良い / 口コミ件数 : 3件
価格 : 2,980 円
とにかく参りました…。スティーブ・カーンの空間を切り裂くような鋭角な、だけど奥行きと広がりと浮遊感を持つ美の極致のようなギターの旋律が、あの後期ウェザー・リポートの音宇宙の上に乗っかっている…。音源が今のところこれしかないのが本当に悲しいほど、不思議で美しく透明で浮遊する、それでいてジャズが持つわくわくするような展開が繰り広げられています。管楽器の代わりにギターという意味ではザビヌル・シンジケート的な音ではあるものの、ザビヌル・シンジケートとの無国籍な(あるいはアフリカやインドなどの第三世界的な)サウンドビジョンまでは発展していない、かなりウェザー・リポート的な(あくまで西洋側の)美しさや流麗さが醸し出されているように思いました。「Update」から「Consequently」にかけてスティーブ・カーンがメロディを弾く部分が自分にとってのこのDVDのハイライトではありますが、ウェザー時代の曲もまた違う趣で、その意味では文句なしの演目・演奏だと思います。 DVD作品としては残念ながら音がイマイチで、レベル調整が雑で一番の盛り上がり部分で録音レベル(ボリューム)が下がったりすることがあります。また、メンバーがザビヌルの細かい指示を待って演奏している感じが否めず、ザビヌルが何をやっても「試している」ような感じがすることがちょっと気になります。 それでもこのメンバーで、しかもライブ映像が見られたのは貴重なことであり、発掘してくれたレーベルに感謝したいです。
20年を経過して後、ようやく”オフィシャルな”形でマーケットに出たウェザー・アップデイト。音のみならず映像付き(DVD)とは、、、時代は流れたのですね(^^; 70'sのフュージョン・シーンを牽引してきたウェザー・レポートも時代の波には勝てず80's半ばに活動を停止する訳ですが、J.サビヌル氏(key)はその制作意欲を失うことなくこのウェザー・アップデイトを結成してノンストップで動き出す訳です(その後、サビヌル・シンジケートへと発展的解消となるのはご承知のとおり)。非常に短命(というか、J.ザビヌル氏はこれをパーマネントにするつもりは無かった?)訳ですが、それ故に何としてもウェザー・アップデイトを見たい/聴きたいファンが居るのも事実です。 ウェザー・レポートからの付き合いになるP.アースキン(ds)、V.ベイリー(b)に加え、gにはS.カーンを登用(何でも、当初はJ.スコフィールドに声をかけたのだとか。しかしフラれてしまい?S.カーン氏に白羽の矢が立ったというのが事の顛末)。 楽曲そのものは、サビヌル・シンジケートへの布石となるJ.サビヌル氏のソロ作およびウェザー・レポート最後期の”This is This”からの選曲となっています。残念ながらこの日の全演奏曲が収められている訳ではなく、S.カーン氏から頂いたメールでは、少なくとも2曲(何れもS.カーン氏はお気に入りだったとか)はオミットされているのだとか。 それでも、楽曲はもとより、動くS.カーン氏が見られるという”一点買い”で入手した私のような輩(^^;には十分おつりのくるものではあります。 こうして映像で見ると、J.サビヌル氏が全てを仕切る指揮官、P.アースキンがさしづめ名参謀といった具合で、演奏以上にこの両者のアイ・コンタクトに惹きつけられます。 #途中、「ちょっとやっとけ。ワシ、エンジニアと話さんといかん」的 #な動作でJ.サビヌルさんがキーボードから離れるシーンも映っていたり。 #カックイー(^^; 多分、オフィシャルにならないだけで、この手のフュージョン末期のいろいろな意味で興味深い音源(含む映像)はまだまだあるのだとは思いますが、何とか陽の目をみられるようにしてもらいたいものです。 蛇足話: それにしてもオーディエンスの反応が、、。ある意味、グループ(=J.サビヌル氏の頭の中にあったイメージ)の斬新さに戸惑っている様子がありありと判ります(^^;
UPDATEの唯一のソフト。CDもないのでこれでしか、このバンドが存在したという証明がない。しかしそれ以上でもそれ以下でもない、というビデオである。 ザヴィヌルの自伝を読めば分かる通り、このバンドは契約に縛られて止むを得ず結成したバンドという印象が拭えない。何せ4人が元ウェザーだ。もちろん大変な猛者達による安定的な演奏には違いないのだが、ここには新発見や、何より新曲というものがない。カーンも元々リード・プレーヤーであると同時に空間を支配するギターなのだが、ザヴィヌルとぶつかっていて思い切ってギターが弾けない。用がないところは何もしていなかったりする。ザヴィヌルの曲は今聴くと斬新だが、この当時のフュージョンの方向、またピーターやヴィクターがプレイする必要があるのか分からない構成である。観客は斬新さに驚いているのではなく、はっきりとダラダラとした演奏に退屈しているように私には思える。早過ぎたと言えば、まぁそうかもしれないが・・・。 残念ながら、この時期の彼らを見ることが出来る(ヴィクター・ベイリーのナマ映像が見られるのは買い!)という以外に、アドバンテージがない。余談だが、同時期にNHK−FMで放送された「ノース・シー・ジャズ・フェスティヴァル」に出た時の「マン・ウィズ・クーパー・フィンガーズ」はカーンのギターがキレて暴れまくる名演だった。こういう隠れた音源が他にないのだろうか。 あとここで書くのもなんだが、『ジャパン・ドミノ・セオリー』をDVD化して欲しい。