良い / 口コミ件数 : 5件
価格 : 3,570 円
1930年の西部戦線異状なしは有名だがこちらも見て欲しい。この第一次世界大戦を題材にした映画は見た後に心に残るものがある。簡単に奪われてゆく若者の命、死体を食べるねずみ、死んでしまってもずっと戦場に放置される死体、無雑作に穴に葬られていく死体、仲間の死にどうすることもできずヘルメットを地面に叩きつける主人公、殺しそこねて一晩中うなっている敵、砲撃で暴れまわる馬を殺して「馬に何の罪があるんだ」と言って泣き叫ぶ兵士、鳥をスケッチしようとしてすこし頭を上げた瞬間撃たれて死んでしまう主人公。これらは今のプライベートライアンほどグロテスクではない。しかしそれ以上に心に残る悲しみがある。話は変わるが、これは主人公の入隊から死までの話である。注目してほしいのは、出演者一人一人の人柄である。この作品は一人一人の出演者の人柄がうまくでている。これはよっぽどすごい監督で無いとできない。前半の入隊してからの訓練で一人一人の人柄を明確にしておいて親近感をだす。そのあと戦場に行ってあっけなく殺されていってしまう、みんながみんな親近感があるので最後に殺されてしまう主人公と一緒に悲しめるのではないかと思う。一人、また一人仲間がいなくなってゆくこれ以上の悲しみは無い。私はプライベートライアン、バンドオブブラザーズをはじめとする戦争映画を25枚くらい持っているがこの映画は私の中で一番涙を流せる映画であり、共感できる映画であり、戦争の無意味さがわかる映画であり、戦争の退屈さがわかる戦争映画の頂点だと思う。
ケータイからは、DVDの詳細情報が分かりにくいので、書いておきます。 ※こちらの『西部戦線異状なし』は1979年に作られたリメイク版の方です。カラーですが、音声はモノラルです。 モノラルでも定位はピンポイントではなく、多少の拡がりがあるのでリスニングに圧迫感はありません(私の装置のスピーカーは点音源のスワンです)。 1930年米国映画のモノクロ版とストーリーは一長一短。 素晴らしいです。 エピソードの細部は異なりますが、それは両方を見比べる者の楽しみですね。特に学校のシーンの違いは楽しめますよ〜。 父、教師、上官、先輩兵といった…世代が上の男性の中で、主人公が唯一信頼出来る男であるカットの描かれ方に、時代が求める『父親役』の違いが出ているようです。 新兵を引き連れた毒ガス戦のエピソードや、戦死した親友の母を訪ねるシーンなどが追加された分、尺は長くなってますが、間延び感はありません。 ただひとつ残念なのは、モノクロ版にもあったフランス女性との交流のシーン。必然性が感じられない上に、母の「フランス女に気を付けろ」の忠告が、なにかの伏線に見えてしまう弊害が出てしまったと思います。 なお、ラストで『西部戦線異状なし』とレポートされる日付は、ドイツがフランスに休戦を申し入れた日とのこと…。やるせないです。
レマルクの『西部戦線異状なし』を知ったのは、この映画を見たのがきっかけでした。1980年にNHKで「海外秀作ドラマシリーズ」の一つとして放送され、当時小学生だった私は衝撃を受けました。それまでSF冒険アニメや漫画の世界のイメージでしか捉えることしかできなかった「戦争」の素顔を目の当たりにしたような思いであったことを憶えています。 原作小説は主人公の手記風に書かれていますが、本作では主人公のポール青年を語り手にすることで、原作に近い深みを出しているように感じました。無責任に愛国主義を煽る教師(旧作ではヒステリックに「ぶちまくる」調子だったのですが、本作では物静かに「説き聞かせる」調子で、「祖国愛」を生徒達に吹き込んでいます。この場面一つを見ても、旧作以上にリアリズムが追求されていると感じました)、ヒロイックなロマンチシズムの幻想を剥ぎ取った戦争と軍隊の醜悪な姿、砲火弾雨、屍山血河の日々の中、生き延びたいと願う兵士たちを襲う非情な死の運命・・・・淡々とした調子で流れる主人公の語りには、内に込めた怒りが感じられました。原作と旧作へのオマージュが感じられる名編だと思います。おそらく本作は、『西部戦線異状なし』の最初で最後のリメイクになるでしょう。
1930年作品ですから、古くて、雑音も一杯だし、白黒です。しかも、観た後、スカッとはしません。どよんとします。しかし、反面、これが真実だろうという納得ができる部分があります。 BGMはほとんどないか、一切無かったと思います。あるのは、兵士としての日常の積み重ねの描写です。 恐怖に満ちた戦場。戦場と関係ないところでは、威勢のよい老人たち。教師。まだ現実を知らずにいる若者たち。 この映画って「戦争は駄目だ」とか「哀しい」とかいう主張を声高に叫んでいるわけではないのです。ただただ、事実を積み重ねていく。戦場では、こうだよ、戦争の無いところでは、こうなってるよ、戦争に負け始めるとこうだよ、というドキュメンタリーのような映像です。 心に確かな重い何かを感じさせる映画ですね。
原作は第一次大戦を題材にしたレマルクの小説。レマルクは「凱旋門」も書いている。それも映画になっている。物語はこうだ。学業半ばの生徒たちが教師に扇動されて軍隊に志願する。そして戦場で傷つき、戦死し、戦争というものに疑問をいだくようになる。 戦場はいわゆる西部戦線である。どんな部隊で戦況はどうなのか。是非とも知りたいところだが、そんな過程はすっぽり省略して、砲弾が炸裂する、兵士がバタバタ倒れる、恐怖で気が狂う場面をえがいていく。手っ取り早く悲惨さを強調したいのだろうが、安易な作意が丸見えだ。 本作もレマルクの小説と同じくで通俗である。(反戦のメッセージを伝えるための)兵隊たちの生煮えで皮相な会話は、そのまま本作品の底の浅さをあらわしている。反戦映画の金字塔という宣伝文句にだまされてはいけない 反戦ということなら、戦争の悲惨をつたえる書物はいくらもある。砲弾のかけらに当たっただけで人間の体がどうなるかは、生還した元兵士の手記を読めば、とうていこの映画の比ではないことがわかる。