とても良い / 口コミ件数 : 2件
価格 : 3,161 円
この作品は今の映画が忘れているエンターテイメントを全て盛り込んだある意味傑作だろう。時代劇なのに今風(当時の)の歌を唄ったり、外来語(「ロマンティック」などの横文字)を使ったり、武家と商人の関係も無茶苦茶とか時代考証にうるさい人とかにはむかないかも知れないが、とにかく何でもありと考えれば素晴らしいエンターテイメントで、歌が古いかもしれないが十分に楽しめ、元気が出る作品だ。 主役はやたらとモテる若き片岡千恵蔵(3人の女性の気を引く色男の役)になっているが、話は志村(志村喬)とお春(市川春代)親子、それに絡むお富(服部良一の妹の服部富子)が中心の時代劇ミュージカル(片岡千恵蔵の歌は吹替えらしいが、その他の人は本人の声らしい)。 1939年というナチス・ドイツがポーランドへ侵攻した年に作られた作品としては、戦争の影も見えないところがある意味当時のまだ余裕のある日本を表しているのか。 「ななな何でしょ・・・」や「さーてさてさてこの茶碗」、「ぼーくはわかーい殿様」など妙に耳に残る歌も多いし、ディック・ミネの元祖バカ殿も最高。お春ちゃんの「チエ〜」というわざとらしい舌打ちも後をひく。千恵蔵の殺陣もあり、ラブロマンス、コメディもありで何でもありの戦前のザッツ・エンターテイメント。マキノ正博監督の懐の深さを思い知らされる凄いエンターテイメントだ。 DVDとしても曲ごとにシーンを再生できるメニューもあって色々でも楽しめるものとなっていてうれしい。
1939(昭和14)年作品、もちろん白黒映画、題名は「おしどりうたがっせん」と読む、永らくまたされたDVDが遂に発売、祝うべし、 これを傑作とよんでいいかどうかは人それぞれ、しかし、見るものすべてが腰が抜けるほどの驚愕を覚えることも間違いなし、人によっては怒り出す可能性もある、製作側はあくまでも本気で真剣に作っているのだが、出来あがったものはどこまでが本気でどこからが冗談なのかと思うような、いわゆるとんでもない映画です(つまり見る人を選ぶ映画です)、 アマゾンのレビューにあるとおり、劇冒頭で準主役のディック・ミネが日本橋を渡りながら「ボクはワカーイ殿様ぁ〜」とのんきに登場した瞬間にキューブリック「2001年」のクライマックス並のトリップ体験が可能です、驚くべし、 片岡千恵蔵は病後第1作ということで主演といってもいがいに地味、その分を脇を固めた志村ほかの芸達者が大活躍、 製作された昭和14年といえば日独伊防共協定の2年後であり、前年には国家総動員法施行、5月にはノモンハン事件が起きた「準」戦時です、そんな非常時であることなどまったく感じさせない本作のような純粋な娯楽映画が作られていたことに昭和10年代前半の好景気(戦争はまだまだ職業軍人がおこなうものでありまだ総力戦になっていない)を感じます、 戦後にひとつの流行となる「狸もの」のファンには必見です、本作が1980年代に「再発見」された経緯など興味のあるファンは調べると楽しいでしょう、それにしても本作のフィルムが無くならなくてほんとに良かった、