良い / 口コミ件数 : 2件
価格 : 797 円
ウイリアム・フリードキンの『エクソシスト』とはだいぶ違うのは監督が違うからだと言いたいところ。というのも、ふたりとも甲乙、優劣をつけるようなタイプじゃない。実にふたりの個性が、それぞれ生きているという作品でそれぞれ楽しめます。 フリードキンの作も、キリスト教的な背景がよくわからなくても、そのスキャンダラスな大方のイメージに覆い隠された上質なストーリー、神父たちの苦悩や犠牲の精神が心をうつ。映像の緊張感、視覚効果も優れていると思う。サウンドトラックもその後に影響を与える程の素晴らしさだった。 それからこの2作目のジョン・ブアマンの『エクソシスト2』は公開当時も多数に不評だったが、ぼくは劇場で興奮して観ていた。 映画がアフリカの部族の場面へと進展してから、ますます感じられるユング心理学的なシンボリックなモチーフ。 呼応するかのような共時的な、都市空間でリンダ・ブレアと神父の感応する内的な交流。 それが、とても興味深く面白かった。アフリカの神秘もイナゴの黙示録も、現代的なアイデアで感動すらした。 固定した悪と善の観念の相反するようなイメージではなく、イナゴの生態から導きだされる、「癒す者」としてのリンダ・ブレア演じる少女の再生誕までのラスト。 実に不思議な感動を与える。 隠れ話として、当時劇場での上映では、一時流行った椅子が振動する効果が使われましたが、ずいぶん作品の売り方に苦慮したのですね。 余談ですが、この監督の隠れた名作『脱出』は、ホラーではないが、ものすごく恐くてショッキングな川下りの映画だ。 この映画はぜひ観て欲しいなあと思う。怖いという意味ではホラーの世界とはまた違う、たぶんずっと怖くて震えが来るだろう。
意外に面白かったが、ラストのオチを見ても、 『エクソシスト』とは別物と考えた方がよさそう。 『エクソシスト』は、人間一人一人の内に潜む善と悪との闘いがテーマで、 その舞台装置としての宗教色が強く押し出された神秘的な作品だった。 悪魔に打ち勝つのは特殊な儀式や能力ではなく、善を信じる人間の精神力。 善良な人にかぎって悪魔に憑依されるわけであるから、 エクソシズムを成功裡に導くためにも、なおさら善に対する信仰心が問われる。 この作品では、「悪」は「パズズ」として明確に定義されており、 これとリーガンやメリン神父と関係のある人々との戦いをSF的に描いている。 ただし、この作品で悪と戦える力を持つのはごく少数の限られた人間だけ。 つまり、リーガン、ハモント、コクモらで展開される純オカルト映画である。 彼らはいわば救世主として、悪から世界を守らねばならない。 本作品ではエクソシズム的な行為や儀式はほとんど見られず、 テレパシーによる心理戦という色彩が強くなっている。 傍らで協力する精神科医もいるが、露骨にオカルト過ぎて 何が起こっているのかなかなか理解が追いつかない。 かろうじて作品に現実味を持たせている存在ではある。 リンダ・ブレアは、成長しても純真なリーガン役を好演しつつ、 神秘的な雰囲気もプラスされていて、作品自体を引き締めている。 憑依されたのもうなずける。かもしれない。