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滅びの美学があちこちに‥。戦争映画として出色のでき。 |
昭和19年11月、海軍省のバックアップのもと制作された映画。
一年足らずで敗戦を迎える、余裕の無い時期にもかかわらず、贅沢な作り、とも思えるたたずまいだ。
もちろん、米英に対する敵愾心をかきたてる描写もあるが、戦争遂行のための精神的結束を高めることに
重点がおかれている。‥と思いたい。
前線が後退し、物資も兵器も欠乏してゆく中で、威勢のよい戦意高揚映画ばかり作っているわけにもゆくまい。
「米英に勝ったら、ご飯を5杯食べてもいいの?」と我慢を強いられる子どもが放つセリフに、
過剰に不機嫌な様子を見せたり、追い詰められた戦況の中で、命の価値と死の意味を見出すための
心の葛藤を描いたり、確かに反戦映画と目されても不思議ではないシーンもある。
個々人の性格、個人的な思いに寄った、非常にヒューマニスティックな映画とさえ、言えるだろう。
真新しいゼロ戦や、航空母艦からの発艦シーン、特撮シーンなどは今となってはお宝映像だが、
一方で、余暇に主人公たちがカード(トランプ)を使い、ブリッジを楽しむのだが、これは出鱈目。
いかにも素人。
その辺はご愛嬌として、ご注目いただきたいのは、戦国時代の武士ももかくやと思われるほど
研ぎ澄まされた、悲壮感あふれる軍人たちの精神を描いたところ。
これでは日本人にしか、戦意高揚映画として機能しないだろうけれど。
だから、反戦映画なんて観かたもでてくる。
それはともかく、エンディングのセリフは、明らかに意識して、観客である銃後の人々に向けて
語られている。
戦時中に作られた、異色の戦意高揚映画ではあるが、計算された効果を見事に演出しているのはさすが。 |
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