良い / 口コミ件数 : 14件
価格 : 1,861 円
宮崎あおいは本作で、2001年度ナント三大陸映画祭主演女優賞を受賞している。 このときの大賞は、アフガニスタンからの難民の少年を主人公とする、イランのアボルファズル・ジャリリ監督「少年と砂漠のカフェ」。 両者に共通するのは、現代社会の矛盾に曝された年端もいかない少年少女が、良識あるとはいえない手段を用いてでも生き抜こうとする物語であること。 そうして、カメラがその様子をこの上もなく簡潔なスタイルで捉えていること。 とくに「害虫」のカメラのまなざしは、冷酷ともいえるほどで、 彼女のまわりにまとわりつく中年オヤジのみならず、彼女そのものまで害虫のように、冷徹に捉えられる。装飾的なBGMも殆どない。 心ならずも周りを破滅させ、みずからも堕ちていく少女の物語であるこの映画に、テーマ、スタイルとも最も近いのは、女の子を主人公とした青春映画などではなく(そのようなものを期待すれば、まちがいなく不快な気持ちになる)、ロベール・ブレッソンの「少女ムシェット」であろう。 ただし、ムシェットは周囲の無理解のなか、絶望して最後には自殺する。たいして本作の宮崎あおいは、それが堕ちていくことであろうとも、生き抜こうとする。 本作の、劇場公開時のパンフレットに映画監督黒沢清がエッセイを寄せている。そこで黒沢は、溝口「西鶴一代女」の田中絹代、フェリーニ「カビリアの夜 完全版」のジュリエッタ・マシーナに匹敵する、堕ちようとも生き抜こうとする女性の輝きを、宮崎あおいに認めていた。 たしかに、ラストシーン、前方を見据える彼女の横顔は圧倒的な存在感で、観客をも置き去りにして前進していく。とすれば宮崎あおいは、溝口「浪華悲歌」ラストの山田五十鈴にも匹敵しうる横顔の女優、といえるのかもしれない。
映画「ユリイカ」でジョディーフォスターの再来といわれた天才子役時代の宮崎あおい 全編実に無気力で瑞々しいタッチで描かれています 宮崎あおいファンにとっては「なにやってんねん」って感じでキツイですが ラストでかなり賛否評論分かれるとは思いますが 素晴らしい映画だと思います 「ユリイカ」も最高傑作だったけどこの映画も傑作だと思います 宮崎あおいの演技は良いです 素敵です
毎度のことながら影のある宮崎あおい、宮崎あおいを助ける? 優等生、しかし悲しいかな、裏切ってしまう少女に蒼井優。 二人とも思春期特有の少女のムゴサをうまく演じています。 特に、宮崎あおいの行動には、わたしには理解できない点もあるにも関わらず、 それが当たり前、のように感じさせてしまう、演技力に脱帽です。 NANAで宮崎あおいを知った、という方にも是非見ていただき、 彼女の真髄を知って欲しいと思います。可愛いだけじゃないんです。
とにかく撮り方が凝ってるな、と思いました。 それが主人公のサチ子の精神状態とリンクしている。 冒頭から膝から下のショットがやたらと多い。 が、それはサチ子の置かれている精神状態とも重なってゆく。 そして徐々に彼女の笑顔がみられるようになってから、 カメラも上半身や顔の高さまで映し出される。 それでも、本当に主人公の年齢設定を13歳、としたのが絶妙。 高校生でもなく、小学生でもない、 微妙な年齢を、表情と画面だけで切り取ったこの作品は素晴らしいと思います。 もちろん、それは宮崎あおいの演技によるところが大きい。 なんと言ってもラストですれ違いをみせつけることが、この映画のもっとも重要なところだったのでしょう。 十代の人生の過酷さを暗示しているようで、とても切なくなります。 決して明るい気分になる映画ではありませんが、 映画としては素晴らしいと思います。
無意識のうちに、周りを蝕んでいく。害虫。 劇中に出てくるベタのように 少女は一人でしか生きられない。 少女とは常に孤独なものなのだ。 孤独ではなくなったときが、少女ではなくなる時なのかもしれない。 無口で不器用な少女と それを取り巻く悲しみ。 「かわいそう」という親友の何気ない一言。 無垢と残酷。 胸が押しつぶされるようなラストも 美しい。 宮崎あおい主演作で最高傑作と推したい。 この作品は彼女にしかできなかったし 彼女でなくてはならなかった。 主人公の少女にあまり色気は無いが、 その存在は無意識のうちに周囲の男たちを誘う 魔性を潜めている。 宮崎あおいは圧倒的な存在感で、 その無謀な設定をも納得させてしまった。 対照的な優等生を演じる蒼井優や、 禁じられた想いを隠し、贖罪に逃避する悩める教師に田辺誠一という すばらしいキャスティング。