とても良い / 口コミ件数 : 9件
価格 : 3,743 円
百合の花、そして赤。これは原作「それから」で外せないアイテム。ともすれば森田監督の過剰演出と取られがちですが、実は原作通りの演出。しかしこの映画では表現の難しいこれらのアイテムを見事に表現しています。 ATGとは違い、漱石文学のエッセンスをそのまま凝縮したストレートな表現と解釈。しかしそれを、現代の観客を飽きさせないように現代風に味付けした絶妙の匙加減。そして素晴らしい音楽。 これぞ名作です。今までDVD化されなかったのが不可解です。「冬のソナタ」や「せかちゅう」、「赤いシリーズ」のリメイクが流行る今だから、また再評価されるべき作品です。 ただ、松田優作BOXの単品化のせいでしょうか、パッケージデザインと「And Then」というタイトルが、ハードボイルドで、イメージが・・・。パッケージが藤谷美和子の儚い写真で、オリジナルの映画にも使われていた、原本通りのフォントだったら言うことなかったのに、それが残念です。でも、星は減らさない、それほど名作です。
傑作はオープニングを見ただけで大体予感がするものですが、 このときも藤谷美和子の写真が浮かんで来たところで”もうあきまへん”状態になってしまったのを覚えています。隣の女の子が「・・・きれい」って呟いてました。 そのまま4回繰り返して観て深夜になってしまい、当時高校生だった私は家に帰ってえらいこと怒られてしまいました。 以来、死ぬほど映画を観てきましたが、いまだに私の邦画ベストワンです。 触れ合わないラブシーンがここまで濃密になりえるのを見ると、日本人でよかったと思いますです。
ただ藤谷美和子見たさに、これを買いました。 藤谷美和子に限らず、映像が綺麗です。 音楽も良かったです。 しかし、なんと言っても一良かったのは夏目漱石の原作ではないでしょうか。 これまでの中で一番ロマンッチクな日本文学、日本映画です。
夏目漱石の映画化としては 本日現在では本作が最高峰だ。 才人森田が 明治をポップに「切り取っている」。森田映画はレトリックを多用する臭みがあるが 本作では それが上手に押さえられており 逆に押さえられたレトリックが 古いながらも新しい独特の明治時代を描き出している。これは 甘みを抑えたお菓子が かえって甘みを鮮やかに思わせるのに似ている。 藤谷美和子の美しさも比類がなく その後の彼女の迷走は本当に邦画にとって 損失であったと思う。 松田優作も 全くの新境地を開いている。本作と「陽炎座」とで 松田は 俳優としての無限の可能性を垣間見せたわけだが 夭折してしまった。これも大きな損失である。 この作品を見ていて もう一つ 気がつくことは 要は夏目漱石が今に通じるという点だ。それに気がついた森田の慧眼は 20年後の今も舌を巻くしかない。夏目漱石が今なお読まれているという事実も重ね合わせると この明治の文豪の偉大さも分かるというものだ。 それを思い出させたのも 森田である。
松田優作の三千代さんへの告白シーンは圧巻です。 稀に見る長回しですが、ためといい、間といい素晴らしい出来です。 三千代さん役の藤谷美和子が和服が似合うのに驚いた。 そして日本髪も良く似合う。 これほどせつなく美しい映画もありません。 森田監督の最高傑作ですが、主人公の書生役が芳賀研二というのがマイナスです。 芳賀研二問題を差し引いても☆5つになってしまう。 それほど主役の2人が素晴らしい。