とても良い / 口コミ件数 : 49件
価格 : 3,690 円
久しぶりに何度目かまたマレーナを見てしまった。 戦時下のイタリアで、夫を亡くした(と思っている)寡婦がどうやって生きていけばいいのか。 あまりに美しいマレーナが、権力者であるナチスやファシストの売春婦になってしまった事を責める事は、難しい。 結局イタリアやドイツが戦争に負けたため、彼女は売春婦と罵られ町を追われる事になるが、本当に彼女にどんな罪があったのかしらと考え込む。 前半はとてつもなく明るくちょっぴりエッチな、子供から大人にさしかかる、男性なら誰しも記憶と経験のある青春お色気物語のよう。 それが後半一気に、戦争が残酷に人生をもてあそぶドラマチックな展開を見せる。 このあたり、同じイタリア映画のビューティフルライフと似た構成になっている。 前半が明るければ明るいほど、後半の厳しさが胸を刺す。 音楽、シチリアの風景、そしてまだこの頃(演技派としての)名は売れていなかったモニカの美しさ。 戦争と言うものの残酷さを女性の強さが結局凌駕するストーリーの行方はすがすがしく、力強い。
モニカ・ベルッチという女優を私はこの作品で初めて知りました。最近公開されたマトリックス・リローディッドにも出演していたようですが、このマレーナという作品の彼女ほどのインパクトはありませんでした。美しいがゆえにただ存在するだけで男たちの心をかりたてる。ただセックスアピールが強いとか、セクシーだとかいうのではなく、戦争未亡人であるという陰のある美しくこわれやすい女(ひと)。男ならばだれでも、こんな女性を守ってあげたいと本能的に感じるはずだが、女性たちは違う。全編をとおしてマレーナがたどっていく数奇な運命のいたずらと、それをただ見守ることしかできない少年のもどかしさ。実際にベルッチの台詞まわしはほとんど無く、ただイタリアの太陽と海と空とまちと人が登場人物たちを包み込んで情感が匂い立つほどに伝わってくる。デジタル技術で何でも映像化出来、立体音響でどんな空間でも人工的に作り出せる時代であるが、この映画の生の映像は、音が無くても私たちにしっかりとそのメッセージを伝えきることができる作品だと感じます。イタリアのみで公開されたディレクターズ・カット版も観ましたが、心に感じた少年の気持ちを大切にするならば、こちらのオリジナル版がお奨めです。モニカ・ベルッチのファンで、彼女のヌードに興味があるなら、別ですが・・・・あわく、せつない少年時代の心のゆらぎを感じて欲しい作品です。
国のために戦争へ行って片腕を失った男性と、戦死したと誤報を受けて寡婦になり、町の人達から冷たくあしらわれる女性が出てきます。戦争と言う非常事態の中とは言え、心を失い余裕のない町の人達から冷たい仕打ちを受け、侮辱され、冒涜され、町の女性からリンチを受けた女性は町を出、妻を捜す男は町の人から冷たく、あしらわれ、妻の悪口を聞かされ、妻を捜すために男も町を出ます。月日がたち、町の人達が2人の存在を忘れた頃に2人は町に戻ってきます。ばつの悪い顔をする町の人達。2人は自分達を貶め、侮辱した町に何故もどってきたのか?何故、町で暮らす事に決めたのか?それは忘れさせないため、自分達にした仕打ちを町の人に忘れさせないために戻ってきたのか?戻ってきた2人の存在感の大きさに圧倒されます。2人はただ、町の人達が多く行き交う道をただ、歩いているだけなのですが。それと集団心理、集団ヒステリーは恐ろしいです。
まさに名作!ジュゼッペ・トルナト−レ監督の作品で最高の作品です。第二次大戦下のイタリアを舞台に大人の女性に対する少年の恋を描いた作品ですが、他にも人間の心の醜さや恐ろしさ等、人間の心も描いた作品です。少年がマレーナに言い寄る男達や嫉妬する女達に小さな仕返しをする場面はイタリア映画のユーモアたっぷりな名シーンでしょう。そしてラストシーン、このシーンこそ映画「マレーナ」が名作たる所以でしょう。映画を盛り上げる音楽はあの「海の上のピアニスト」の音楽も手がけたエンニオ・モリコーネ。最高の音楽と最高のストーリーそして演出で完成された映画「マレーナ」どうぞ御覧あれ。
ジュゼッペ・トルナトーレ監督が描く少年から大人へと成長していく苦痛と、時代に翻弄されながら生きる女性を描いた作品。モニカ・ベルッチの娼婦役の体当たりの演技は必見。何よりも少年の人妻への恋が少しコミカルなんだけど、でも純粋さがたまらない。『僕があなたを守ります』と静かに祈りを捧げるシーンは、恋をすることは人間性を成長させることに気づかされる。それが失恋に終わったとしても。少年は大人へと変わっていき、過去と決別をする。ラストシーンが好きな映画は数あるけども、特にこの映画のラストシーンは大好き。オレンジを落としたマレーナに初めて話しかけて、渡してあげたあと。自転車で後ろを振り返りながらも一心不乱にペダルをこぐシーンに被さる独白が素敵。一つの節から次の節へと男の子が成長していくときに、そこにはどんな感情が待ちかまえているのか。『あなたを見た瞬間からすべてが止まった。』イタリア映画ならではの、女性がいかに男性にとって必要で、いかに女性が美しい生き物なのかを謳い、男の子の視線で描いた作品。