とても良い / 口コミ件数 : 2件
価格 : 1,200 円
これはハリウッド版のフランケンシュタインとはまったく異なる作品です。若干の原作からの修正は行われていますが、シェリーの原作に忠実に作られた作品です。したがって話の展開は、北極圏に近いロシアでイギリスの船に救われたフランケンシュタイン(実はフランケンシュタインは、怪物を作り出した人間であり、私たちが通常理解している怪物ではないのです)が、船長にこれまでの経緯をフラッシュ・バックする形で打ち明けるスタイルを忠実に踏襲しています。人間が踏み入れてはいけない領域に足を踏み入れてしまったフランケンシュタインが運命付けられた悲劇の展開は予想通りですが、合理主義に基づく科学の追及の延長線上に何が待ち受けていたのかが、この怪物の苦悩の独白を中心として描かれていきます。ロケはノールウェーとスロヴァキアで行われており、美しい中欧の景色が満載です。副読本としては、中公新書の”批評理論入門”が参考になります。
まず、蘇った“怪物”が所謂怪物然としたものではないので、ホラー的な怖さはありません。作品自体、そういう色は狙ってないようです。というか、ルーク・ゴス演じる“怪物”は、私的にはとてもハンサムで、彼がもともとは死体ということを考えれば肌を重ねたりはちょっと抵抗がありそうですが、傍にいて心を通わせたいと思えるほど知的な魅力に包まれています。 彼が民間人に迫害されたり(容姿的な理由のみで)、いいことをしているのに誤解されて(これも容姿的な理由から)苦悩するという姿がもう少し濃く描かれていれば☆5つでした。 怪物的な怖さでいえば、ロバート・デ・ニーロが演じた“怪物”のほうがいい味を出してました。