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昭和30年代の静かな京都西陣の風景 映画からは郷愁すら感じました |
主演の宮沢りえの演技がいいですね。押さえた表現ですが、凛とした美しさがあります。目に映る姿が細く、痛々しさすら感じましたが、ふとした表情で感情の機微を浮かべるのが自然に感じられ、ステキな女優さんになったなあと思いました。彼女の表情を見ているだけでこの映画の訴えたいことが伝わるようです。
加瀬亮の虚飾を排除したような立ち振る舞いに好感を持ちました。加瀬亮自身が誠実で純朴な雰囲気を持っており、役を越えて自然に主人公の姿を浮かび上がらせていました。
古びた映画館を舞台にしていますし、子供達と映写技師との交流は邦画版の『ニュー・シネマ・パラダイス』といった感があります。映画館や子供たち、そして館主達の何十年後の姿を映し出すあたりもあの作品を意識しているのでしょうか。
ラストで原田芳雄が「映画人の端くれとして、申し訳なくて…」と挨拶した所で涙が溢れて止まらなくなりましたが、それはそこに込められた熱い思いがストレートに伝わってきたからです。
人に対する優しさを思い出させるような映画です。押しつけがましくないのがまたいいのです。男女の間に存在した何十年にも渡る深い純愛を描いており、温かい感情が支配しました。良心的で温もりを感じさせる映画ですから、今の若い方々に是非観て欲しい作品でもありました。
ジャズピアニストの上原ひろみの音楽は素晴らしかったです。エンディングにも流れていましたが、とても優しく美しい音楽で、映画の抒情的な雰囲気とよく合っていました。 |
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