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列車に乗った男 [DVD]

列車に乗った男 [DVD]

とても良い / 口コミ件数 : 23


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1.  とても良い はなさん 書き込み日: 2005年10月10日

一遍の詩 

人生の黄昏を迎えた2人の男が出会う。1人は引退した文学の教師。
もう一方は銀行強盗。偶然、しばしの時を一緒に過ごすうち、思い
始める。もし自分のではなく、この人の人生を生きていたらと。

強盗は教師の履いている室内履きのスリッパを借りたがる。スリッパ
が履きたいからじゃない。そんなもの、今まで履いたことがないから。
教師は強盗の皮ジャンをこっそり着て、鏡の前でワイアット・アープ
のポーズをとる。

男2人には、しかし一つ共通点がある。相手の人格を見ぬく目だ。
強盗は犯罪者だ。でもほんとうは悪人じゃない。教師は一見、日々を
大過なく過ごす老人。でも心の底には情熱への憧れがある。

映画の最期で、2人は自分の居場所、人生を交代する。なんとも不可思議
で美しい場面だ。乗っていた列車からおりた男、新たに列車に乗った男。
2人はこれからどこへ行くのだろう。

一遍の詩のような、エスプリとエレガンスにあふれた作品。10分ごとに
観客を刺激しなければ、という思いこみに毒されていない珠玉の一作
です。



2.  とても良い fankybassmanさん 書き込み日: 2006年05月14日

意味深なシーンが盛りだくさん!

これは素晴らしい作品でした。

銀行強盗を目論んで街を訪れた男は、病気の老教授の家にやっかいになります。
男は教授の安定した日常に憧れ、教授は男の人生に憧れを抱きます。

まず冒頭!
男が席から窓を見つめていますが、その表情がなんとも言えず、
「ぐぐっ」と引き込まれます。

印象的なシーンの多い映画ですが、特に印象深いのは下記3つでした。

拳銃を練習している男の傍に教授がたたずみ、
教授は拳銃を手にします。
その時の教授の視線をカメラワーク絶妙に追ってます!意味深。

男が教授の家のピアノを弾きます。
(ものすごい下手くそ)
その時の男の幸せを手に入れたような表情。
うーん。正直キます、このシーンは。

多分、色々取りざたされているであろうラストシ
ーン。
サイレントで延々と続くかに思われる男と教授の流れ。
二人の目線・投げられた鍵・落ちてしまう鍵・交差点・曲がり角・・・
色々気になるものを散りばめられて物語は幕を引きます。

いい映画でした。僕はこういうの大好きです。
(「はっきりしない」って人もいると思うけど)
素晴らしい一作です!



3.  とても良い ニトベイナゾウさん 書き込み日: 2005年01月16日

上質の「一期一会」。

大邸宅で寂しい一人暮らしを送る老人と、かつて
プロで鳴らした初老の強盗が出会い、互いに対話を重ねる内に、心を通わせる上質の物語です。
老いという共通項で繋がり、人生の儚さ、尊さが滲み出る二人の会話に、自然と気持ちが癒されます。
人が人と出逢い、対話する。そんな一期一会の一片がこんなに
素晴らしく、儚いものか、と妙に納得してしまう物語がここにあります。夫婦、恋人、友人同士で鑑賞すれば、一層味わいが増します。
是非御鑑賞を。



4.  とても良い ゲバジジさん 書き込み日: 2005年07月20日

人生の落日、男の哀愁、渋い。ル・コントの世界を楽しみたい。

いつも、ユニークな物語を見せてくれるル・コント監督の最新作。よく考えると非現実的で、そんなことは起こらないと思うような、そんな物語が展開される。しかし、二人の俳優の演技と存在感が、奇妙なリアリティを感じさせ、自然にその世界に入り込ませる。フランスの田舎町、季節は秋。観光客の姿もなく、町は閑散としている、そんな町に中年のいかにも堅気ではないといった感じの男が列車でやってくる。ジョニー・アリディを映像で久しぶりに見たが、渋い中年になっており、暗い陰を持った役柄にピタリはまっている。男の目的は銀行強盗。仲間と週末に落ち合い、これで足を洗おうと思っている。しかし、季節外れでホテルは休業中、泊まるところがない。偶然会った老教授が自宅に泊めてくれる、そして、週末までの数日間、二人の奇妙な生活が描かれている。大きな家。犯罪者と余命いくばくもない大病を抱えている老教授との会話が面白い。人生の落日を洒落た物語に仕立てたル・コントならではの世界で、いつもながら感心させられる。この監督は、やはり異能の人だ。



5.  とても良い 那岐さん 書き込み日: 2004年08月27日

印象的すぎる映画。

久し振りに見た映画らしい映画!
全編に渡って存在するのは、徹底的とも思えるダンディズムの存在。
なんと切なくて愛しい男達の物語なんだろう。
エンディングは想像力を多いに刺激してくれた。
映画を見ている時よりも、見終わった後で内容を反芻した時の方が物語に魅入られてしまった自分に気付く。

燻し銀の魅力を放つ良作。ただ、出だしが少し強引すぎるような気もするが、それを補っても余りある作品。



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