良い / 口コミ件数 : 7件
価格 : 4,500 円
別々な形でパートナーを失った二人の女が偶然出会い、二人で旅を続ける。その旅の途中で自分達の欲望のため、殺人を続けていく。(復讐だとか社会への反発だとかそうした言い訳は一切しない)殺されるのは、偶然通りかかった人とか、子供のいる父親とか、何の罪もない、彼女たちには何の関係もない平凡な市民ばかりだ。
だが、そうした彼女たちに共感をもたせることにこの映画は成功してしまった。それゆえ、この映画は危険な映画であり、フランスやオーストラリアで上映禁止になったのも故がないわけではない。この映画の本質的な反社会性ゆえに、この映画はメジャーなものとならないだろう。それが、この映画を最上のピンク映画と同等のものにしているのだ。
出会う前にそれぞれ殺人を犯した女2人が偶然出会い、逃亡する道中、感情のままに人を殺していくというストーリー。似たような作品があったかもしれないが、女が主演でというのは初めて観た気がする。男をまるでゴミのように殺していくシーンは胸がスキっとする。あの2人みたいにキレた生き方はできないが、憧れてしまう部分があった。DVDを購入したが値段くらいの(それ以上?)の価値はある!!
乾いた画像が過激なバイオレンスとセックスシーンを淡々と描いていく。その奥には癒されない渇望と嫌悪感が潜んでいる。女優の演技がキャラに命を吹き込んでいる好例。下着一枚で銃を構えるシーン、ホテルの部屋でウィスキーをがぶ飲みするシーンなど、かっこいいシーンばかりでくらくらしてしまう。
これを観て思い出すのは、やはり「俺たちに明日はない」だ。女性二人という意味からは「テルマ・アンド・ルイーズ」とどうしても比較したくなるが、出演女優の大きさや知名度からすれば、雲泥の差がある事を認めざるを得ない。「反社会性」という観点から言えば、こちらに軍配は上がるだろう。よくも悪くもその点がこの作品の特徴ではないか。作品の知名度があがらない、あげられない理由ともなっているだろう。
坂道を転がりだしてしまった二人は、時と共に勢い付き、もう自分たちでも止められない事を悟る。そのころ観る側も終わり方を思い巡らし始める。これは観る側の楽しみ。
この作品は、1991年リドリースコット監督のテルマアンドルイーズ(ジーナデイビス、スーザンサランドン)のリイマジネーションと言えるような作品。テルマが陽なら(屋外で昼の場面も多い)ベーゼは陰と言える。女性達が「最後は飛び降りる勇気が無いから背中を押して。」と言うのもテルマの最後を髣髴させる。ただしあくまで陰でカッコ良くを目指していた彼女らもあえなく終わるのが悲しい。どちらが良いというわけではないがテルマの方は映画として美しすぎカッコ良すぎたかも知れない。是非両作品を見比べていただけたらその類似点と違いが興味深いと思う。両作品とも強いインパクトを与える作品である。