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秒速5センチメートル 通常版 [DVD]

秒速5センチメートル 通常版 [DVD]

良い / 口コミ件数 : 69


価格 : 3,416 円





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1.  とても良い しんのすけさん 書き込み日: 2007年11月24日

今の自分だからこそ素晴らしい作品

「泣ける映画が必ずしも良い映画じゃない」とは『子ぎつねヘレン』を見て号泣してしまった爆笑問題太田の言葉だが、この作品を見終わった時、「ああ、これがそうか」とすぐに思い出した。全く涙は出なかった。ただ心が締めつけられるような痛み、速くなった鼓動、目の前にモヤがかかったような感覚だけが残った。そしてそれらが落ち着いた時、最初に感じたのは、新海誠への愛情にも似た憧れとある種の親近感だった。この作品に限らず新海が度々批判の対象になるのは、見る側の中にかなりの割合でこの親近感を感じられない人間が存在することが原因だと思う。逆に一部の人々が彼を絶賛するのもまた、親近感が全てだと言っていいだろう。おそらくこの作品には「まあまあ良かった」という評価はないはずだ。境界線のこちら側で見ることができるか、あちら側から傍観するかで全く違った感じ方になると思う。心の隅に、かすかに、しかしいつまでも残っている何かを無理矢理映像にしたような性質の作品であるため、少し説明不足にも思えるが、この説明できていない部分は、きっと作った新海にも分からないのではないだろうか。そしてその説明できない『何か』とはおそらく、ものすごく恥ずかしい、誰にも見られたくない類の感情だ。そう考えてやっと、作品を見た後に残った新海への親近感の正体は、断片的とはいえ自身の生々しい感情を日本中に公開した勇敢さへの尊敬と、自分の中にも説明できない『何か』があることに気づいた共有感覚なのだと気づいた。ストーリーはリアリティに欠ける部分もあるが、では現実ではどうなるべきなのか、見終わって感じた共有感覚を頼りに記憶の糸をたぐり寄せてみても、なぜか何も引っかかるものがなくて驚く。経験もないのにそんな気になっていたのか、すっかり忘れてしまっているだけなのかは分からないが、それを思い出すには自分は大人になりすぎてしまったのだと気づいて、また胸が締めつけられる。きっとこの作品を素晴らしいものとして受け取ることができるのは、新海と同世代か、精神年齢の近い人間だけなのだろう。若すぎればモヤモヤした『何か』はすぐ目の前にあるし、歳をとりすぎれば色々なものを忘れ去ってしまう。今の新海誠が、今の自分に絶妙のタイミングでこの作品を届けてくれた事をとても幸せに思います。



2.  とても良い Frontbranchさん 書き込み日: 2008年02月19日

2話と3話の断絶にある真理

この作品を見て、第3話を見て、自分の中から何が引きずり出されたか。それが評価の全てではないか。
多分、誰が見ても、引きずり出されてくるのは愉しいものではない。
ただ、それに対して、多分、この作品を見た瞬間に自我のかなりの部分を、意識なりと無意識なりと規定しているその記憶に対して、どう関わって、どう折り合いを付けながら生きてきたかによって、評価は真っ二つに割れる。
第2話と第3話の間にある落差、隔絶、そして努力とは別のところで突きつけられる喪失感。
高校生と20代後半にさしかかる貴樹の時間の中味は、そのまま鑑賞者の中味に置き換えるべきもので、そこに何を見いだしたか。そこにしか評価の基準が置けないと考える。
美術的、音楽的技巧は、作者の趣味性の問題であり、本作の本質ではない。リアリティはリアルには及ばないのだから。
この作品によって引きずり出される何か。鑑賞者の内面から引きずり出した何ものかを持って作品的評価にすり替えさせるのは、クリエイターとしては邪道かもしれない。だけど、そのために、本来秘めておくべき新海氏自身の何ものかを、断片的にでも言語映像化したことを評価して、4つのところを5つ星にしました。



3.  とても良い Roshiさん 書き込み日: 2008年09月05日

擦り切れた日々にある想い

飛び去るように過ぎていく毎日。
ただひたすら色んなものを失っていく。
そんな中で遠い日の恋を思い出す。

取り戻そうなんて考えてない。
ただ、「もし、あの恋を失っていなかったら…」と考えずにはいられない。
あの子を失わなかったらこんな日々を暮らすことはなかったんじゃないかと考えてしまう。
今会っても何も変わらないのに、ただその姿を探してしまう。
十年以上経っても、そうやって残る鮮烈な痛み。
そんなことを思い出させる作品だと思います。



4.  とても良い おじいさんさん 書き込み日: 2008年03月20日

せつない 恋。そして、大人になってしまうのだ...

第一話「桜花抄」、第2話「コスモナウト」、第三話「秒速5センチメートル」の連作。どうでもいいようだが、新海誠監督の作品は その美しい絵にほだされて見てきた。
桜の花びらが落ちるのは秒速5センチメートル。13歳の少女は言った。少女は栃木県の宇都宮へ。少年も、その1年後、鹿児島に移る。最後に二人は会う。予想だにしない雪。遅れた列車。待ち続けた少女。最初の口づけ。そのご、続くであろうと思っていた交際は途切れた。種子島で少年をずっと慕っていたが、「好きだ」と言えなかった高校3年生のスミダさん。そして、少年は青年となり、仕事に。しかし、3年間交際していた女性からの別れのメール。退職して 過去を取り戻そうとする主人公。奇跡は起こらない。第一話の女性はまもなく結婚するのだから。しかし、探し求める主人公。あっけない第三話。これは 悲しすぎる話。しかし、よくある話でもある。こうして 多くの者たちは 初々しい恋を忘れて 多忙な仕事に入り、不可解なる結婚をしてしまう。初恋は それゆえに 美しく美しく思えてくるのだ。
今回は 大人になったものの悲しみがテーマ。でも、速度で 表現するなんて 味なことを 新海誠監督はしたものである。



5.  とても良い amayaさん 書き込み日: 2007年11月15日

見る人を選ぶ

評価の分かれる作品だと思います。
登場人物たちの距離や隔たりについて描かれている作品ですが、それだけにとどまらず逆説的に人々の漠然としたつながりや同じ世界にいるという実感までもえがいています。

私自身転勤族で、幼いころから転校が多く親しい人たちとの別れを何度も経験しました。
でも、現実は残酷なものでかつて親しかった人たちとのつながりや同じ世界にいるという実感は日常の中で希薄になっていきます。そんな中でこの秒速5センチメートルを鑑賞し、かつての友人や恋人との時間が思い出され暖かい気持ちになりました。

第三話のラストはいかにも現実的で残酷ですが、せつない「別れ」の経験が多い人ならば、ラストでの貴樹の笑みに現実にはなかなかありえない光明を見出すことができ優しい気持ちになれると思います。



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