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価格 : 2,310 円
「村瀬思想」と呼ぶ人もいるだけあって吉本理論へのトータルな解釈に触れることができる。しかし、そのことは吉本思想への正統な解釈を保障しているワケでもなく、新たな展開が望めるわけでもない。基本的なタームへの見逃せない誤読も多く、吉本隆明の思想の解読書とはいい難い。それでも本書に価値があるとすればニューアカ以降の世界観の崩壊の中で新たな認識を示しうる可能はあるかもしれないからだ。
本書中には斉藤環や宮台真司への非難めいた箇所があり、これも見逃すことはできないだろう。これは新人類世代以降の人間に突きつけられた典型的な批判でもあり、それへの応答も求められているといえる。ただ繰り返すが、タームの誤読と同様で斉藤や宮台への理解が乃ばずして非難に致ってる勇み???かもしれない。またそうであれば本書にどれほどの価値があるのか?という根本的な問題まで提起してしまうのも本書の価値=魅力かもしれない。タイトルどおりの本書の意図には賛意を評したいが。