本・雑誌 ペルセポリスII マルジ、故郷に帰るの口コミを検索

トップ本・雑誌中国文学ペルセポリスII マルジ、故郷に帰る
を 商品名

ペルセポリスII マルジ、故郷に帰る

ペルセポリスII マルジ、故郷に帰る

とても良い / 口コミ件数 : 8


価格 : 1,575 円





クチコミReview一覧
評価の高い順 評価の低い順 書き込み日の新しい順
口コミ件数:8 1 2 次ページ
1.  とても良い solaris1さん 書き込み日: 2005年12月17日

お奨めです。しかし敢えてひとこと

 少女の成長物語として、或いは外国人としての生活体験記として、共感できる内容があります。一方で、国王による上からの改革、革命イラン、戦争という特殊な社会を内部から描いた、貴重な情報をもたらしてくれます。しかもイラン人が書いた漫画ということで、様々な側面を持つ、得がたい作品となっていてお奨めです。

 注意したいのは、作者はカージャル朝国王の血筋を引く、非常に特殊な環境に育った少女だという点です。祖父は首相を務め、父親は技術系会社員でありながらBBC放送を理解し、キャデラックを持ち、住み込みの家政婦がいます。作者はフランス語で教育をする学校に通い、革命後ウィーンに留学します。革命前は家族でスペイン旅行に出ています。

 日本の読者が作者に共感しやすいのは、作者が欧米的価値観の家庭で育ったため、欧米的価値観の持ち主としてイラン社会を見ている点にあります。革命後のイランは、戦時中の日本の特高のような「革命防衛隊」に抑圧されているものとして描かれます。戦時日本や旧共産圏社会のような印象を受けるでしょう。問題は、多くの平均的なイラン人にとって、イラン社会が「同じように見えているのか」という点です。2005年の大統領選挙で保守派が圧勝したように、イラン人の多くは意外に革命後の政権を支持しています。革命前40%程度と言われた文盲率が80%に上昇し、義務教育が全土・全階級に行き届くようになったなど、民衆に支持されている面もあります。
 マルジの家庭は、戦前日本の華族に比定できると言えます。国民所得が月100ドル程度の国で、自由に外国へいける人々は、民衆から妬まれる立場にあるわけです。本書を読むとき、このような側面もあることを考えつつ読むことも、大事かと思います。



2.  とても良い さん 書き込み日: 2005年08月28日

マルジストーリー後半

『イランの少女マルジ』のあの後の話です。
マルジを読んで感動なさった方は、こちらも是非、手に取ってもらいたい
と思います。
14歳の彼女が異国の地でたった一人で、成長していきます。
思春期を向かえ、恋愛をして別れを経験して、故郷に帰り
そこで、母国の情勢を目の当たりし、自分の悩みが凄く小さなことだと
感じます。だけどそこは、マルジ。また読者を笑いの渦に入れてくれます。
マルジが経験した事は、世界のどこかで、今私たちがこうしてる最中
でも、起きてる事だとゆうことを、思い出させてくれる、作品だと
私は、思いました。マルジみたいな経験を子供たちにさせない為に
沢山の人達に読んで欲しい、作品だと思います。



3.  とても良い yukkiebeerさん 書き込み日: 2007年03月19日

若者が成長の道程で皆味わう焦燥感がひしひしと伝わってくる

 前著「ペルセポリス」の最後で家族と別れ一人ウィーンへ渡ったイラン人少女マルジ。続編となる本作では、彼女はひと波乱もふた波乱も経験して大人への道のりを辿っていきます。

 マルジは裕福で開明的な家庭に育ったとはいえ、東方のイスラーム社会からやってきた人間です。彼女の目に映る西洋社会は、親への尊敬の念に欠けた子供たちが麻薬とSEXにふける頽廃的な世界です。そこで彼女自身も薬におぼれ、あまつさえヤクの売人にまで成り果てます。
 結果、疲弊しきった体を引きずって故国へと帰るのですが、そこでも彼女は反動的な宗教世界で閉塞感を募らせるばかり。削りすぎた鉛筆のように、何かの拍子に簡単にポキリと折れてしまうまで、自分の周囲に苛立ちをぶちまけ続けます。

 ヨーロッパにもイランにも自分の確たる居場所を定めることができないというアイデンティティ・クライシス。そして世の中の清濁を併せ呑むには経験と知恵が決定的に足りないという年齢的ハンディ。この二つのせいでマルジの日々は大変痛々しいものになります。

 確かにマルジの生きる世界は日本の読者の想像を超えた特異なものでしょう。しかし、若者が社会にイライラを募らせ、時に度を越した抵抗を試みるのは、洋の東西を問わないこと。そのことに立ちかえれば、この物語はどんな国の若者の心にも等しく訴えるものがあるはずです。前著がイランの抑圧政治に対する批判の書という性格が強かった一方で、本書は一人の人間の不器用だけれども確かな成長の記録として読めるのです。

 無論、既に40代になってしまった私は、若者特有の稚拙さが裏にある彼女の焦燥感に必ずしも共感を覚えるものではありません。むしろ彼女を教え諭す祖母の言葉にこそ心が添います。
 ですからその祖母にゆっくりとですが学んで成長していくマルジの姿には、心落ち着くものを感じることができた。そのことだけは確かです。



4.  とても良い スズメいかさん 書き込み日: 2008年03月13日

アイデンティティー

 イランはアラブの中の国の1つだと思っていたくらい無知だったので、その歴史や文化、文化革命、イランイラク戦争、さらには湾岸戦争のイラン人の見方まで、すごくよくわかりました。その一方で一人の少女が成長する話として、すごく共感しました。国を離れている間に感じた、どこにも所属できない孤独観、それから戦争から離れていたことによる罪悪感、当たり前すぎて気づかないジェンダー観…。なんだか境遇を越えて共通して感じる部分があり、不思議でした。



5.  良い チャックモールさん 書き込み日: 2006年09月27日

より個人的な物語

1巻に比べると、マルジ個人としての思いや悩みにフォーカスされているのがこの2巻。
彼女の異国(オーストリア)での生活と、西欧的価値観を持ったまま祖国イランで過ごす生活での葛藤が描かれる。

十分に面白いのだが、彼女はやはり「上流階級の人」である。
イラン庶民との乖離は非常に大きいものに感じられるし、イマイチ共感できにくい箇所が多いのも事実。

ただ、イランで女性がどのように体制に歯向かいながら生きているのか、というリアルな状況が垣間見られたのは興味深かった。

どうしても第1巻と比べてしまうから星4つで。
単独で見れば、十分5つ星の内容。



1 2 次ページ

文学・評論
思想・社会・ノンフィクション
人文・思想
社会・政治
ノンフィクション
歴史・地理
ビジネス・経済・キャリア
投資・金融・会社経営
科学・テクノロジー
医学・薬学
コンピュータ・インターネット
アート・建築・デザイン
実用・スポーツ・ホビー
資格・検定
暮らし・健康・子育て
旅行ガイド
語学・辞事典・年鑑
教育・学参・受験
こども
漫画・アニメ・BL
タレント写真集
ゲーム攻略本
エンターテイメント
新書・文庫
雑誌
楽譜・スコア・音楽書
古書
カレンダー
ポスター