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シーン&エステヴェス親子の、そして“あの時代”の希望への、積年の想いが感じられる力作。 |
リベラルな気風が強いと言われるハリウッドの中でも、マーティン・シーンは過去逮捕歴が何度もある筋金入りの運動家だ。今作はケネディ一族とも親交があったシーンの息子にして自らもリベラルな俳優エミリオ・エステヴェスが、その“想い”の丈をフィルムに焼き付けた力作である。映画の冒頭で、68年当時アメリカで起こっていた“出来事”がフラッシュで紹介され、劇中何度もロバート・ケネディの演説が流れる辺り、“あの時代”への想いも確実に感じられる。大統領候補が凶弾に倒れるまでの一日を様々な群集ドラマで綴るこのアプローチは、かってロバート・アルトマンが「ナッシュビル」(傑作!)で用いたシチュエーションと重なるが、黒人やスパニッシュ系移民といった下層階級の人々、60年代のアッパーミドルクラスの夫婦の倦怠、LSDの売人、ベトナム徴兵逃れの若者、等当時の事象を切り取っているようなアンサンブルな人物たちが悲劇のアンバサダーホテルに繋がっていくこの目論みは、映画的に成功していると思う。リベラルな信条のスターが多く出演しているが、個人的にはローレンス・フィッシュバーンが印象的。あと、付けまつげのシャロン・ストーンはこの当時のフェイ・ダナウェイそっくりなのが可笑しい。作り手が最も訴えたかったであろうラストの20分、沈痛極まりない鈍い7発の銃弾の後に漂うパセティックなトーンの中で流れるケネディ自身によるアメリカ国内の反暴力への魂の叫びに目頭が熱くなりつつ、“同胞”を“人間”に置き換えれば、今日でも有効なメッセージになる事を噛み締めるべきだと思う。 |
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