテンポが良く、重苦しく見せない。 んで、最後はしっかりオトす。相変わらずお手本の様な映画。 ティム×デップの名コンビは本当にハズさないですね。 これだけ大衆にアピールできるミュージカル作品ってあまりないんじゃないでしょうか。 ミュージカルが苦手な方でも楽しめると思います。
ネタバレ注意 ============== 最高にブラックです。 音楽が最高です。 気がついたら口ずさんでいたりします。 キャスティングが完璧です。 特にヘレムボナムカーターはすばらしい演技をしていると思います。 なにせ、この映画の諸悪の根源はこの女性だから、この役柄をうまく演じきれるかどうかがこの映画の最重要ポイントだったと思います。 ティムバートンはクリエイター気質が強いので、今までの映画だとストーリー性よりも映像面の押し付けが強い嫌いがあったんですが、この映画ではストーリーと彼のテイストが本当に最高に融合されていて、間違いなくティムバートンの最高傑作に仕上がってます。 ちょっとグロイですけど、最高のブラックミュージカルって感じで、ミュージカル嫌いな人にもお奨め。(私自身もミュージカルは苦手なので)