普通 / 口コミ件数 : 30件
価格 : 1,220 円
この正月に家庭のスクリーンで70歳代の両親と共に初めて観た。率直に言って、はるか昔、四十数年前に公開された白黒映画の「悪質なカラーコピー」との印象はまったく受けることはなく、四十数年前に書かれ今日でも非常に優れたストーリーとして通用する脚本をそのまま使った現代の痛快娯楽時代劇。非常に面白く観ごたえがあるもので、並んで鑑賞した3人揃って感心することしきり。脚本をまったく改変しなかった点についても大成功とみた。 オリジナルに比べセリフがゆっくり語られるが、往時に比べて老若男女幅広い年齢層の観客(人口の構成上、特に「老」が増えているはず。)がちゃんとストーリーを追っていけるので、とても分かりやすく、映画全体もそれにバランスして着実に進んでいく感じ。 主役の演技にしても、特定の人たちが拝めているような個人の流儀に縛られることもなく、即興的とも言えるような自由さが感じられ、「怪演」とは呼べないにしても「快演」だと賞賛したい。これだけ有名で崇拝の対象にもなっているような作品のリメイク、主演俳優に並外れたプレッシャーがのしかかっていたことは想像に難くないが、作品のタイトル名にもなっている主役あってこそのこの映画を支えられるだけの立派な演技だったと思ってしまうのはボクぐらいなのだろうか? また映像表現の自在さもあり、さらには、5.1chサラウンドによる効果音の創りも巧みで、映像と音の両面で大勢の敵と少人数の味方の対比が歴然と表現されているため全体として臨場感が非常に大きく、それらが十分にマッチして、単に映像を眺めるというよりも映画を浴びるように観るといった感じがあった。 何かと比較して「良いと思った」「悪いと思った」「似ていた」「似ていなかった」という低次元なレベルではなく、単独の存在としてとても良い映画として成り立っていると思う。
「時代劇だからなぁ…」という偏見も若干ありましたが、織田裕二さんが主演だし、話題作っぽかったし、キャストも豪華だったので映画館に見に行きました。観てみたら時代劇ならではの固さは全くなく、むしろ立派な現代劇だと感じだくらいでした。話の流れやテンポ感もよく、久しぶりに「おもしろい」映画をみたなぁ、という感じでした。見終わった後もジワジワと面白さがこみ上げてきて、また観たいと思える秀作です。主演の織田裕二さんも「踊る大捜査線」で演じた青島刑事を時代劇という舞台で三十郎として好感がもてるヒーロー像を演じきったのが印象的です。共演の豊川さんも松山ケンイチさんも好演していて、なにげに豪華で欲張り感満載な作品なんだなぁとあらためて思いました。DVDで何度も観たいので楽しみです。
かつての三船版を観たことのない世代ですが、リメイク織田版「椿三十郎」、たいへん楽しめました!! 三船版が好きな人はソレ、織田版しか知らない僕等は、コレでよいのではないでしょうか。 何よりも、三十郎と若者達の関係が素晴らしいと思います。 剣の達人ではあるがユーモラスで人間味溢れる三十郎。織田裕二の二枚目半ぶりがよく合っています。 金魚のフンの様に集い、意気盛んな若者達。三十郎とのやり取りが実に愉快です。 今でいうと、ROOKIESかごくせんか、そんな青春ドラマを観ているようでした。 最初は三十郎の無骨さについていけない若者達が、ふれあいの中で、三十郎を信頼し頼もしさを感じていきます。 そして協力して悪を倒す。そこには、何物にもかえがたい友情が芽生えているのでした。 最後は、お約束でヒーロー主人公はかっこよく去っていき、その生き様が若者達の心に深く刻まれます。 これぞ正しく青春。観ているわたしたちも、若者達に同化して、三十郎が大好きになっています。 誰もが三十郎の様な人間になりたい!!と思うはずです。 かっこよすぎますね。ホント、三十郎は時代を超えて生きていると実感しました。 また、作品を貫くどこか平和な雰囲気もなじみやすいです。 おどおど臆病な悪人達。 半分やる気のなさそうな室戸半兵衛。 おとぼけな奥方と娘。そして城代家老。 ユニークな捕まった侍、佐々木蔵之介は最高ですね!! とにかく、見終えた印象は往年の青春ドラマです。 後味の良いおもしろさ、かっこよさ、心に残る人物像。これこそエンターテイメント!! 多くの皆さんに観てもらいたい傑作痛快時代劇です!!
物語自体は、役人の汚職という社会派的な部分はあるけれど、基本的には痛快娯楽作品なので、ストーリー展開の面白さ、人物構成の妙があって非常に面白かったオリジナル脚本そのままに作れば面白くないわけがない。 森田監督は職人的演出で、それなりの腕を発揮しているし、語り口は黒澤より軽くて分かりやすいかも。裏を返せば重厚さがない。社殿を敵方に何重にも包囲されたことを音(当時はモノラル)で悟らせたり、カラー映像の特色を生かし、まだら色の椿等々、オリジナルに敬意を払いつつ現代らしさを出しています。 反面、黒澤が凝ったロングでの画面を多用していたのに比べ、本作はアップが多い。これもTV的であり現代的でもあります。本作での一番の注目ポイントは、やっぱり最後の果たし合いですかね。 オリジナルでは、両者が対峙したまま一歩も動かず、緊迫の時間が流れるなか、一瞬で勝負が決まり、血しぶきが噴水のようにドバッとあふれ出すという、度肝を抜かれるシーンでした。本作は、それなりに工夫はあり悪くはなかったです。もちろん、オリジナルほどの衝撃はありませんでしたが...。 三船敏郎は、その存在感・老獪さ・艶があった。織田裕二熱演だったし、悪くなかったと思いますが三船を意識しすぎたかも。 仲代達矢と豊川悦司は、不気味さと妖しさは互角。とってもよかったのが、黒幕の手下で拉致される侍役の佐々木蔵之助。飄々とした感じは現代的ではありますが、いい味わいを出していました。 他の役者たちもまずまずで、あとは好みの問題でしょう。 熱烈な黒澤ファン、三船ファンの中には、オリジナルに対する侮辱だとまで言っている人があるようですが、オリジナルに対する愛情も感じられたし、私はそれほど悪いリメイクではなかったと思います。
オリジナルは確かに圧倒的に良いが、このリメイクもそう悪くない。 オリジナルでは音声がとても聞き取りにくくストーリーを追うのも面倒な位でしたが、リメイクは当然音声は明瞭で、情けない話ですがオリジナルの一部のストーリーを勘違いしていた事が分かった事がリメイクでの一番の収穫かな、と感じます。 残念なのは三船と織田裕二のレベルの違い。 三船には圧倒的な存在感と演技力があって、この差はオリジナルを知っている者にとっては厳しい。 しかし、一方、豊川悦司は仲代達也と雰囲気といい、演技といい十分に良い勝負。 松山ケンイチは大根の加山雄三と較べると遙かにマシ。 オリジナルを見慣れている人には物足りないかもしれない(矢張り、この頃の黒澤は本当に天才だ)が、現代の時代劇として見ると出来は良いのではないか、と感じる。