良い / 口コミ件数 : 4件
価格 : 11,049 円
この宮本武蔵、一言で言うと異端派に属する。原作から逸脱してる部分も多いことは事実。・・なんですがこれ実は結構名作だったりするのです。何故かっていうと口でいうのは難しいんですが、原作の雰囲気だしてるんです。別に原作のような心の剣を求める武蔵は描かれてません。むしろこの作品武蔵を取り巻く連中がものすごく魅力的なんです。ニヒルすぎてそして切ない小次郎、情熱的すぎて不幸の道を驀進する朱美とおつう、そして原作にない熊五郎という城太郎の弟弟子の愛らしさ、けなげさ、すべてが原作にはないエピソードの塊なんですが、原作に近いイメージのする作品なんです。ラストの三船武蔵と鶴田小次郎の暁をバックにした巌流島決戦、武蔵映画でもっとも迫力があります。そして三船武蔵の渋さに酔いしれます。最後にこの作品はアメリカで日本初のアカデミー賞を受賞した作品です。日本ではあまり評価されませんでしたが錦之助武蔵とは違う面白さが味わえます。このレビューが他の皆様の参考になれればこれ以上の幸せはありません。
宮本武蔵はどうしても中村錦之助の武蔵と比較してしまいますが、この宮本武蔵はまた違った魅力を放つ素晴らしい作品だと思います。吉川原作を多少変えていますが、かえってストーリーの流れが良くなっています。一乗寺の決闘の名目人を清十郎に変えているのもむしろ話がしっくりときます。子供を斬ったと責められることもなく、またオババの復讐などといった余計な話も省かれているので、密度の濃い内容になっています。三船の武蔵は凛とした風格があり迫力十分で巌流島の決闘の緊張感は凄いものです。個人的には、三十三間堂の闘いでの武と美を対比した演出がとても心に残りました。非常に味わいのある「宮本武蔵」だと思います。
宮本武蔵は、三船敏郎を始め、萬屋錦之介、中村錦之助、役所公司などなどたくさんの人が演じています。おつうさんも、今回は八千草薫です。 岡田茉莉子も若いです。 今までも何度も見ましたが、久々に見るとまたいいもんです。^^ 日本の自然も、いまよりもっと豊かだったよう泣きがします。 さて、続きもみよーっと ^^
本作では鶴田浩二演じるところの佐々木小次郎。 これが驚くほどいい。 言わずと知れた剣の達人で武蔵最大の敵役。この設定は当然だが、本作で白眉なのはそのキャラクターの造形である。 あまりに強すぎるがゆえに世間から受け入れられない孤独。 それでも自らの剣を極めることを宿命づけられた彼の天才としての生き方は、ニヒルであり、どこか破滅的だ。 そこまではよく描かれる小次郎像であるが、本作はそればかりではない。 そんな孤高の天才としての自らの宿命をうけいれつつも、武士としての礼節を重んじ、対戦相手や女、つまり自身より弱いものへのいたわりも忘れない。 そんな彼のストイックな姿は高潔で凄味を感じさせるものであると同時に、常にどこか一抹の寂しさも漂わせている。 小次郎が発する言葉のひとつひとつ、それを独特の説得力ある台詞まわしで語る鶴田浩二の演技も絶品だ。 まさに、男が惚れる男として描かれている本作の佐々木小次郎は、完全に“三船”武蔵を圧倒している。 巌流島の決闘の迫力や、そこからつながるラスト・シーンの情感も、まさにこの佐々木小次郎像あってこそ導かれるものであると思う。 …が、作品全体としての出来は、決してほめられたものではありません。 特に、武蔵とお通の離れてはくっつきを繰り返すメロドラマ的部分のしつこさや、第二部(「続・宮本武蔵 一乗寺の決闘」)のもたつき加減は観ていてなかなかキツイものがあります。