とても良い / 口コミ件数 : 10件
価格 : 3,176 円
黒澤明監督の作品はすべて持っています。その中でも一番好きな作品です。二番は、虎の尾、三番、用心棒あと、赤ひげ、生きもの、酔いどれ天使、乱、と続きます。ビデオ、LD、DVD、ブルーレイと視聴環境は良くなっているにもかかわらず、ソフトの値段が如何せんまだ高いのが現状です。私はマスターワークス3巻計約13万その他は単品で揃えましたのでそこそこ高い買い物でしたがいつでも好きな時に観れるので、無理をして購入しましたが、考えますと作品自体もう40年50年前のものです。内容が古いというのではなく、せめて普及版でお求め易い価格なら1500円が妥当なところでしょう。定価3990円なら半年前の洋画の新作の値段だと思いますが如何でしょう。アメリカと比較するのは良くないですが、新作でも10ドル位で買えます。まあ、世界規模ですから安くできると云えなくもないですが。名作を安価な価格で沢山売る事がメーカーの務めだと思いますが。一考お願い致します。
黒澤明はしばしば古典文学の映画化を試みるが、シェークスピアの作品を時代劇にアレンジした「蜘蛛巣城」(マクベス)と「乱」(リア王)はいずれも成功していると思う。ロバート・アルトマン監督の「ザ・プレイヤー」の中で脚本家が、「ここは蜘蛛巣城のタッチで」でなんていうセリフもあったくらいだから、海外の映画人に与えた影響も大きいのではないだろうか。 森が動いていく所や、山田五十鈴の手洗いなど、映像的に優れた場面が多々あり、黒澤明が娯楽時代劇の名手だけではないことがわかる。出演者では山田五十鈴の不気味な演技も凄いが、最後の無数の矢が飛んで来る中での三船の狂乱も凄まじく、首を矢が貫通するショットは忘れがたい。
山田五十鈴の動きが印象に残る。 体を揺らさず すーっと静かに動く。こわい。 静かなこわさ。静かな緊張感。 三船敏郎の最後の激しい動きの中でのこわさと対照的。 閉塞されたひろがりを持たない思考に囚われた人間の話。
黒澤明は海外古典文学の翻案ものが多い。本作品と「乱」はシェイクスピア、「白痴」と「赤ひげ」の一部はドストエフスキー、「どん底」はゴーリキーと言った具合である。 シェイクスピア、ドストエフスキー、ゴーリキーと並べると 読書家としての黒澤は まあ普通の海外文学好きといった感じであまり個性的ではない。 但し 当たり前ながら 我々が黒澤に期待しているのは文学評論家としてではなく 映像作家である。映像作家として 見てみると いずれも忠実かつ大胆な翻案であり 舌を巻くしかない。 本作「蜘蛛巣城」は黒澤の翻案映画中の最高傑作であり 黒澤映画の中でも5本の指には入ると思われる。広く世界を見回しても シェイクスピアの映画化された中でも ずば抜けた傑作ではないかと思う。これは 同じ日本人の贔屓だけではないと思う。 これは 賭けても良いが 天国で 沙翁(シェイクスピアを漢字で書くとこうなる)も 本作品に対しては 大満足しているはずである。このように自作が映画化されて21世紀に観られているという点に大きくうなづいている姿が見える。いや、嫉妬しているかもしれない。
原作は、ご存じシェークスピアの「マクベス」。 シェークスピアの「マクベス」や「乱」のもとになった「リア王」は日本人からみると情が感じられない。 でも、その分、人間の持つ本質を鋭く突いています。 この作品のテーマは、人間の業(ごう)。 ヨーロッパでは、人間はどうしようもない存在、と考えてるんでしょう。 だから、あの「羅生門」もヨーロッパで評価が高いのでしょうね。 勧進帳をもとにした「虎の尾を踏む男達」と観比べると面白いと思います。