良い / 口コミ件数 : 2件
価格 : 4,531 円
フリッツ・ラング監督の米に渡ってからの作品は、比較的軽いサスペンスが多く、人によっては独時代よりも評価が低いきらいがあります。 ですが、この作品は米時代の作品中でも良質なほうの1本ではないでしょうか。 主演はエドワード・G・ロビンソン×ジョーン・ベネット。 このころ、ラング監督はこのふたりが気に入っていたらしく、傑作「飾窓の女 [DVD]」は同じ組み合わせで、「フリッツ・ラングコレクション 扉の影の秘密 [DVD]」ではベネットを主演で撮っています。 作品のプリントはまずまずです。 解説によると、この映画は米であたったらしいですが、良いプリントでは観ることができなかったらしく、今回のDVDは今まででは最良のプリントだということです。 独時代の作品ではないので、ムルナウ財団のものではなく、一般的な古いアメリカ映画のプリントと同程度だと思っていいでしょう。 残念ながら、一部音声が歪んでいる部分があります。 個人的には、「飾窓の女」に並ぶ良作だと思います。 「飾窓の女」が最後まで良いテンションで話が進んでいたににもかかわらず、最後が「夢オチ」だったことを考慮すれば、寧ろデキは上だといってもいいくらいかも。 確かに、ロビンソンの品の良い演技が役柄にマッチしていない部分もありますし、少々リアリティがない話の展開もありはしますが、それを差し引いても十分いいと思います。 米時代の作品にはあまり表れていなかった、ある種の狂気が最後の最後にチラリと現れている気がして、ラング・ファンとしては一瞬ゾクッとする作品ではないでしょうか。 残念ながら、付属の冊子は貧弱です。 他の作品に付録している冊子に比べると、読み応えはありません。 特典映像もありませんので、値段的には割高な感じが否めません。
主演3人の人間模様と思惑が犯罪に発展するサスペンス・ドラマで、流れも緻密に設定され、J・ベネットの我儘な悪女ぶりは圧巻でした。ただ、E・G・ロビンソンは、相変わらずの巧さですが、ロビンソン自身の知性を感じさせ(いつもの迫力ある芯の強い役柄の印象があるせいもあってか)、愚かで実直な中年男という設定には少し違和感を感じました。いずれにせよ見応えのある作品ではありました。