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紙屋悦子の青春 [DVD]

紙屋悦子の青春 [DVD]

とても良い / 口コミ件数 : 10


価格 : 3,050 円





クチコミReview一覧
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口コミ件数:10 1 2 次ページ
1.  とても良い ちゃんどのさん 書き込み日: 2007年07月07日

戦闘シーンのない静寂の戦争映画、原田知世の珠玉の演技

日常生活から戦争の悲しさを描き続けた黒木監督の遺作、戦闘シーンのない戦争映画。

特攻隊に志願するために、愛するものを、生き残る可能性が高い友人に託してゆく若者。

失われる愛をその心の奥底にしまいこみつつも、残りの人生をたくましく全うしようとする娘。

血でなく、心でつながる家族たち。

昭和前半期の家庭の、ヒトとモノを大切にする素朴な生活スタイルの場面設定に原田知世が新鮮にマッチする。台本を読むたびに泣けたという原田さんの、娘時代から老婆までを通しての清廉な演技が光ります。

いのちの尊さ、かけがえのない時間を大切に生きることの大切さ、をしみじみと感じさせられる、静かなる珠玉の一作です。



2.  とても良い kappaさん 書き込み日: 2007年07月17日

見事

小津安二郎みたいだな、と思っていたら、そういう伝統の中にいる監督らしい。
おはぎを食ってる場面はちょっと心配だった。
あの長い時間、間違ってやり直しなんてことになったら、あのおはぎ何個食うことになるのか。
悦子さんと一緒に泣いたね。気丈な人だよな。
飯を食う場面の本上まなみさんんの横顔の美しさにびっくりして、おいおい、戦争ものに
こんな美人出してきていいのかよ、とおもった。
戦争中にも美人はいたんだけど、だからって美人出していいというもんじゃない。
というわけで気になる女優になってしまった。
この監督は死んだらしいけど、この伝統は誰に引き継がれたんだろう。



3.  とても良い 一色町民さん 書き込み日: 2007年03月16日

黒木和雄監督、最後の傑作

冒頭、病院の人気のない屋上のベンチに並んで座る老夫婦が、ポツポツと鹿児島弁で昔語りを始める。この冒頭のシーンで、この二人は最後までともに暮らしたという結末を明かしてしまう。でも、それは映画を観終わると、この前バラシにより、たとえ戦争中だったとしても、後から振り返れば、人生で一番幸せだった瞬間が、そこにあった。そう考えるだけで、人間のたくましさを強く感じることができるという効果を上げています。ただ、原田知世が80歳には見えませんでしたが、まぁいいでしょ。(笑)

全体にカメラの固定長回しが多く、役者の表情のアップはほとんどありません。前作「父と暮せば」もそうでしたが、原作が戯曲であるためか、この映画は、まるでその舞台の記録映画のように、役者たちと、少し距離を取って、舞台全体を写し取ろうとしているよう。その抑制された演出が、じわじわと静かに、胸中に感動の漣を立てます。
それに応えた役者たちも全員素晴らしかった。主役の原田知世も永瀬正敏も、兄を演じた小林薫、兄嫁を演じた本上まなみもみんな素晴らしい。特に、昭和20年の紙屋家で小林薫と本上まなみとの夕食時の会話シーンの長回しが本当に凄かった!!

声高ではないが、反戦を訴える悲しい物語です。でも、コメディと言ってもおかしくないくらい笑えるのも事実。じわじわと涙がこぼれ、笑いながら涙を拭うことになります。
黒木和雄監督の遺作となりましたが、傑作の誉れを冠するにふさわしい作品となりました。



4.  とても良い おじいさんさん 書き込み日: 2008年11月10日

「青春」は戦争下でも希望だ!

黒木監督。
一貫して反戦思想。
今回の 作品は、昭和20年の敗戦直前の鹿児島が舞台。

当時の女性にとって男性はどううつっていたのか。
「職業軍人と民間の男性は異なってうつっていたのか。」
私の母に聞いたことがある。
「同じだった。民間の男性も徴兵されたら戦地に行く。死ぬのは職業軍人も民間男性も変わらなかった。」
私の父は海軍の職業軍人であり、特攻する飛行機乗りの養成教官であった。
父の日記は 教え子への申しわけない気持ちが連綿として綴られていた。「はやく、自分も彼らのもとにいきたい」
そして、父は殉職した。
残された母と子。
私は、この作品をみると、わが母のことを思い出す。母の友人の婚約者が海軍の飛行機乗りで、その友人が父であった。
紹介されたのだ。母の友人の婚約者は戦死。母はその戦死した男の友である父と結婚した。父も殉職した。赤子をもった未亡人になった。
この映画の良さは、あの時代に『青春』という言葉で当時の若者の姿を見事に明るく描かれていることである。
厳粛なれど、笑いもある。
青春はいかなる時代においても最高の力だ。
黒木監督が 最後の作品に この青春映画を残してくれたことに感謝する。
まだまだ、希望を見いだすことができる。そんな黒木監督のメッセージのように思えるのだ。
原田知世はすばらしい女優になっていた。しかし、おばあさん役は無理だ。これも笑える。



5.  とても良い ゲバジジさん 書き込み日: 2007年03月24日

黒木監督独特の反戦の表現法に感動。

<商品紹介のレビュー>が秀逸でこの作品の魅力をすべて簡潔に書き尽くしている感がある。あえて少し私の思いを書き加えたい。日本の戦争映画はひとつのパターンがある。戦争への視点がやや曖昧なこと、そして、結果として被害者意識が強すぎるのと感傷的すぎる点だ。その点、黒木監督の演出は、きわめて抑制的で声高に反戦を唱わない。それだけに静かだが、深く戦争の非情さが伝わってくる。この映画は昭和二十年の三月三十日から2週間あまりの<紙屋悦子の青春>を描いている。明石との結婚を諦め、親友の永与との結婚を受け入れる悦子の心情を思うと切ない。また、戦時中の生活ぶりが丹念に描かれており、当時の日本人の感覚がリアリティをもって伝わってくる。悦子の家の庭に開花し、満開となる桜が象徴的だった。日本人の感覚、心性の表現に卓越した技量を持っていた黒木和雄という監督を失ったのが残念。冥福を祈りたい。



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