 |
第1シーズンを観る限り、旧シリーズと同格とはいいがたいが、今後の熟成に期待したい |
「ミス・マープルといえばジョーン・ヒックソン」といわれるほどの当たり役となった、BBC製作の旧シリーズが終了したのが1992年。未だにロング・セラーを続ける旧シリーズに対抗して、グラナダ製作のこの新シリーズが、2004年にはスタートしており、すでに長編全12作を撮り終えているのだそうだ。アガサの熱烈なファンである私自身、「新シリーズなど、まだ時期尚早ではないか」と思ったくらいであり、ジョーン・ヒックソンの強烈なイメージが焼き付いたミス・マープル役を演じるジェラルディン・マクイーワンには、相当な決断が必要だったのではないだろうか?
私は、今回、新旧シリーズを、原作と比較しながら観てみたのだが、新旧シリーズの違いを一言でいえば、「原作にかなり忠実な旧シリーズに対し、独自の改変・工夫が目立つ新シリーズ」ということになるだろう。
新シリーズでは、「書斎の死体」でのラストの大胆な改変、「牧師館の殺人」でのマープル若かりし頃のあるオリジナル・エピソードのドラマへの重ね合わせ、「パディントン発4時50分」での4兄弟の設定・結末やトリックの解明場所などの変更、「予告殺人」での大胆な登場人物のカットや設定・役割分担の変更など、かなり独自色を強めているのが特徴で、これは、おそらく、あまりにも有名な旧シリーズに対する後発の不利さを意識してのことだろう。
この第1シーズンを観終わった時点では、私自身は、旧シリーズの原作への忠実度の高さを取りたいし、見た目が若過ぎる(実年齢は72歳とぴったりなのだが)マクイーワンのミス・マープルにも馴染めないでいる。ただ、マクイーワンは、少なくとも、歴代のミス・マープル役であるマーガレット・ラザフォードやアンジェラ・ランズベリーよりは、よほどマープルらしいマープルであることは間違いない。第2シーズン以降での、新シリーズとマクイーワンの熟成振りに期待したい。
|
 |