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奇跡の海 プレミアム・エディション [DVD]

奇跡の海 プレミアム・エディション [DVD]

とても良い / 口コミ件数 : 10


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口コミ件数:10 1 2 次ページ
1.  とても良い イドアイさん 書き込み日: 2005年09月18日

死と性と信仰の狭間に

 映画を見て、感動したり、声を出して笑ったり、恐怖を体験したり、世界を救うスーパーマンになったり。そういうものだと思っていました。映画というもの。 他人の人生が、そのフィルムの向こうにあるとして、でも他人のそれ以外のなにものでもない、それが映画です。
 この映画は、その「映画」としての定義から逸脱し、うねりのようなもので観客を呑み込んでしまいました。私がそれまで、どれほど愛を受けて温かく育てられてきたとしても、それは脆くも儚く、無抵抗に横たわるのみでした。
 いい映画であるという評価ではなく、ただ、ものすごい力で人を叩きのめすという意味で、私の心につよく印象をのこしています。



2.  とても良い soupchanさん 書き込み日: 2005年04月16日

結婚の真意を問う映画

この映画の特色は、まるで本のページを捲るかのように展開している。
その合間には映像とは不釣合いな60年代70年代のヒット曲が織り込まれ、その相違感がこの映画にさらに哀愁を漂わせている。
実に深い映画だ。ラース・フォン・トリアー監督の中では、最も難しい映画かもしれない。
しかし、この監督の作品の中でベストな作品だと感じている。

冒頭から、私はこの主人公の夫に腹が立っていた。
趣味も特になく、しいて言えば妻とのSEXが趣味という魅力のない男だ。
その逆に妻は、あまり恵まれた境遇ではない中で、夫は自分を愛してくれたかけがえの無い存在と強く認識し、
彼が自分にとってどれだけ大切な存在か、そればかり考えているのである。
白雉の上に成り立つ純粋さを備え、神との対話シーンによってより自己陶酔性をも帯びている。
恋に落ち、結婚へ至る経緯を見ても、相手を思う精神的過度の割合が夫婦間であまりにも違っているのだ。
この映画のここが非常に重要なキーポイントと言える。
ここを見逃せば、ラストシーンへ向かうまで単に悲壮的な映画のなにものでもない。

夫は健康から死の淵へ追いやられ、身体的不遇を背負い、その境遇に耐えそれでも自分の愛を貫く妻。
この2人の関係を取り巻く周りの人の行為も、また悲しいものがある。その悲しい対応が、より一層悲壮感を生んでいる。
最後は自分の愛と貫き、死に至ってしまった妻ではあるが、妻の死によって、夫は彼女の本当の愛に気付くのである。
それらを気付かせる演出が、ラストの船上のシーンだ。
重要なキーポイントがここで救われるのである。
馬鹿夫は妻の死を持って、本当の精神結合の夫婦になった瞬間なのだ。

何も監督は見る側にここまでの演出をしなくてもいいだろうと思うぐらい、過酷で重たい映像だ。
しかし、ここまで見せないと考えないだろうが!と逆に思わせる「夫婦」というテーマ。
これから結婚をする人にはヘビーかもしれないが、既婚者は是非見るべき映画だろう。
本当に精神的な結びつきで結婚したのだろうか?
既婚者の私は夫とこの映画を見て、二人して号泣した。結婚13年。身にしみる思いである。



3.  とても良い もあれさん 書き込み日: 2004年10月25日

唯神ろん


いつでも現実は突然であって、至福も絶望も凶気も退屈も秩序良く
同等に並んで人々が通り過ぎるのを待っている。その連続が日常であ
って悲劇も喜劇もなんのことはないただの時間の中の一コマにすぎな
い。ただすべての一コマは、それぞれ全てひとかたまりの網目の中の
相互関係にあってはじめて、その配置を決定させられているものだ。

