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キリシマが美しいだけに戦争の悲惨さが伝わってきます |
この映画を見て誰もが感じるのは戦争の悲惨さ、残酷さでしょう。監督の実体験にもとづいてはいても物語はフィクションとのことですが、監督は広島に原爆が落とされてから敗戦までの一週間のキリシマに住む人々の生活を淡々とディテールに最重点をおきながら描いています。「神は細部に宿る」という言葉を監督もメイキングで語っていますが、だからこそ、リアリティが伝わってきます。すでに戦後60年、あれだけのリアリティを出すのは並大抵ではなかったのではないかと思います。監督自身の14歳での悲惨な体験、そんな経験をしたら生涯心に大きな傷となるのは当然でしょう。ことさらに反戦を叫ばなくとも、一つ一つのエピソードが心に響きます。映画のなかで何度も映し出される田園風景のかなたに見えるキリシマは本当に美しい。美しいだけに、余計、戦争が人々にもたらす悲しみが際立ちます。残念ながら私はこの映画を映画館で観れなかったのですが、03年度のキネ旬一位の評価に納得しました。監督が60年代に制作した「龍馬暗殺」「祭りの準備」も名作ですが、「テロとの戦い」という空気が支配的な時代にきな臭いものを感じる監督の直感とこの映画は、時機を得たものと感じ、黒木監督、75才にして健在と思いました。 |
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