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バックラッシュ! なぜジェンダーフリーは叩かれたのか?

バックラッシュ!  なぜジェンダーフリーは叩かれたのか?

良い / 口コミ件数 : 7


価格 : 1,995 円





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口コミ件数:7 1 2 次ページ
1.  とても良い ビスケさん 書き込み日: 2006年07月01日

多様な選択の共存を肯定する、多様なスタンス

ここ数年、「ジェンダーフリー」という概念をめぐって数多の流言飛語が飛び交った。本書はそれら「ジェンダーフリー」へのバックラッシュを事例にしつつも、ただただ「ジェンダーフリー=男女同室着替え=共産主義の洗脳!」といった類のオカルト言説を批判する本ではなく、その手の言説が欲望しているものやバックラッシュから見えてくる時代背景、およびその付き合い方などについて考察するための多様なアプローチを惜しみなく提示してくれる。

論争を意識した各執筆者の文章は非常にシャープにしあがっており、つわもの達が自らの腕っ節をこれでもかと見せ付けるかのようで、各著者の熱心な読者にとってもおそらくは刺激的な一冊となっている。かと思えば、なかなか語られることのない草の根的なフェミニズムの歴史が描かれていたり、アメリカの教育学者が最先端の教育について語っていたり、生物学者が「保守派」の似非科学を丁寧に検証していたりと、今後参照されるべき重要な資料も豊富に用意されている。また、論争を読み解くためのキーワード集が用意されていたりと、「ジェンダーフリー」自体にはあまり関心のない読者にとっても親切なつくりになっている。これはためらいなく「買い」だ。

ちょっと難点を言えば、これだけ濃厚な内容のため、二段組でも400ページというボリュームになっており、一般読者はちょっと手に取りにくいのではないか。また、編者による各論文の解題や、論争の年表などがあると、まとまりがあってよかったのではないかと思う。



2.  とても良い すずきさん 書き込み日: 2006年06月30日

ジェンダーフリーという概念をとおして、バックラッシュ現象の実像に迫る良書

女性学の専門家だけが集まって書かれたものではなく、さまざまな分野や職業の執筆者がひとつの問題について検討しているのが興味深い。各執筆者が「ジェンダーフリー」にむける眼差しは多様であり、本書がひとつの結論を出すために書かれていないように感じる。だが、それは本書が「ジェンダーフリー」に賛成でも反対でもない「第三の道」を探るための、道の途中で書かれたことを意味しているのであるから、当然のことであるともいえる。
バーバラ・ヒューストンのインタビューとコメントは、日本における「ジェンダーフリー」という言葉の使われ方に再考を促すという意味で、たいへん貴重であろう。彼女の言葉を、「ジェンダーフリー」の推進派や否定派は、いったいどう受けとめるのであろうか。楽しみである。
分厚さと文字量からいっても、この本をこの価格で発売する出版社の姿勢には共感が持てる。



3.  とても良い レット・イット・ブリードさん 書き込み日: 2006年11月28日

「読める人」は読まないと。「世間」は読みはしないんだからさ。

 「推進側」も「叩く側」も「ジェンフリ」の言葉だけが一人歩きをして、「混乱」を起してきたのは「事実」で、いかにも「言葉に軽い」、「美しい国」の「歴史」をこの問題も見事に踏襲してきたことは周知のところ。いわゆる「売春」を「援交」という、この国の「言葉の歴史」ね。

 で、本書で「その辺」を整理出来るかといえば、「当然」できる布陣になっている。
しかし、「歯切れ」は学者特有の「悪さ」があり、「叩く側のトンデモ科学陣」の「歯切れのよさ」には、残念ながら及んでいなそう。

 現在の科学に限らず「トンデモ」に果たして「理性と知性」はどれだけ抗うことが可能か。
「トンデモ」は実に楽しい「ルサンチマン」である。本書で宮台真司はそれを「田吾作の祭り」と呼んだ。宮台先生は「想定内の事象」と理解しているのだが、そこに「救い」はあるのか。

 私も「田吾作」の一人である。「織り込みずみ」なんて言葉より「救って」もらいたい気がする。

 どうやら、「美しい国」に本書は「そこまで」は踏み込めなかったようだ。なぜなら、本書は「田吾作達」が「積極的に」読もうと思うシロモノではないからだ。

 だが、読める人は読もうではないか。自身が「田吾作」であろうとなかろうと。本書は確かに現在は「勝てない本」である。何せ、「美しい国の首相」が「ジェンフリ叩きの一番手」だったのだから。つまり、「美しい国」には「ジェンフリ」はいらないって、最高権力者が言っているのだ。

 では、ここで「言葉」に立ち返ってみよう。上野千鶴子は「ジェンフリ」なんて言葉は「元々」いらない、「男女平等」でいいと言っている。そうなると、「美しい国」には「男女平等」はいらないということになる。果たして、「本当かい、それは?」と思う人には、本書はけっして「軽く」ない筈だ。

 「ガタガタうるせぇ」と思う人達も、本書の巻頭の「宮台真司の稿」と巻末の「上野千鶴子の稿」だけでも読んでみたらいかがなものか。そこには、「溜飲を下げるルサンチマン」はなくて、「残念」だが、「見のがせない示唆」はある。そこはやはり「必読」としたい。



4.  良い 遊鬱さん 書き込み日: 2006年06月26日

ジェンダーフリーについて学ぶために

バックラッシュという単にアイデンティティのよすべを失い、不安に怯える人間たちがその不安を紛らわすために、敵を見つけだしては汚い言説を投げつける動きの一環として、その敵に選ばれたフェミニスト及びその反動に気持ち悪いものを感じる人たちがともに有効な対抗言説を編み出そうという一冊。

バックラッシュがどうして起きたのかという思想背景から、ジェンダーフリーになげつけられる批判、誤解への反論、説明ととにかくいろいろな方向からボールを読者に投げかけています。結果、ジェンダーフリーがどういうものであるかというよりも、どういうものでないかということについて学ぶに手ごろな一冊になっています。

ただ、意欲的にもあまりにいろいろな面からの文章が並べ立てられているために、読後茫漠とした印象を抱かせる可能性を否めない。その点こそ綺麗ごとだけではなく目的のためには手段を選ばない、批判側の言説、運動に学ぶべきことではないか?せっかく執筆に上野教授が加わっているならば、東京都との闘いについてもっと生々しい情報を充実させた方が臨場感、そして書の内容に関する説得力をだせたように思われる。



5.  良い 良々さん 書き込み日: 2006年07月02日

結構読みやすい

一ページ2段という読み応えのある一冊。
視点がまとまっている記事があるし
(はい、かなりのアカデミック本って論考のまとめが薄いと感じる
がこれはしっかりしてるのがあります)
元々ジェンダーフリーという言葉を
使いだした当人のインタビューがある
というのがなかなか。
日本のジェンダー論の文化や歴史を見るという面からみて
それをチェックするだけでも重宝できる
一冊。



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