良い / 口コミ件数 : 21件
価格 : 2,179 円
ただの『バカヤロウ』の話ということで片付けれられる話ではあります。でも、ありきたりだけど「いまの若者は困ったものだ」的な批判というか、諦めの言葉を吐くのは簡単。こうした『大人になれない子供』ってベルギーだけの問題じゃないだろうし、最近のニュースとか見てると全てのことに『無関心、無感覚』になっている人が増えていることに、あらためて気付かされます。そして、不器用な人生を生きる主人公青年のささいな出来事や人間関係を描いているだけなのに、ものすごく根源的で社会的。人ってこんなにも簡単に堕ちることができるのかと納得させられる作品でした。カンヌ映画祭つながりですが、一昨年の「エレファント」に通じるものを感じます。 主人公ブリュノは、基本的には、いいやつなんだよね。彼の赤ちゃんを生んだソニアは、彼を愛している。ブリュノの方には、「父親」としての意識がないんだよなぁ。恋人を妊娠させて、「俺はしらねぇ」と開き直るわけでもない。でも、子供を養子に売りはらっちゃう。しかし、それは、彼が非情だからではない。事実、彼は、そのことを知ったソニアがショックで失神してしまうと、売った子供を取り戻そうとする...。 (以下、ネタばれぎみです) たとえば、顔を見せずに金の受け渡しをするシーンで、相手の息づかいと紙幣を数えるかすかな音だけにしたのが、かえって緊張感をかきたてることに成功していように、全編、テーマ的な音楽を排しています。ラストも、スパッと現世と『途絶』したかのように終わり、エンドクレジットにもBGMは付かない。そして、白い画面となる演出は見事でした。
修飾されない映画の高度な言葉を用い、ひとりの成長をドキュメンタリーのように紡いだ秀作。 作品に注がれた眼差しの柔らかさ、温かさが、この作品の魅力のひとつではないでしょうか。 時代が、私達が、無視して生きてきた対象(世界中にあふれている現実かもしれません)である 一人の男性を、等身大に描いています。 子供がそのまま大きくなっただけの、ブリュノは成長を止めたかのようですが、それは彼が観客たる私達ほどに恵まれていなかったから。 少なくとも、根っからの悪人でないことは明らかです。 華美な演出になれた眼には素朴に映りますが、なんて映像が素晴らしいことでしょう! ブリュノの存在のヴィヴィッドなこと! そして、この映画を描ききったダルデンヌ兄弟の眼差しの純粋さ・・・。感動はゆっくり、しかし心の奥深くに宿ることでしょう。 彼はどうやって、父親になれるのでしょう。 学も技も友人もほとんど持たない彼は、どうやって家庭を守っていけるでしょう。 ・・・観るものは、それを考える機会を自分に与えられるのです。 「観るべき」といえる作品のひとつだと思います。
ある子供とは主人公のことですね。彼女の優しさ、大切さにようやく気付いた彼が最後に流した涙がとても綺麗。余計な音楽や映像がないから逆にリアルに感じました。大切なものは失ってから気付くって本当ですね・・
自分の子供をあろうことか売ってしまう20歳のブリュノ。 母親である18歳のソニアの出産に際しても見舞いにも行かず、 退院の日にも仲間の少年とチンピラな仕事をしている。 ソニアに役所に認知しに行ってと言われてもイヤともいいとも言わず 流されるままにサインをしに行く。始めから父親の自覚ナシです。 ソニアに多少の罪悪感を感じながら子供を売り、ソニアの卒倒する 姿を見て取り返しに行く。アホか!どなりたくなってしまう。 しかしブリュノは悪気があるというよりは、少し人としての感情が 欠落しており、考えも足りない。ブリュノのその後の行動に しっかりしろよと思いつつも、なんとなく見守って?しまう。 その後、自分の年下の仲間もたまたまとは言え置いて逃げてしまいます。 しかしそんな経験も、自首、そして刑務所?でソニアとの涙の面会へと 繋がります。きっとブリュノは今までとは違う。 人としての感情を成長させ、大人になったのだと感じさせられた作品。 全編を通して音楽がなかったのも印象的。一瞬DVD壊れたかと焦りましたが。
タイトルの子供とは赤ちゃんの事か、主役の若い父親を指しているのか、 どっちでもあってどちらでもないんだと思う。 子を売る親はあまりいない。いたら日本ならちょっとした報道があるでしょう。 でも現実今の私達の耳にはさほどショッキングには聴こえないかもしれない。 この映画は「成長」を描いているのか。 ラストのシーン。私は若い父親は、状況に対して泣いているのだと思った。 序盤若い夫婦はふざけあい笑う。 10才以下の子供のように遊ぶ。限りなく狭い視野の中で。 とても現実的な映画。現実はドラマティックだけどBGMも教訓もなくただ進む。 この映画のそういう所が美しいと思った。