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「土地明渡請求訴訟」「賃貸借契約関係訴訟」というふうに、章ごとに大まかな紛争類型を掲げたうえで、簡単な事例を用いてそれぞれの1.訴訟物と請求の趣旨2.請求原因3.抗弁4.再抗弁…といった具合に解説がなされている。 タイトルからは実務家向けのようだが、法科大学院生の読者も想定されており、要件事実の前提となる民法上の論点に関しては簡単な解説と判例の要旨が引用されているほか、「固有必要的共同訴訟」といった民事訴訟法の用語に関しても説明がなされている。そのため、既習者だけでなく、初学者が民法の学習と並行して要件事実の勉強をするのにも向いている。 立証責任について争いのある事項に関しては簡単に他説を紹介するにとどめ、実務の見解を中心に解説されている。「公平の観点から…」とか、理由付けがちょっとあっさりし過ぎかな?と思われるところもあるが、複雑な理論に惑わされることなく短期間に要件事実のエッセンスを習得できる点で、法曹会出版のテキスト等よりもお薦めである。 最初に述べたように、大まかな紛争類型に関する要件事実を挙げたうえで、その他の要件事実はそれに対する抗弁・再抗弁事実として紹介されているため、例えば「抵当権設定契約の要件事実って何だっけ?」と思ったときに、目次や索引からパッと調べることができないのが玉に瑕である。