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死体まわりのビジネス-実録●犯罪現場清掃会社

死体まわりのビジネス-実録●犯罪現場清掃会社

良い / 口コミ件数 : 4


価格 : 1,680 円





クチコミReview一覧
評価の高い順 評価の低い順 書き込み日の新しい順
口コミ件数:4 1
1.  良い TOSHI!!さん 書き込み日: 2006年06月16日

ゴミ屋敷にはプライドが埋まっている

自殺、病死、他殺。犯罪現場、事故現場、ゴミ屋敷までなんでもござれ。究極の掃除人集団『モップメン』の実録である。率直に言って、怖いもの猟奇モノ見たさで購入した動機は否定できないが、著者が取材方々作業を手伝ううちに徐々に『慣れて』いく経緯、清掃会社社長が『どうせ自殺するならできるだけリビングの真ん中で散弾銃でアタマをふっとばして欲しい。飛び散った脳ミソでハデに汚れるほど料金があがる』と悪態を吐きながら、実は透徹した視点と一種の悲哀を持ちあわせている様子等は、TVゲームや映画等の中で著者の言う『娯楽としての死』に狎れてしまっている自分を再発見させられるような、ホンモノの迫力がある。

一番ギョっとさせられたひとこと。”ゴミ屋敷にはプライドが埋まっている”。ゴミ屋敷の住人は、そのプライドの高さゆえに他人の援助を求めることを潔しとせず、そのため自分が屋敷の管理能力を失っても助けを呼ばない結果、処理しきれないゴミに埋もれて嘲られながら死んでいくのだ、と。哀しく胸に刺さるコトバだが、説得力を認めないわけにいかないのが尚辛いものである。



2.  良い ベンタさん 書き込み日: 2007年04月03日

わりと情緒的な内容。アメリカ社会の勉強になる

ひたすらに現実事実のみを淡々とつづった本ではなく、著者のアラン氏(フリーライター)が犯罪現場清掃業者のニール氏と関わり取材を進めていく経緯や、ニール氏の態度に最初に感じた反感、ニール氏の人柄への洞察などが書かれ、全体的に著者の心情をつづった記述が多い。この本は、著者の長い体験から選りすぐった犯罪現場のエピソードを集めた形の本ではなく、期間を決めて著者がニール氏に密着取材した、ある期間の出来事をまとめてある形である。なので、本の後半には著者が密着していたものの肝心の犯罪現場清掃の依頼自体がまったく入らず、アラン氏が街を徘徊しながら人生について考える、といった章もでてくる。犯罪や遺体現場事態のすさまじさも書かれているが、アメリカ社会(特に底辺、貧困層)の現実について学ぶところが大きい。アメリカにもゴミ屋敷が存在すること(ネコ屋敷も)や、アメリカでの自殺の第一位は拳銃自殺であることなどを初めて知った。現場の悲惨さだけでなく、社会構造の悲惨さも考えさせられる本。



