良い / 口コミ件数 : 13件
価格 : 4,815 円
いまだに杉本彩が逃げていない。遠藤憲一も逃げていない。驚くことに宍戸錠も逃げていない。石井隆も性愛を映画の軸として避けていない。クローネンバーグ(『戦慄の絆』『クラッシュ』)と似た手触りで、エロでグロでメロでテロのあいかわらずの石井活劇。SM、近親相姦、異装といったかなり冒涜的で反社会的な手段をあえて駆使して、天国への裏階段を3人の男女が一気に駆け登っていく。生活を守るのに精一杯の自分には彼らを追えそうにないけれど、その全力疾走の後ろ姿には声援を送りたくなりました。日本映画界のマレビトたちよ、行けーッ!止まるなー!走れー!
前作を凌ぐSMシーンに話題が集中しがちだったのは仕方がないが、見逃してはならないのはストーリーの根底に流れる愛のドラマ…久しく封印された“名美と村木”を彷佛とさせる石井隆流の“メロドラマ”だ。 老いと共に肉体が“不能”となった美術評論家の夫・遠山、才能がありながら描きたい絵が描けない精神が“不能”の若い画家・亮輔。二人の男は自らの“不能”をヒロイン・静子への愛によって取り戻そうとする。遠山は静子を試すために金髪のパリジェンヌに姿を偽り、亮輔は静子への想いをスポンサーへのサービスだと心を偽る。“不能”が故の男たちの偽りはそれを正当化すればするほど滑稽となり、隠そうとすればするほど残酷な罠へと発展する。静子はそんなどうしようもない男たちによって残酷なSM儀式に祭られ、辱めを受けるが、それでもなお、男たちの“不能”が故の愚かさをかばい、愛おしく抱きとめようとまでする。これこそ、奈落に堕ちていくほどに美しい輝きを増し、優しさを心に纏う石井ワールドのヒロイン像そのもの。これに似た構図は劇画作品の時代から何度も繰り返し描き続けられた至高の美学だ。 ストーリー終盤、“不能”を脱した亮輔の「本当に描きたかった絵」としてジョーカーのように映し出された一枚の油絵。劇中で亮輔は静子をモデルとしていながら、妹・小夜子を描いたと偽っている。しかしそれは元来まぎれもなく石井隆自身が“名美”の姿を描いた絵ではないか。重層的にカモフラージュしつつその絵に込めようとする想いとは何なのか。それは単にドラマを終わらせるために切った捨て札だったのか、それとも自ら“名美と村木”への封印を解くために繰り出した切り札だったのか。その解釈に妄想をめぐらせるだけで、この作品は何度も違う楽しみ方を提示してくれる。
こんな映画ちょっと他では味わえない。前作で不満だったドラマの骨組みがしっかりとでていて非常に見応えのある作品に仕上がっている。その分エロも生々しく、杉本彩のナイスバディーもよいが、小夜子のロリっぽい身体もなかなか・・・。なんと言っても『剥き海老転がし』『ブッチガイ』などの緊縛は一見の価値あり!
静子(杉本彩)は、著名な美術評論家・遠山隆義(宍戸錠)の妻。35歳年上の遠山は、男としては役に立たなくなっていたが、静子はセックスレスを不満に思うことなく、幸せな毎日を送っていた。 パリに住む画学生・池山亮輔(遠藤憲一)は、パトロンである遠山の援助を受けながらも、まったく作品が描けないでいる。 そんなある日、遠山が静子を池山の元に使いに出す。静子はパリで池山を訪ねるが、そこには罠が潜んでいた……。 石井監督自身、1作目は杉本彩を“見せる”ための映画だったが、この2作目は、しっかりしたドラマを作った、というようなことを言っている。 確かに。しっかりとしたストーリーがあって、杉本彩のSMシーンを見せる為の映画ではなく、映画(ドラマ)を見せる為のSMシーンになっている。 SMの描写は、1作目の方が凄かったかも知れないけれど、決して見劣りのするようなものではない。杉本彩だからこそできた、そこいらのSMプレイよりもハードな撮影だったと思われる映像は、迫力満点です。 宍戸錠、遠藤憲一といった脇役も、魂のこもった名演技を見せていて、グイグイ引き込まれてしまいました。セリフがボソボソゴニョゴニョ言ってて、聞き取り難い部分もありましたが……。 変な意味ではなく、普通の1本の映画として、楽しみたい映画です。あ、でも、生理的に受け付けない人もいるか……。 成人指定です。18歳未満は、観てはいけません。
もう一度見たくて、DVD買いました。一流の俳優を多数使っているので、さすがに鬼気迫るものがあります。これはもはや、単なるポルノではなく、文学作品の匂いがします。本当のSMの香りがします。