良い / 口コミ件数 : 128件
価格 : 2,499 円
私の祖父は、連合艦隊の外周を守る駆逐艦に乗っていた。まだミッドウェー海戦前のことだ。補給船の護衛に付いた祖父の乗る駆逐艦は、補給船と共にアメリカの潜水艦からの雷撃で、轟沈したそうだ。そんな話を聞いているからかどうかわからないが、この映画を再生して感情移入するのに時間はかからなかった。あの戦争が侵略戦争だったとか、負けて当然とか、そんな政治的解釈はこの映画では不要だ。描かれているのは、大和に乗った水兵達を主人公とし、どんな気持ちで、どのように戦ったのかということだ。 次々と占領地域を失い、本土への侵攻が目前となった時、何もせずにはおられなかった若者達、下士官の行動はしごく自然だ。また、伊藤指令が大和最後の特攻を命じられた時に、護衛戦闘機がないのに作戦が成功するはずがないと反発した。それに対し「軍令部総長に、陛下がお尋ねになったそうです。海軍には、もう軍艦はないのか。と。」と反発され、言葉をつまらせたシーンも、伊藤指令の苦悩の決断がひしひしと伝わってきた。軍艦は残っている。だから出撃しないわけにはいかない。そう決意したのだと思う。 大和映画は多く存在するし、TVドラマにもなっている。しかし、今回のように兵士を最優先で追いかけた映画は、この作品が初めてだと思う。多くの戦死者を生んだ太平洋戦争。私達は、幸運にも生き残ってくれた国民の末裔である。生き残ってくれた祖先たちは、皆、一人一人が使命をもって生きてきた。国を立て直すための使命である。その祖先達が築いてくれた平和を、私達は忘れかけてはいないだろうか。有り余る平和を弄んではいないだろうか。そう考えさせられる作品だった。もう3回観ているが、何度観ても冒頭から流れ出す涙を、止めることは困難だ。
エンドロールのときも、いつもはほとんどいなくなってしまう館内が、立つ人も少なく、最後の最後まで、皆さん映画を噛みしめていたようです。涙が乾くのを待っていたのかもしれませんね。こんなに涙した映画は今まで無かったですね。そういう年齢、立場になったのかなぁ…。 下士官や十代の若者に物語を絞ったことで、素直な人間感情を発散できる癒しの作品に浄化しました。 加害責任の後ろめたさを感じながら見る、今までの悲惨さを前面に出す日本の戦争映画とちょっと違って、世代の受け渡しを、最初と最後の話を入れることによって、「死に方用意」の意味、意義を素直に受け止めることができました。 同時に、自分たちがこの「日本で生きている」ことを突きつけられる厳しい投げ掛けでもありました。「平和」とか「生きる意味」とか「誇り」とか考えさせられます。とりあえず、「真面目に生きていこう!」と思いました。 どちらかといえば苦手な長渕剛の歌も、なんかいいなぁ、と不覚にも思ってしまいました。音楽は久石譲だと知らずに見ていました。エンドロールでびっくりです。非常に耳になじみやすい、アイルランド民謡風の、日本人の琴線に触れるいいメインテーマです。前半から涙腺緩みっぱなしのこの映画に浸るのにとてもよかったです。 俳優では松山君が良かったですね。 最後に 「先人たちの失敗から学ぶ」。 それを絶対忘れてはいけません!
公開当時、『戦艦大和』のCGの精緻さや、オープンセットの 迫力だけがインプットされていて、それほど興味はありませんでした。 CGと分かっていても、『戦艦大和』の細部にわたり よくぞここまで再現したものです。最期の出撃となった‘沖縄戦’の 壮絶な戦闘シーンもかなりリアルなものでした。 それにしても、まだ子供といってもいい面影の青年たちの 『戦艦大和』での在り様はただただ痛ましく、溢れる涙を堪えることが出来ませんでした。 戦争とはこんな凄惨な出来事だと、そして有為の大切な人々の命が いとも簡単に損なわれるという事を改めて認識しなければいけないと 思いました。 大切な祖国を、大切な人を守るために我が身を以ってその魁と ならん・・・ なんと純粋で清冽で悲しい決意かと思います。 日本人として、又、人として決して忘れてはならない物語でした。 是非お勧めします。
日本人にしかつくれない映画だと思います。ロンゲストデイもUボートも戦争映画として傑作ですが、アメリカともドイツとも違う日本の視点での映画、しかも過度に英雄的に描かず、個々の人の気持ちを丹念に描いた作品だと思いました。 最も感心したのは大和が全く活躍しない点です。もちろんCGやモデルで描かれた大和は出て来ますが、ちっとも英雄的に描かれない。敵機をどんどん落とすとかそういうシーンが無い。大和が破壊されるシーン、兵士たちが死ぬシーンが連続します。兵士たちの死もピアノのソロで泣かせるセリフをはきながらなんて一切無い。これは映画監督として脚本家として自分の手を縛りながら心で絵を描くような作業ではないか、と。それは伝わりましたね。 また、この映画の特徴の一つはアメリカの視点が一切無いことですが、それが逆に家族を守るために戦った兵士たちの気持ちを表現するのに寄与していると思いました。アメリカの視点、日本の指導者の視点、それは他の作品に任せればいい。それぞれの真実があるはず。 演技陣も熱演ですし、音楽は久石譲。金払って観るだけの値打ちは充分にある映画です。お勧めです。
戦後60年以上が経ち、戦争を語ることのできる人間が少なくなってきている今だからこそこうした形で戦争を語ることは大切だと思う。自衛隊協力というだけあって、戦闘シーンも迫力があるが、それ以上に人間ドラマがすばらしい。厳しいながらも部下を気遣う上官の愛情、一兵士として、仲間として、そして友としての想い、残してきた家族への想い、それらが上手く絡み合い、戦争という名の下に散っていった彼らもまた戦争の犠牲者であるということを痛々しい程に感じた。 それにしてもまだ酒も飲めないような若者が次々と苦痛の悲鳴をあげながら死んでいく姿はあまりにも悲しすぎる。戦争という薄れゆく記憶を残すという段階に来ているということは、世界に比べ日本が平和であるという以上に月日が経つことの残酷さも覚えた。 様々な問いを今の日本にストレートに投げかけてくれる、非常にいい作品でした。