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影武者<普及版> [DVD]

影武者<普及版> [DVD]

良い / 口コミ件数 : 15


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クチコミReview一覧
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口コミ件数:15 1 2 3 次ページ
1.  とても良い kewpieさん 書き込み日: 2007年12月16日

若い頃は何もわからなかった

私が劇場で見た数少ない映画のひとつである。大学に入って最初に読んだ小説が山岡荘八の「徳川家康」。戦国の武将を描いた小説を読み漁り、英雄豪傑の生き方に酔いながら学んでいた、何とも幼稚な時代であった。そんな頃に公開された映画である。私は数多く流されたテレビCMのセリフを暗記し、サントラのレコードを買い、勇んで劇場に向かったのであった。しかし何だかはっきりしないままに終わってしまい、「歴史を知らないとよくわからない映画」だと思いこんで、実際何人かにはそう話した記憶がある。

今回20数年ぶりに見直して、二十歳前後の私の理解力がどれほど足りなかったかを痛感した。当時から賛否両論あった作品であるが、映像はどのシーンも「絵になって」おり、登場人物一人一人の心の物語として、実に含蓄の深い作品に仕上がっている。武田信玄の肖像画には最初に予定された勝新太郎の方が似ているけれども、ここは仲代達也の方が役柄に合っていると思う。また、カラヤン指揮によるペールギュントの音楽よりも実際に使われた池辺晋一郎の新作の方が、音楽的にもはるかに人間の悲しき宿命に忠実である。

なお、群雄のセリフはまったく記憶どおりであった。昔のことはよく覚えているものだ。



2.  とても良い フレンチクルーラーさん 書き込み日: 2008年08月25日

仲代、山崎ら役者も素晴らしい、映像も絵画的で黒澤作品の神髄のような作品

まず、信玄、影武者の二役を演じた仲代達矢が素晴らしい。

信玄を演じている時と影武者を演じている時の違いをよく観てほしい。
信玄の風格、重厚さ、落ち着き、
それに対して、顔は瓜二つだが、影武者の落ち着きのなさ、
また、偉大な信玄に何とか似せようとするあまり返って安っぽくなったり、
何か大袈裟になったり、、、
さすが、仲代達矢、うまく表現してると思う。


そして、お屋形様である兄・信玄の影武者を長年務めた
弟・信廉を演じた山崎努も素晴らしい。

信玄の死後、時折見せる何か支えを失った様な、
ぽっかり穴があいた様な表情は哀愁を感じさせる。
また、武田家に対する忠義はもちろん、
影武者に対しても思いやりを示し、非常に人間味を感じる。


映像も絵画的で黒澤作品の神髄を観たような気がする。






3.  とても良い アマゾンアマゾンアマゾンさん 書き込み日: 2008年04月26日

織田信長

結局、織田信長のための映画のような気がしました。
明智さんや羽柴さんが出演していればさらによかったと思いました。
その後の織田信長を知りたくなる映画でした。



4.  とても良い sakaguchi-vさん 書き込み日: 2008年06月25日

はきり言ってムチャクチャ面白い

そりゃ七人の侍や用心棒など黒澤絶頂期の作品と比べては見劣りするのは当然。あそこら辺の作品と比べてはいかんですよ。この作品は黒澤明という名前をひとまず捨てて見てみましょう。するとこの映画の面白さが理解できるかもしれません。はっきり言って合戦シーンとかは抽象的すぎます。昔の黒澤映画のあの迫力を期待してみたらそりゃ肩透かしを食らうでしょう。しかしこの映画、人間ドラマとしてしては超一品です。仲代達矢演じる盗人が信玄に最初は反発しつつもやがて信玄に心酔し、影武者として数々の修羅場を潜り抜けていく様がとてつもなく面白い。それに大滝秀治を始めとする重臣たちの右往左往ぶりも黒澤演出ならではだ。最後仲代影武者の正体がばれ今まで家来だった皆から泥をぶつけられ屋敷から去っていくシーンは雨。ああ黒澤映画なんだなぁと納得。初見の時ガッカリした人も多いと思うが、年数を経てもう一回見て下さい。それでも分からなければあと5年先に見て下さい。必ずこの映画の面白さに気づくはずです。最近公開されている凡百の映画の何百倍も質がいい映画です。面白い映画です。ぜひDVDの値段も下がったこの機会に鑑賞してください。おすすめです。



5.  とても良い 三輪そーめんさん 書き込み日: 2008年12月21日

観るたびに発見し考えさせられる作品・・・たぶん死ぬまで。

この映画はほぼ数年ごとに見直していますが
見直すたびに新たな発見があり、そして涙している作品でもあります。
唯一自分を人間扱いしてくれた信玄のために影武者になる夜盗の男のお話です。
信玄の死後、極端に場面の間合いが長くなり、落ち着かなくなります。
そして大軍を率いる信玄の影武者はその勇壮な軍団の中で
居心地悪く存在するのです。
この映画の不安定さ・・・まるで武田信玄を失った武田軍団全員の心象風景そのものの様です。
そんな中でも影武者は立派な信玄を務めようとする。
武士のイロハも知らぬ男がついには信玄そのものように振舞うようになる。
最後までぎこちなさを残しながら。
やっと見つけた居場所に必死にしがみつく影武者と信玄の存在にしがみつく家臣たち。
そして破滅・・・
影武者の正体がわかり、武田信玄の存在がなくなった瞬間から崩壊していく武田軍。
徹頭徹尾この映画は「武田信玄」という男に支配されています。

仲代さんの影武者が凄い。
心象描写の台詞はこの映画は少ないのですが、もう影武者という立場に追い込まれた
数奇な運命の男を見事に演じ切っています。
鎧を着ただけの即席のお館、まるで借りてきたような猫のような所在なさげの男。
本来は豪胆な男だったろうに影武者を演じているうちに自分をなくし
竹丸(信玄の孫)と遊ぶ時は初めて家族を持った嬉しそうな顔を滲ませる。
やっと居場所を見つけたと思ったあとの破滅。
影武者を中心にして破滅していく武田軍のまさにトラブルメーカーとして
そして信玄の寄り代(信玄そのものではない)の人形としての存在を表現しています。
本来なら勝新太郎さんが影武者を演じる予定だったそうですが
もしもキャスティング変更がなかったらここまでの
無常観ある作品は生まれなかったでしょう。
山崎努さん演じる信廉と影武者のやり取りが本当によかった。
凄まじい緊張感の中で一服の清涼感だった。
しかも恐ろしいほど仲代さんと山崎さんは似ているのである。
まったくの小物の影武者に対して冷酷に接しながらも同情の目を向ける
近侍の根津甚八さんもまた良し。
大滝秀治さんの老臣山県や切って捨てるような言葉の隆大介氏の信長も良い味を出している。
昔の役者さんの台詞回しは目を閉じて聴いていても心地よいものだ。

組織の中の個人、自分というものの定義、人間は何を頼みとし生きるのか、
組織の非情さと崩壊、一人の人間が死んだあとの影響力・・・。
たぶん、この映画を観るたびに自分はそれを考え吟味して生きていくのでしょう。

おそらく死ぬまで。



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