とても良い / 口コミ件数 : 7件
価格 : 3,992 円
これだけのビッグネームが、こんなせこい役の為によくぞ大集合したなあ、と今みると感嘆を禁じえない映画。レモン、パチーノ、ハリス、スペーシー他大スターが、せせこましいオフィスで鼻と鼻をぶつけあうようにしてわめきあってる姿は、どんな大スペクタクル映画を観るより面白い。こういう映画ってつまるところ、役者同士がああくればこう、こういえばああ、という具合に丁丁発止の掛け合いをしつつ、ばちばちと火花散らすとこを観るのが楽しいのよね。どの俳優さんのどの顔付きも、どのセリフもリアルで情けなくて面白いけど、私がぐっときたのはレモンとパチーノがサシで会話してる時、パチーノの目に一瞬「大先輩への敬愛」の色が浮かんだ時。よかったなあ、あの場面。それにしてもこの粋な名画にこの安っぽいロマンス物もどきの邦題を付けたのは何故?
俺の演技はこれだ!これでもか!さぁどうだ!の個性派俳優達の実力争いの映画でした。「俺は演じているんだ」の時にアル・パチーノが良くやるバカでかい声でわめき散らすシーンなどそのまんま。アンケートに答えてきた客情報だけを頼りに、巧みなセールストークと演技力と嘘で売りまくる不動産会社の魑魅魍魎のセールスマン達。売るまでは帰社できない。契約書にサインさせたら解約させない。これが不動産会社でフルコミッションで働く社員の実情、その実情を抉り取るように描いた傑作。個人的には雨のシーンのなかを訪問するセールスマンが哀愁を誘います。気になるのが、この映画の主演はアル・パチーノではなくシェリー・レーヴィン扮するジャック・レモンではないだろうか。
マイケル・J・フォックス主演の“摩天楼はバラ色に”とタイトルが似ているけど、180?違うシビアな男社会を描いたフィルムなので同じ路線の華やかなサクセス・ストーリーを期待して観ると度胆を抜かれる。 日々の生活臭漂うくたびれた不動産セールスマン達が、土地を売って金を掴み取る為に時にはプライドをも捨て切ってがむしゃらに戦う姿を緊迫感ある映像で映し出す。全員が玄人で息も尽かせぬセリフの間の取り方や演技力の凄さに感動した。それも、あれだけの名声と力量を持った俳優さん達全員がそれぞれの分をきちんと守って均衡を保てている事から、この作品に敬意を払っているのが感じ取れて作品の質を高めている。私はアル・パチーノもエド・ハリスもジャック・レモンも好きだが、ケビン・スペイシーの演技が一番好きだ。当時出演陣の中では一番無名に近い役者ながら、セールスマン達皆から罵声を浴びせられる事務員を威厳を持って演じていて先輩俳優たちに引けを取らない存在感があった。スペイシー自身インタビューで「共演者は皆素晴らしい俳優達で、僕は彼らの嫌われ者だったよ。あれ位力量のある俳優達にダメ役者って言われても納得いくね。あの当時はかなり落ち込んだよ」と語っていたが素晴らしい演技だったと思う。ジャック・レモンを自白に追い込むシーンでの両者の応酬には目を見張った。 劇中に飛びかう4Letter words(F○〇K)の多さにも聞いてておもしろかったけど(笑)銃撃シーン一切無しにラストまで飽きさせず緊迫した映画を観て、玄人が創る映画の偉大さを堪能した。ぜひお薦めの一本。
ジャック・レモンが好きで公開時に劇場で観ました。 DVDのジャケットはアル・パチーノが一人目立ってますが、劇場のポスターは、パチーノ・レモン・ボールドウィンが並んでいたような気がします・・・ 他にもケビン・スペーシー、エド・ハリス、アラン・アーキンなど名優がこぞって出演、演技合戦にしびれます。 個人的には、この映画ではじめて知ったケビン・スペーシーの役どころと演技がよかったです。
いきなり気に障るようなこと言わせてもらうが、世の男性諸君が“男の世界”“男臭い”というキーワードで挙げる映画って、なんか幼稚な作品が多いんだよなぁ。戦記ものとか、スポ根ものとか、不良ものとか。 多くの男性にとって、どうも“男臭い映画=男の友情、絆の物語”という感覚があるようだ。 俺はそういった類の映画を観てても、全然込み上げるような感動が無くて。 監督で言えば坂本順治やマイケル・マンの世界も全く納得できない。 それこそマイケル・マンの「ヒート」なんて、お子さまランチ?というのが率直な感想。 そんな俺にとって、この「摩天楼を夢みて」は文句無しの“男臭い”映画だ。 この作品には友情もクソもない。野暮ったいサクセス・ストーリーも無く、野暮ったいハッピー・エンドなんかも勿論無い。 エド・ハリスとアラン・アーキンの俗っぽいキャラクターに笑え。 ジャック・レモンの情けない悲哀に泣け。 ケヴィン・スペイシーのクールさ、アル・パチーノのシニスムにシビれろ。 そしてウェイン・ショーターが奏でる神々しい調べに浸れ。