とても良い / 口コミ件数 : 4件
価格 : 4,534 円
何が凄いか。 ・演出が凄い ・照明技術が凄い ・パトリツィア・チョーフィの演技が凄い ・キャスト全員歌唱が凄い。色気に満ちている。 列挙するとこの様な感じです。 + + + + + + この舞台、大道具がほぼ皆無。且つ、多分天井からの照明を殆ど使っていない。舞台袖から強烈な照明を当てているため、舞台の殆どの部分に漆黒の闇を、人物には、ハイライトと影の強いコントラストを生み出している。暗い舞台の中で人物が発光している様な雰囲気さえある。結果として、観客の目をキャストへと集中させる。 冒頭では、鹿の死体を舞台上でアンリがナイフで引き裂き、血をその手に塗り付ける。また、女性コーラスを全て男装させ、この演奏に出演している「女性」をリュスィー独りにする事で彼女の不幸にスポットライトを当てる演出は見事と言う他ない。 主演のチョーフィは、不幸ゆえの狂気を完璧に演じている。ミスを欠片ほども感じさせない。痩せ過ぎとも言えるその体つきも、リュスィーの不幸を物語っているかのようだ。 他のキャストも、エドガルド演じるロベルト・アラーニャを筆頭に、充実した演技、歌唱を以て観るものを魅了する。特に、アンリ演じるリュドヴィク・テジエのサディスティックで冷血な演技は、特筆に価する。上に述べた照明法と相まって強烈なインパクトを与える。また、アラーニャは、一幕でのチョーフィとのデュエットに於いてHigh Esを出すなど、円熟の喉を惜しみなく披露してくれる。 + + + + + + 今まで出会ったオペラの中で最高の演奏である。確実に後世まで残るであろうマスターピース。
ルチア(リシュー)役のチョーフィの歌にしびれました。派手ではないがこくと旨みがある。デッセーとはまたちがう名演の誕生だと思います。アラーニャのふてぶてしい顔も面白かった。バリトンのテジエの三白眼も強い印象を受けます。三人とも歌のポイントを外さないので、安心して見ていられるし、フランス語のひびきも思ったほど違和感がなく、スムーズに聞けました。イタリア版とのちょっとした違いが見ていて結構気になるのも、このフランス版がそれなりに目的を達成しているということの現れかなと思います。ドニゼッティが本当に好きな人にオススメです。
作曲者自身によるフランス語編曲版による上演です。単にもとのイタリア語の歌詞がフランス語に翻訳されているだけではなく、様々な点でイタリア語版とは異なる点あるので、すでにこのオペラを他の盤で観たことのある方は、両者の相違を楽しみながら観ることもできます。演奏の水準もきわめて高く、アラーニャはいつもながらの美声を聞かせてくれるし、例の狂乱の場でのチョーフィの狂乱ぶりは、他の盤をしのぐ迫力です。ビド指揮のリヨン国立歌劇場オーケストラは、大変節度のある、それでいて迫力満点の音楽をつくってくれています。
ルチア役のチョーフィのテクニックは素晴らしかったです。上手です。演技も問題なし。大変スリムな歌手なのでアップになると、痛々しいほどにあばら骨や首筋の血管が浮き出ていたりします。声を張り上げる場面の形相もちょっと「凄い」ものがあります。年齢より老けてみえてしまって気の毒でした。もっとも、ストレスが鬱積して正気を失うと言う設定ですから、そういう意味ではリアルであるといえます。好みの問題でしょうが、レナータ・スコットあたりの舞台などと比較するとちょっと物足りなさが残りました。声にまろやかさや力強さに欠けている気がします。直前にスコットやカバリエの映像を(ルチアではないですが)観ていたせいかもしれません。ほかの諸役は文句なし。歌も演技も申し分ありません。母はアラーニャを「ロブ様」と呼んでおります。やれやれ・・・