とても良い / 口コミ件数 : 4件
価格 : 4,200 円
冒頭、新聞記事が大写しになる。強盗犯が雪山に逃走!事実関係はこれだけである。いまはどうしてそのシチュエーションになったのかを、何十分もかけて説明する。なかには説明だけで二時間を終えてしまうトンデモ作も多いのに、この潔さである。たった数十秒で画面に引き込む脚本は尋常ではない。これはやはり黒澤明の功績が大きいだろう。谷口作品だが、黒澤映画のごとく語られることが多いのは、やはり三船の存在感が凄いからである。東宝ニューフェイスで採用されて入社したものの、カメラマン志望だったが空きがなく、仕方なく俳優試験を受けたものだから、可笑しくもないのに笑えません!と試験官の課題項目を一蹴するなど、ワイルド感炸裂状態。本当は落選のところを高峰秀子が注目して、凄いのがいるよ!と触れ回った結果、補欠採用だから、本人も破れかぶれだったのかも知れないが、画面に映し出される三船は、どう見ても本物のワルである。公開が前後して、今では本作が三船のデビュー作といわれるが、高峰秀子に押されて、しょうがなく採用した山本嘉次郎監督の「新馬鹿時代」が撮影は先のはずであるが、この作品の三船もヤクザ役で、ここまでやるかメイクのホンモノである。黒澤はこの凶暴さにやられてしまい、酔いどれ天使につながっていく。その意味でも非常に重要な作品といえる。三船は岡本喜八らと毎日重い機材を山へ運んだそうである。岡本喜八はいいが、三船は俳優である。後にも先にも雪山に機材を運搬した主演級俳優というのも、三船くらいのものだろう。60年前の作品だが、クリフハンガーやバーティカルリミットよりは上である。必見の一作。
ファンには言わずと知れた伊福部昭の映画音楽第1作。有名な逸話を思い浮かべつつ観ましょう。志村喬の演技も、さすがと思わせます。
60年前のモノクロ作品。 黒澤明と三船敏郎がはじめてであった映画なのだという。 すごい… ウソのない凄さのようなものを感じる。 映画の力を感じる。 戦後間もないころの雪の北アルプスが舞台… 今こうして見つめている自分が、すごく不思議に感じる。 撮影は大変だったろう。 美しい… 思わず敬意を表したくなる作品だと思った。
銀行破りの三人組が雪山に逃げ込んで行くという、ちょっと安易とも思える設定です。ところが、雪山シーンはかなり本格的です。そして志村喬、三船敏郎の二大スターの共演もあります。 1947年の作品ということは敗戦間もない頃です。そんな時代にこんな映画が撮られていたことにまず驚きます。もちろん白黒映画で、映像の見づらいシーンもありますが、豊富な雪山シーンには大満足できます。それに雪山であれば、モノクロでもそれほど問題ありません。ただ、「ローゼン・モルゲン」の美しさを表現するセリフやシーンがありますが、その美しさだけはさすがにわからないのが残念です。