その網目を司る代表さんの様な存在がある(いる?)のだとしたら、
それがこの映画の中でべスが自問自答の様に会話していた存在なのだ
ろうし、本来の意味での神、と呼ばれるものなのだろうと思う。
 
 この映画の作り手の目線には神は存在していない。ただ人間がいる
。起こりうる全てはプラスチックな偶然で、男達は坦々と油田を掘り
、女達は家を守りながら日々を過ごしていくだけ、のように見える。
ただ本当に世界がひとかたまりの網目の中で回り続けているのならば
、荒涼とした北欧の海の上、雲の切れ間に、荘厳なる鐘の音が響き渡
ることだって、当然の様に有り得ることだ。
 
 エピローグ、、デビットボウイの歌声はすべての生命への賛歌のよう



4.  とても良い cdz40650さん 書き込み日: 2004年09月06日

祝福の鐘

丁度 ダンサーインザダークを見た後に
この映画を見たと思うのですが
どちらの映画にも言えるのは
確実に見る人を選ぶ映画だから
全員が 自己破滅的に追い詰められていく
彼女達の姿勢に共感するわけではない

最初に主人公の女性が結婚する時に
教会には鐘が無く 結婚を終える
その後 夫が事故により性的不能になってしまい
二人はとても幸福な状態で
愛し合うことは事が出来ないという
状態にまで堕とされていく

その時 医者が言った言葉に 
主人公が言う言葉が私にとってはとても印象的で 
「時に人は死ぬより辛い事になる時もある」
その時 主人公は 「でも生きているわ」と言う
どんなになっても 死ぬより辛い状態になっても 
それでも生きている そう言えるのは

そこで悲惨な状況に ただ絶望してしまうのでは無く
間違い無く悲惨な状況でも それでも生きる事が
ただ辛い事で絶望だけでは無い事を 
彼女はまだ信じているからだと思った

どうしようも無い 絶望を感じた時に 
普通ならば壊されて忘れてしまう様な 
希望を 思い出させてくれた気がした

それから先 性的不能に陥った 夫が

他の男と寝て欲しい それを想像して
お前と寝ている事を感じられるという
正常な精神状態にいる人から見れば
それは堕落でしかない様な
願いを叶えようとして
自分の身を滅ぼすように他の男と寝たり
娼婦扱いされ 子供達にも蔑まれ 
彼女は自分から追い詰められ堕落して行く

だけど彼女の行動は善によるものだと思う
最後彼女の死体を海に埋葬した後

二人が結婚した 鐘の無い教会に 鐘ができる
その時 彼女の善による愛情が
例え 自分を追い詰めるものであっても
世間から非難され続けるものだとしても 
その鐘の音は主人公の善によって起こった 
小さな奇跡なのではないのかと思った
結婚式の時にはならなかった
祝福の鐘がそこで初めて鳴った気がした

 



5.  とても良い するめいかさん 書き込み日: 2006年10月27日

 この人のカメラワーク大好き。リアリズム趣向は本当に好感が持てます。ラース・フォン・トリアー監督ほど好みがわかれる監督はいないと思うだろうけれど、いや、奇跡の海。
 いつもの監督の作品ではあるが、ラストにはちょっと希望がある。起こることは不幸の連鎖であるし、見ている側からすれば不幸なことしか起こらないのだけれど、なんで祝福(神の)があるのかといえば、それは当人が幸せだったからだろう。歪んでいるけれど。
 登場人物を不幸にする手法は相変わらずすごい。ベスが娼婦へと堕落していく中、教会(神)から追放され、それでも祈りを捧げ続ける。それは神への献身的なものではない。
「善意」によって「地獄へ落とされる」というのは明らかに宗教的見解に照らし合わせれば倒錯であるにも関わらず、このラストの演出はなんだろう? 裏のテーマは神なのではないか?
 神がいるかいないかではなくて、愛(これも倒錯)によって神を凌駕した話?
 って、なんか綺麗そうなまとめかたですけれど、そんな話じゃないですね。



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