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雪国 [DVD]

雪国 [DVD]

良い / 口コミ件数 : 4


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クチコミReview一覧
評価の高い順 評価の低い順 書き込み日の新しい順
口コミ件数:4 1
1.  とても良い 島村 良さん 書き込み日: 2008年01月17日

駒子役の岸恵子の演技力が光る最高の名作

この作品は日本映画史上屈指の名作であると思う。
出演者は言うまでもなく、監督、脚本、映像、音楽等全てがすばらしい。
その中でも特筆すべきは、やはり駒子役の岸恵子の存在感であろう。
駒子は実はなかなかに演じるのが難しいキャラクターの持ち主。
芸者に出るような身でありながら純粋さを失わない可愛い女だが、感情の起伏の激しさ、情の深さ、時に見せる弱さ、嫉妬心、そういうものを複雑に併せ持つ女性である。
岸恵子はその駒子が到底成就するはずもない恋に身をやつす様を、これ以上ないと思えるほどの卓越した演技力で見せてくれているのだ。

小説を映画化し、多くの人の賛意を得るのはとても難しいことだと思う。
前もって本を読んでいた人々には、それぞれにその作品に対する強いイメージが心に焼き付いているものだ。だから他人の手によって映画化されたものには、たいていの場合失望感を持つケースがほとんどであるだろう。しかしながらこの作品はそういった違和感なりを遠くへふっとばしてしまうほどの圧倒的な臨場感をもって我々の心に迫ってくる。

島村役の池部良、葉子役の八千草薫他脇役陣もそれぞれにその役柄に応じた最高の演技である。又、白黒の映像が雪という幽玄な世界をより魅力的なものにさせている。なかでも鳥追い祭りの雪と火が織り成すシーンは、来るはずであった島村に裏切られた駒子の哀しくしかし美しい表情ともあいまって芸術作品を見るかのごとくである。さらに全編を流れる團伊玖磨の音楽はあたかもハリウッド映画のそれを思わすすばらしい効果をあげている。

しかしながら何といっても最高なのは「岸恵子の駒子」である。もとより大女優だけに数多くの作品に出演してはいるが、これがおそらくベストパフォーマンスだと個人的には確信している。彼女を超える駒子役はおそらくもう出ないことだろう。50年ほど前の映画だが、その演技にまったく古くささは感じない。現代を生きる若い方々にも是非見てもらいたいと思う。
きっとその魅力が時代を超えて伝わってくることだろう。

ただひとつ残念に思ったのは、切なく美しいラストシーンの直前の場面、火事で顔に醜い火傷を負った葉子の顔のアップ(一瞬ではあるが・・)を見せる必要があったのかどうか。
せめて包帯を巻くとか何とかできなかったものか、この映画をTVで始めて見た高校3年のときにはその悲惨さがショックでなかなか寝つかれなかったことを思いだす。
それがあるために、ラストのやや重苦しい感動が、必要以上にその度合いを増してしまったように思うのは私だけであろうか。



2.  良い 池田平太郎さん 書き込み日: 2007年11月04日

思わず、これが同じ日本なのか?!と目を見張った逸品

この作品は、言うまでもなく、ノーベル賞作家・川端康成の名作を映画化したものだが、大家が描く男女の心の機微よりも、むしろ、私には昭和初期の習俗を余すことなく映し出したことの方が印象深かった。
即ち、「同じ日本なのか?!」とさえ思わせられるほどに衝撃的であると同時に、新鮮でもあったのである。

見上げるほどに降り積もった雪。
その雪の中に、多くの人たちが暮らし、多くの子供たちが、見たこともない祭りに興じている。
その一方で、男がふらりと田舎町の宿屋に宿泊すれば、いきなり、「芸者を呼んでくれ」と言って普通に女を抱けるという現実と、自分の想いとは別に、生きていくためには心を切り離さねばならないヒロインの現実・・・。
作品自体は、後半、少々、間延びしたような観がなきにしもあらずだったが、それらの悲哀を余すことなく描きったという点では十分に堪能できたように思う。

配役陣という点では、何と言っても大女優・岸恵子の、「可愛い」駒子役が圧巻であったろう。
役柄、酔っぱらう姿が多かったが、本当に酔っぱらっているようにしか見えなかったし、自分の感情と、どうにもならない現実との間で身を焦がす姿も他の女優とはひと味もふた味も違うものがあったように思う。
島村役は池部良でも佐田啓二でも大差なかったかもしれないが、岸恵子の駒子役だけは、圧巻であったように思える所以である。



3.  良い チバフトシさん 書き込み日: 2006年11月23日

見る価値あります。

●「トンネルを抜けたらそこは...」のフレーズをえ?どうやって撮ったの?っていうカメラワークで再現する機関車の走行シーン!●豪雪地帯でのロケ映像の美しさ!●役者さん達の(八千草薫さんがちっちゃくて、おでこがキュート)情感溢れる演技バトル!●岸さんのぶりっ子?小悪魔キャラ!(当時24歳・奇跡的な美しさ)当時からあの独特の声、大女優ぶりがうかがえます。▲ラストが個人的に「え?!これで終わるの?」的なので星4つですが、古さを感じさせない完成度の高さで◎!!



4.  良い ヤキソバさん 書き込み日: 2008年10月25日

美しい「白」

1957年モノクロのこの作品は、雪の白が美しい。
作品中のほとんどの場面は、雪の大自然や、雪深い温泉宿を舞台としている。
背景の、雪の白さが、鮮やかに描かれ、その中で、島村や駒子の感情の揺れが、鮮明に表出されている。

川端文学は、本当に美しい。
多くの川端文学作品群の中でも、「雪国」は、解釈の特に難しい作品だと、私は思っている。

本作品は、かなり原作に忠実だ。
それ故に、私は、この作品を観ても、再度悩んだ。
それでも、原作に、白い視覚イメージを与えてくれた点を評価したい。

最高レベルの文学作品の映画化の困難さも、同時に感じる。
それにしても、美しい。

何度も繰り返し再生して、楽しみたい。



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