良い / 口コミ件数 : 3件
価格 : 3,700 円
松田優作主演の方が知名度があるが、あれはまったくの原作を知るものからすれば別作品。単に名前だけ借りただけであり、名前を変えてもいいぐらいの作品だ 本作は若き日の仲代達矢が原作が発表されてまもないころ、日本映画の若き力を結集して作られた意欲作であり、その当時のパワーを感じたまさに野獣を感じる作品 原作の伊達邦彦の若いころのを仲代達矢が忠実に再現している。とくに決して心を人に許さない得たいの知れない暗い影を持つ雰囲気を仲代独特の目力が非常にマッチして、見るものに冷たい狂気を感じさせる。もし今リメイクするとしても、仲代以上の伊達邦彦を演じられる役者が日本に存在するのだろうか? 原作といくつか変更点があるが、大筋は再現してるので成功者としてアメリカへ旅立つ原作にそったエンディングとして再現されており、本来成功者であるはずの伊達が他の作品みたいに最後権力に屈するというありえない最後となった他作品とは違い、権力をあざ笑い完全犯罪の成功者として旅立つ姿は非常に爽快で気持ちがいい。 また音楽も非常に秀逸で、作品を美しく狂気に盛り上げている。モノクロ作品だが、それを超越するパワーがあるので、大藪春彦ファンの方は是非お勧めする。
原作が昭和33年。映画化はその翌年。 当然ながら、原作作家は駆け出し。その映像化作品にあたったのは30代に行かないスタッフたち。監督はこの作品が2本目。脚本家も。東宝は若さ、に賭けたのだろうか。いや。私は個人的に本作は若い原作者のエネルギッシュで野蛮な小説を、会社(当局ともいえよう)が、若いスタッフに丸投げで撮らせた、のが真相ではないかと思っている。皆が、原作作家が日本のミステリ界の嚆矢となるなど、夢にも思わなかったのではないだろうか。 しかし、新しいスタイルの犯罪者を描くことに対する情熱が満ちた一本である。スタッフは、自動車、拳銃、無線を自在に使い、理知で権力をあざ笑う冷酷無残でドライな主人公を、おそらく日本で最初に映像化して見事に成功したといえよう。 本DVDでは、特典映像で作中に使われた拳銃の詳細な解説が入っている。いまから50年前、モデルガンなど影も形もない時代に、ここまで執着したか、と驚き・感動を通りすぎ、呆れに近い気持ちを抱いた。これら小道具ができて現場に持ち込まれたときのスタッフの顔が目に浮かぶようだ。その熱気・狂気・歓喜をスクリーンから観客にばらまく行為は、すばらしい事だったにちがいない。 昭和34年の東京は、もう1000年も昔の別世界である。その世界を熱気と狂気で、あなたも駆け抜ける事ができるだろう。
原作は読んだ事がないし、映画も殆ど見ないけど、松田優作版は傑作だと思っているので 仲代版にも興味を持ったんだけど、期待しすぎだった。 こちらの作品は、悪い意味で時代を感じさせる。音楽も演出も、まさに昭和。 自分にはそれらが陳腐に思えた。 一番気になったのが、仲代さんの伊達邦彦からは人間の狂気が感じられなかった事。 他の役者も演技が上手いとは思えなかった。 値段は高いし、プラズマテレビの残光・焼き付きを気にする人にとって、 シネスコサイズ(画面の上下に黒帯が表示される)というのも気になる点。