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シェーンは、子供の頃の僕にとっても間違いなくヒーローの一人でした。 |
古典的名作の枠を越えて、傑作と呼ぶに相応しい作品です。シンプルなストーリーの中にも映画に必要な全てが描き尽くされています。正に映画の教科書と言っても良いかも知れない。アラン・ラッド以外に知っている俳優と言ったら、ジャック・パランス(若い頃の彼って、伊原剛に似てません?)位しか居ないけれど、それでも、間違いなく20世紀最高傑作の内の一本です。
子供の頃、テレビの洋画劇場で、この映画を観て、胸をワクワクさせたのを今でも思い出します。シェーンは、ジョーイ少年にとってもヒーローだったけれど、子供の頃の僕にとっても間違いなくヒーローの一人でした。
時代考証も、細かい処まで非常に丁寧に仕上げてあると思います。ホロを外した状態の幌馬車というのが出てくる西部劇というのも数少ないと思うし、短気な南部出身の開拓仲間が、ジャック・パランスの挑発に乗って、撃ち殺されるシーンの閑散とした町並みと、雨でグチョグチョにぬかるんだ通りのリアリティ。雄大でのどかと思える大自然の中でも、当時の開拓の人々は、日々必死になって生きていたんだと伺わせます。
後からやって来た開拓者を追い出そうと、様々な嫌がらせを仕掛けてくる頑固で昏迷な老人の側にも、それなりの哲学とか通りとかがあって、人を殺す、法を犯す事には最後まで抵抗を持っています。シェーンが仄かな思いを寄せる開拓者の妻は、絶世の美人というわけでは無いけれども、夫と子供を思っている、誠実で母性愛に溢れた典型的なプロテスタントです。
全てを飲み込んで進むラストシーンで、シェーンは悪玉の老人に向かって語り出します。
「あんたは、あまりにも長生きし過ぎた。あんたも俺も去り行く側の人間だ。だけれども俺は、自分がどうやって去り行くべきかを知っている」と…。
因みに、この映画が製作されたのが1953年。あの名作、「ローマの休日」と共に、アカデミー賞の作品賞にノミネートされています。黒澤明の「七人の侍」も「用心棒」も「椿三十郎」も、この作品の後に製作されているので、影響を受けていたのは、むしろ黒澤明の方だったと言えるでしょう。又、この作品がパブリック・ドメインであるとの判断に対して、20世紀FOXが、著作権侵害だとして訴訟を起こしたけれども、敗訴した様です。オフィシャル版が発売されないのには、その事も影響しているのかも知れませんね…。
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