3.  良い どう?さん 書き込み日: 2005年09月23日

面白い

 興味深い内容で最初から最後まで一気に読んでしまった。ただ構成的なものか、やや中だるみの感はあったが。下手な宗教書より人生観や死生観を考えさせられる。



4.  普通 maddoggieさん 書き込み日: 2005年09月28日

死体関連本というよりは、ある1人の男の・・・

この仕事(自殺・殺人・事故などの凄惨な現場を清掃し、元通りに復旧する)のことは既に何度か聞いたことがあった。それはそうだろう。死が、生きているオレたちにとっての絶対的最終到達地点(自殺を除いて、いつ起こるかはわからないが、死なない者は誰もいない)であり、決して生と同時に体験できない唯一の秘境であり(生者が語る死の物語は絶対に自分の体験では有り得ない)、そのくせ嫌悪感や不謹慎感に覆われてポルノ以上に隠匿されながら、「本物の自分の死」以外の様々な形態で「娯楽」として楽しまれている以上、人の興味を引かずにはいないのだし、そんな好奇心と怖いもの見たさ以外のどんな理由でこの本を読むというだろう?まさか、日本で同じ商売を興すためではないだろうし(銃を使った事件が少ないのでこれほどの需用はないはずだ、いや、誰かがこの仕事をしているはずなのだからあるだろうか、誰かの手でここに書かれていることがヒッソリと行われているのは絶対確実なのだが)、ここで働きたいとも思わないだろうし(虫や臭いのことを思うとオレにはとてもできそうもない・・・という以前に片づけ能力が一切ないから無理か)、そもそもこの仕事が天職であると感じる人間がいると想像することからして不可能なように思えてしまう。

不思議なことに、いちばん強く印象づけられたのは、犯罪現場の凄惨な様子(読んでいる分には大したことがなくても、同行すればノックアウトを喰らいそうだ)ではなく、ニール(まだ若いこの会社の社長)という1人の起業家の前向きで熱心な仕事ぶりだった。だいたい、この仕事を思いついたきっかけがあの映画「パルプ・フィクション」だというのも彼のキャラクターに合っていて笑えるし、驚くほどの割り切り方で死にまつわる事柄と自分の間に線を引き(もちろん、何かを感じずにいられるわけではないし、時に彼の口からふと零れたそれぞれの死を述懐する言葉も非常に正直で印象深い)、プロに徹底した仕事ぶりはあまりに見事で、読んでいて気持ちいいほどだ。儲けたいという成り金主義が動機であるというバカ正直さも、何だか納得できてしまう。単なる正義感やきれい好きというだけでできる仕事ではないのだし(そんなのは偽善ではないか?)、数多の苦労を乗り越え上手いことニッチ(市場の隙間)に潜り込んでいるところなど、何ともしたたかではないか。

ひとりひとりの死を思えば、その背後には悲劇であれ何であれ彼らの人生をそんな場所に追い込んだ重い軌跡があったということもわかる。少しでも想像力を広げるなら、今この瞬間に起こっている死の物語はあまりに膨大で、世界中にきれい事だけでは押し潰されそうな厳しい現実があり、かといって、そのすべてを身も蓋もなく切り捨てるのはあまりに非人間的というものだ。ニールよりさらに若い作者が戸惑いながら正直に書き記している文章に好感が持てるのもそんな理由によるのだろう。滑稽でいて悲しく、様々に複雑な感情を同時に喚起しながら、人生なんて大きなものを一度に見渡せるわけではないにしても、その欠片の何かを感じさせてくれるもの。そんな一端を、この本はオレたちに見せてくれる。

しかし、残念な点を上げるなら、(ある程度は仕方ないことなのかもしれないが)日本版は原書とはかなり印象が違う出来になっているのだ。装丁やタイトル、章題の変更(ここまでは仕方ない気もする)、写真やレシートのコピーの削除(原書のジャンルは「犯罪実話/紀行文」という分類、旅日記のように挿入されている写真は「凄惨」というより「微笑ましい」ので残しておいてほしかった、もちろん、これまた仕方ない変更かもしれないが、要するに「紀行文」的部分はいらないという判断なのだろう)などの変更のせいで、原書の手作り感のある作りはほとんど消えてしまっている。日本版は見た感じからしても、いかにもよくある「死体本」の一種に過ぎない売り方で、それはまあいいとしても、削られている部分が章単位や文単位でもかなりあり(原書と比べなければ気づかない程度にあちこち文単位でも刈り込まれており、それだけにタチが悪いとさえ思える、勝手に推敲する権利も翻訳者側にはあるということか)、訳文がやや不正確なところも気になった。後書きなどで、変更せざるを得なかった理由などが明記されていないのも、原書に対して不誠実なように思えたが、翻訳の仕事とはそういうものなのだろうか。というわけで、星の数は原書への評価よりも1つ減らした。



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