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かげろう [DVD]

かげろう [DVD]

とても良い / 口コミ件数 : 7


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クチコミReview一覧
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口コミ件数:7 1 2 次ページ
1.  とても良い イワヤンさん 書き込み日: 2005年01月05日

お勧めのフランス映画だと思います

 ベアール演じる未亡人オディール。最終的には彼女が17歳の青年を求めていきます。愛そうとしていたわけではないと思います。
 彼女が感じる不安や恐怖や怒り。その中で一瞬の錯覚でもいいから、逃れたい、忘れたいという衝動が彼女を青年に向かわせたのかなあと思いました。
 結末はみなさんが想像するとおりになるはずです。タイトルの「かげろう」のように、彼女の記憶から存在すらしなかったかのように、消えていってしまうのでしょうか。
 それにしても、この映画のベアールほど守ってあげたいと思ったことはなかったです(笑)。肌の露出を最小限に抑えてありますが、彼女が醸し出す色気は、そんなこと関係ないみたいです!
 見た直後は星は4つだったのですが、日を追うごとに5つになりました。



2.  とても良い ☆usa☆さん 書き込み日: 2004年08月07日

戻ることのないあの夏の日

謎に包まれたイヴァンとの奇妙な共同生活は、
戦争という悲惨な現実から隔離された不思議なものだった。
閉ざされた生活の中で次第に変化していくオディールとイヴァンの心の動きを
丁寧に描いた作品。
豊かな自然と戦争との対比は、辛い現実を生きている本作の人物たちの
心の変化を浮き彫りにしていると思う。

子どもたちを守り気丈に振舞うオディールの不安定さ。
心の隙間にストレートに飛び込んでくるイヴァンの強引さ。
母であると同時に父でもあらねばならなかったオディールがイヴァンと出逢い
次第にそのしがらみから解き放たれていく。
既に実力を認められているエマニュエル・ベアールの存在感は抜群で、

理性と本能の間で揺れるオディールの表情、行動がどんどん変わっていく様はさすが。
母であると同時に女である。というオディールの人物像を鮮やかに見せている。
安定感もあり鮮度もある。すごい女優だと思う。
一方、これが映画初主演となるギャスパー・ウリエル。
荒っぽく大胆で言葉を知らない反面、ナイーブで傷つきやすい面を持っている。

オディールたちから頼りにされる存在である一方で幼さも感じさせる。
そのアンバランスな魅力はこの作品の象徴とも言えるかもしれない。
ギャスパーは繊細さと激しさを交互に見せ、つかみどころのない不思議な存在感を示した。
そしてオディールの息子フィリップを演じたグレゴワール・ルプランス・ランゲの目の強さが

フィリップの心のまっすぐさを体現していて印象的だった。

戦争の終わりを告げる二人の訪問者の訪れによって楽園での生活に終わりが訪れる。
戦争をベースにしながらも美しい自然とそこに偶然出逢った二人を描いているので悲惨さはなく、
また、映像の美しさに加えて音楽も情緒的なアコーディオンの音が美しく、
鑑賞後に深い余韻を残す作品となっている。
原題「LES EGARES 」は“道を踏み外した人”とか“迷い人”という意味。



3.  とても良い 葉桜さん 書き込み日: 2004年12月17日

仏映画らしい一枚の絵。

ドイツの侵攻により、息子と娘を連れてパリから逃げている美しい未亡人オディールと(ある理由があるのだが→)17歳という年齢の割には生きる力にたけているかと思えば、字を読むことも出来ず突然精神不安定ともいえる状態に陥る青年イヴァンとの閉鎖されたある意味「楽園」での関係を軸に物語りは進む。

オディールは中学生ぐらいの息子とまだ小さな娘を連れ、夫は戦死している為「優しく教育者たる母」「強く威厳に満ちた父」の両方を演じようと肩肘を張り続けている。このエマニュエル・ベアールの演技が秀逸。美しく、頑ななまでに子供達には母であり父である自分を演じ続け、知的な持ち味を鎧のように纏っている。

ご覧になれば分かると思いますがイヴァンの「爆発するかのような暴挙」。かと思えば好いた女性に急に「妻になってくれ」と手をとるような純粋な子供のような面、笑顔、存在感があり明るいのに何故かふっと「かげろう」のような儚い印象を与える。無垢さと相まって圧倒的な存在感。
そして、息子役の少年も母と兄のように慕うイヴァンの間で意外としっかりと年頃のインテリ少年らしい個性を発揮していて物語りのスパイスの一つにはなっている。彼もまた父親代わりたらんとしていたのだろう。

完成された一枚の絵のような作品です。最後を予感させつつ、その期待を裏切らずふっと切れる仏映画の特徴もしっかり踏まえている。「かげろう」という日本語タイトルはぴったりだ。ほんの週数間のユメ物語を物悲しくも美しい音楽と共に・・・途中で切らずに一気に味わいたい作品です。

「エロティックドラマ」と書かれてしまっていますが、基本はストイックとプラトニックが混ざり合った複雑な感情を軸に物語が進むので、こうした作品は「苦手」と思う方も抵抗無く見て貰えると思います。余談ですが、DVDのメニュー画面が物哀しくもお洒落ですよ、ご覧になって確かめて下さい。



4.  良い トンプソーンさん 書き込み日: 2004年08月18日

これはもうベアールでなけりゃ。

この映画、ハリウッドじゃできません。フランスでなけりゃ。そしてベアールでなけりゃ。美しい田舎のお城のような家。他人の家なのにふっつーに暮らしていくベアール達。戦争時ってのが人をちょっと麻痺させるんでしょうか。人間はどんな時でも場所でも普通の生活を営みたいんだなぁ。ギャスパーの無骨すぎるほどの愛情表現が若々しくってタマラナイ。最初は感化院っていうのがどういう場所の事かわからなかったですけど。字も書けないワインのラベルも読めない青年がオディール(ベアール)のスペルを覚えようとする。突然、嫁になってくれと言う。ベアールは惹かれていきます。最後はなんていうかフランス映画ならではのラストを迎えますが、これ以外のラストってあるか?と映画を観た3日後くらいに納得できました。



5.  良い 七海光一さん 書き込み日: 2004年10月31日

わりと保守的構図をもったアートな一作

これはかなり微妙に人間関係が複雑な作品だ。母親は少年にとって「愛人」「生徒」「母」として現われ、少年は長男にとって「友人」「兄」「父親」として現れる。母親、少年、長男の間にはエディプス的構図が垣間見える。その三角関係の中で、長男は「声変わり」することをほのめかし、男性への移行期にあることを告げる。母親は「気丈だが、無理をしている」とか「気丈だが余裕がない」など、父・夫の権威が欠落していることがあたかも欠点であるかのような台詞で描写される。少年はどこからともなく現われ消えてゆく「かげろう」のような存在である。映像は美しく、抑制された演出がなかなか良い雰囲気を出している。



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