とても良い / 口コミ件数 : 33件
価格 : 5,300 円
やりたい事がはっきりあって、実力もあって、思う存分やり尽くしました、という感じ。 原作未読、絵柄にも馴染みがない私ですが、 これはこれで、いい悪いとか口を挟む余地のない完全な世界だなあ、と....納得してしまったというか。 画面の隅々まで独特の美学で描き込まれ、繊細に大胆に動きまくり、 声の演技もいい。特にシロは分かっていても蒼井優さんとは思えない! 暴力描写は強い。というか、それを中心として話が展開していますので、お子さんには不向きです。 シロとクロ、心と体の痛みが生々しくぶつかってくる。観てるこっちも皮膚感覚で痛くなってくる。 その反面しぐさや小さなエピソードがとても可愛くて、懐かしくて、 快感と不快感のギリギリのラインを突いてこられる感覚とでもいえばいいんでしょうか...。 シロとクロの強い結びつきと、離れたときのバランスの崩れ方はあまりにも激しく、特殊なようですが 私には身近な人を思い出させ、とてもリアルに胸に刺さるものでした。 こんな相棒がいるって、とても羨ましい、けど恐ろしい。でもやっぱり羨ましい。 発売されたら、じっくりと見返すと思います。
始めに書いておくが蒼井さんのファンでも何でもない。 単純に演者としての彼女は天才だと思う。シロという愛すべきキャラクター に命を吹き込んだだけでなく漫画以上の魅力溢れるキャラクターに仕立てた。 声優以外が吹き替えするのは好きじゃないが蒼井さんだけでなく二宮さんも キャラクターに合ってた。 見てるとワクワクするしドキドキもするが少し寂しくなるそんな映画。
原作の味わいを充分に生かしながら、かつ、映画として、もう一段昇華した作品となっている。 コミックのアニメ化は一般に非常に難しく、その失敗例は枚挙に暇がないが、この作品については、間違いなく成功例だと思う。 というか、個人的には、これほどの成功例は未だかつて目にしたことがない。 それもひとえに、監督をはじめ、スタッフ、そして声優たちによる、原作に対する深い理解の賜物であろうと推察される。 あのクロが、あのシロが、決して原作のイメージを崩されることなく、生き生きとスクリーン上を飛び回る。 クロとシロの痛みが、苦悩が、そして喜びが、その全てが、より如実に、よりありありと伝わってくる。 宝町の猥雑さも、その他の個性的な登場人物たちも、見事にそのままに映し出されている。 心配だった暴力シーンは、原作よりは抑えた表現になっていた。 特筆すべきは、シロを演じた蒼井優の好演。 特に、クロと引き離される時の、パトカーの中からクロをなじる叫び、あれはまさしくシロそのものだった。 映像の絢爛さを味わうだけでも観る価値のある、優れたアニメ作品だと思う。
『青い春』『ピンポン』に続いて映像化された、松本大洋コミック。 上記の2作もなかなか面白かったのだが、原作ファンとしては少々不満が残ってしまった。 が、この『鉄コン筋クリート』には不満はない。それどころか文学的とも言える原作の雰囲気、世界観を損なうことなくこっちの期待を遥に上回る出来に、マイケル・アリアス監督に、クロ役の二宮和也に、シロ役の蒼井優に、その他キャスト・スタッフの皆々様に感謝。 物語の舞台となる宝町の美術は本当に圧巻の一言。 これを実写で造ろうとしたら、いったいどのくらい掛かるのだろうか。きっと予算がなくて中途半端なものに。空前の邦画ブームに勘違いして、万が一にも実写で創られていたかと思うと…。
印象が逆転する不思議な映画だ。暴力的で不気味なクロ&鼻垂れ歯抜けのシロという、キタナい印象の主人公達も、純粋な心の美しさが内から光り、可愛く魅力的に見えるようになる!下から斜め角度に映し出されると猥雑で異様な宝町も、飛べる設定のクロ達の斜め上からの目線では印象が違う。彼らにとっては温かく大切な居場所なのかも。鉄筋コンクリートの言葉が入れ代わってタイトル名になったように、シロとクロは2人で一人前。お互いを思いやる絆や愛情に心うたれる。ドス暗いシーンが続き、いろんな感情が交錯するが、哲学的なメッセージが根底にあり、愛のイメージがジワーっと拡がって美しい印象で終わるところが好きだ。シロとクロに会いたくて、何度も繰り返し見たくなる、そんな映画だ。