とても良い / 口コミ件数 : 2件
価格 : 1,050 円
ポール・ニューマンと言えば「暴力脱獄」や「明日に向かって撃て」「スティング」などの映画のほうが遥かに有名であるが、この映画「ハッド」はまぎれもなくポール・ニューマン映画の最高傑作だろう。監督は名匠マーティン・リットであり、テキサスの牧場で繰り広げられる親子、兄弟の葛藤と人間ドラマを高いリアリズムで描いている。主人公のハッドは、不良少年がそのまま大人になったような冷徹な男であるが、決してその一面だけではない。対立する父親にすら時折愛情の切れ端をかいま見せる人間性がある。父親を演じるメルヴィン・ダクラス、家政婦を演じるパトリシア・ニールの両者がアカデミー助演賞を受賞しているが、納得出来る名演だ。ニューマン自信、主演男優賞にノミネートされていたが、惜しくも賞を逃している。カバーを見ると安っぽい西部劇のような印象を受けるのが残念だが、この映画はそんな映画ではない。アメリカ映画史上、ベスト10の一つに数えても良い程の作品だと思う。
テキサスの牧場。父親(メルヴィン・ダグラス)と次男のハッド(ポール・ニューマン)、長男が遺した息子のロン(ブランドン・デ・ワイルデ)そして家政婦のアルマ(パトリシア・ニール)の四人が住む。ある日やっかいな牛の伝染病の発生が不幸をもたらす。 本作品は個性や人生観のちがい、あるいはささいなことが原因の感情のもつれから、一家がたどる運命を、家族の日常生活を通してリアリティ豊かに描いていく。生真面目な父と放埓なハッドの言動には、それぞれに真実味がある。だれが悪いのでもないのに、どうしようもなく、気持ちがはなれていく。テーマは明るいとは言えないが、ロデオ大会のふざけた場面等をおりまぜたりして退屈させない。 人間を見る眼は確かで、4人の会話や仕草が生き生きとしている。とくに家政婦役のパトリシア・ニールがいい。もう男はたくさん、と言いながらもハッドを男として見ていたり、どこかさびしげな離婚した中年女性を演じてすばらしい。ポール・ニューマンははまり役、ブランドン・デ・ワイルデも魅力。