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細雪 [DVD]

細雪 [DVD]

とても良い / 口コミ件数 : 17


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1.  とても良い ともぱぱさん 書き込み日: 2005年12月24日

あとは音さへよければ

とにかく映像の美しさは文句のつけようがない。冒頭の京都の花見のために4人姉妹が座敷に集まる場面から、障子にさす淡いピンクの光が作る陰影に目を奪われ、あとはため息が出るばかりシーンの連続。花見の場面の桜の花にあえて造花を使ったということを知って、美を追求するスタッフの心意気に感銘を受けた覚えがあります。4人姉妹の着物の絢爛たる美も特筆もの。20年前に劇場で見たときは、大げさに言えば日本人に生まれてきてよかったという感動で、しばらく席から立ち上がれませんでした。たしか原作は3年ほどの期間の話ですが、この映画では昭和13年の1年にまとめて、四季の移り変わりを見せてくれます。もちろん、役者さんの演技も見事。筋は三女の見合い話を中心に進んでいきますが、だれることはありません。その三女を演じるのが吉永小百合。私は吉永小百合、そして市川崑監督の映画を全部見たわけではありませんが、私にとっては本作品が彼らの最高傑作と思えます。DVDで見直してもその思いは変わりません。

ところが、音響面では、サラウンドが主流になってきているこのご時世に、モノラルはないでしょう、と言いたい。特典映像がステレオなら、本編の方もせめてステレオにしてほしいもの。折角のオンブラマイフと映像の調和もDVDでは今一歩の感を否めません。東宝が50周年を記念したその名に恥じない大傑作なのですから、音響面のリマスタリングとか無理なんでしょうか。もし将来音響面も改善されたDVDが発売されれば、私は再びこの作品を買い求めることでしょう。



2.  とても良い akasatanaさん 書き込み日: 2007年02月04日

無人島に持っていくならこれ!

長い間ずっと待ってました。
この映画をDVDで出していただき、本当東宝さんには感謝感激です。
タイトルにあるとおり、無人島に一本映画を持って行くとしたらこれかなと言うくらい好きです。

星5つどころか、この欄一杯に星を埋めつくしたい。
映像の美しさ、演技、音楽、よく纏め上げた脚本、素晴しい演出。見ていた2時間半の間ずっと幸福な気分にしてくれました。

この映画は日本判「失われた時をもとめて」ではないでしょうか?
最後に長女がつぶやきます。
「みんなええ具合に行ったらええなぁ。」
まるでハッピーエンドのような終わり方。
彼女達の誰もがこの生活がいつまでも続くと無邪気に思っています。
けれども観客だけは知っているのです。
この後すぐに戦争と云う化け物が彼女達の幸福をめちゃめちゃにしてしまうことを・・・・

俳優陣も文句なしです!
吉永小百合に到っては、これだけの役をもらってもって瞑すべしと言うくらいの素晴しさでした。
勿論、岸恵子、佐久間良子はミスキャストぽいにもかかわらず最高の演技。
石坂浩二、伊丹十三も素晴しい!
また、脇役の新橋耐子や横山道代も一つ間違えると遣り過ぎになる所をうまくを抑え好演。
華やかな中、土間で泣いている三条美紀の「お久」が忘れられません。

唯一、こいさん役の古手川祐子が不良と言うよりは下品過ぎて「?」です。
しかし、冒頭見事な桜を見て発する「いやーぁ!」と言う感嘆の声、雪子の爪を切って「綺麗な爪やなぁ」の二言はまるで音楽のようでこれだけでも見る価値ありですね。

心が疲れた時、何かいやなことがあった時、繰り返し見たい映画です。



3.  とても良い Kenさん 書き込み日: 2004年09月23日

美の究極

もし日本映画で一番美しい意映画を挙げよといわれれば、僕は遠慮なくこの映画を一番に挙げる。市川の作り出す映像美は独特のあのフィルター映像に加え、四季を通して四人の究極の女優を使いこなすことによって余すところなく描かれている。話題性の俳優にはわざと言葉を減らし、演技派の俳優たちに雄弁に語らせる手法は、後の市川作品にはなく、氏の絶頂期であったことがわかる。桃の桜に紅の帽子という常識では考えられない配色を考え出す配色監督を置き、衣装監督に三松の社長を据えるという斬新なアイディアは見事に功を成し遂げている。センスの格調の高さは、台詞を原作者夫人の手書き文字で表したタイトルからも十分に見てとれる。すべてにおいてパーフェクト、これが匠の仕事である。惜しみない賛意を送りたい。



4.  とても良い hide-bonさん 書き込み日: 2007年04月08日

金田一耕助シリーズが好きな人こそ観て欲しい。市川昆、後期の最高傑作。

 四月、日本的情緒溢れる桜の季節である。そして、満開に咲き誇る京都嵯峨野の桜と、4人の女優たちの息を呑む艶やかさで始まる、そこはかとない優美で絢爛な世界と言えば、今作である。谷崎潤一郎の文学世界を市川昆が見事に映画化、他のレビュアー諸氏がこぞって賞賛する通り、四季の移り変わりを捉えたカメラ、戦前の関西芦屋の名家の人々の閑静な佇まいと品位、流暢な関西弁と、本当にこの映画は美しい。そして、極めつけのスタイリッシュなモダニストである市川昆は、クローズアップの多用で、四姉妹の微細な感情の機微、確執、攻めぎあいをスリリングに描く。そのケレン味と悠然さを兼ね合わせた演出に、観る者は、ただただ陶酔、眩惑させられるのみだ。豪華俳優陣による演技のアンサンブルも見応え十分。主演格の佐久間良子のしっとりとした大人の魅力も素晴らしいが、吉永小百合の奥ゆかしさの中での芯の強さと一瞬のしたたかさが絶品、この人気女優が、実は紛れもない演技派である事が分かる。男優陣の石坂浩二と伊丹十三の養子らしい押しの弱さと、打って変わっての狡知ぶりも面白い。純文学の映画化と言う事で敬遠される向きもある様だが、映画ファンは、新旧の「犬神家の一族」程度で盛り上がる事なく、この極めて日本的な傑作を堪能して欲しい。



5.  とても良い なら夫さん 書き込み日: 2004年03月07日

見惚れてしまいます。

着物姿で桜見に漫ろ歩く、佐久間良子、吉永小百合、小手川祐子らの景色、その景色を覗いた、周りの人たちの見惚れるシーン、障子越しの桜の仄かな紅色の光がこぼれる料亭の席、そこに遅れてはいる岸恵子の脱いだ羽織の裏の華やかさ、・・・  失くしてしまった、日本の美しき文化と美意識の、その価値と、その大きさ。・・・ 嫁ぎ、去ってゆく吉永小百合に、噛み締めるような思いで酒をあおる石坂浩二の心境にいつの間にか同化してしまいます。見惚れてしまう作品です。



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