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三国志〈10の巻〉帝座の星 (ハルキ文庫―時代小説文庫)

三国志〈10の巻〉帝座の星 (ハルキ文庫―時代小説文庫)

とても良い / 口コミ件数 : 5


価格 : 600 円





クチコミReview一覧
評価の高い順 評価の低い順 書き込み日の新しい順
口コミ件数:5 1
1.  とても良い ゴルビーさん 書き込み日: 2003年09月17日

曹操の死

北方謙三の三国志は、それぞれの国が平等に描かれており本当に面白いのだが、やっぱりこの巻の最も面白く、切ない場面は曹操の死だと思う。三国志は曹操と孔明の二人が主人公の話だと自分では認識しているが、私は曹操の方が好きである。その曹操がこの巻で死んでしまう。かといってこの後巻が面白くなくなるという話ではなく、たった四半世紀で中国の3分の2を取り、また戦争の勝率8割とも言われる人生の勝者的な存在である曹操が自分の死と向き合う様子には、本当に人生の意味を考えさせられる一冊である。
この一冊は曹操の良さを知る最もお勧めの一冊



2.  とても良い 蓮珠さん 書き込み日: 2007年08月04日

張飛、暗殺…!

 北方三国志の張飛は、豪胆だけれど、細やかなやさしさを見せる温かみのある漢でした。
 作戦の失敗で落ち込み、自殺すると駄々をこねる孔明をなぐさめる張飛の姿は、他では見られないでしょう。

 その張飛を毒牙にかけたのは、またしても呉。
 ここまでくると、周瑜将軍の呪いではないのかと言いたくなります。自分の死を待ち構えるようにして、劉備と孔明に益州を奪われた周瑜の執念。
 死してなお、ここまで蜀を苦しめるとは…。

 一方、魏では乱世の奸雄曹操が病死します。
 若い頃から蒼天の下、戦場を駆け回り、乱世の終息に生涯を費やしてきた曹操の死。
 一つの時代が、ここに幕を閉じます。



3.  とても良い 禅さん 書き込み日: 2003年01月12日

散りゆく男たちの夢

 関羽の死後、夷陵へ出陣するところまでが書かれています。この巻で張飛が死ぬのですが、あまりに荒唐無稽な展開でちょっと残念。ですが北方氏の三国志は、男たちの生き様死に様を見事に描ききっていて、本当に飽きさせません。吉川版をはじめとして多くの三国志の物語では、中盤以降ただの国取り合戦になってしまい退屈してくるのですが、この作品では、各登場人物が愚直なまでに男の夢や志を追い求め、そして見事に散ってゆく。どんな戦で誰が活躍したかなどということより、どう生きたかということに重点が置かれているので、筋が分かっていてもドキドキハラハラしながら楽しめますし、泣けます。この作品で初めて三国志に触れたという人は幸せです。



4.  とても良い 狩場の一匹狼さん 書き込み日: 2006年07月12日

意気消沈

個人的な感想では北方先生の本は多少ネガティブな所があるようで、そこはいい反応でもいいんじゃ・・・、みたいなトコでもわざわざマイナスの方向で表現されています。
人っていうのは良い事ばかりを言われてもピンとこないもので、逆に悪い事を言われると「何を」と頑張れたりタメになったりします。
やはり、北方先生もその延長上じゃないかなぁと思います。

もともと、そうなのでこの本を見終わったとき英雄の去り方が呆気ないと、思いました。(うじうじしてる死に方より、潔い方がいいですけどね^^)
関羽雲長の死を追うようにこの巻では次々と英雄が去っていきます。
それと同時に何か大切なものへの結束が固まっていき、通常では得られない物が得られたかと思います。

やはり、そこら辺は北方謙三です。物事の代価が素晴らしいと思いました。

でも、今までの様な感じで読むと何かが違います。
重い気持ちで味わった事のない涙が流れました。



5.  普通 ポリ銀さん 書き込み日: 2008年10月19日

王覇論議は無用

13巻は長かった。1度挫折していたんだが、くやしいのでもう一度挑戦した。後半、飽きてきてどうでもよくなったが、辛抱強く最後まで読み切った。

これが「三国志」じゃなきゃすばらしい作品なんだろうなあって思う。あくまでも北方さんの「三国志」なんだ。

いいところをあげればきりがないほどたくさんある。まず、戦闘シーンの臨場感・躍動感がすごい。呂布が率いる黒い騎馬集団の表現などは圧巻だ。また、心理描写もリアリティたっぷりで、さらに男気に感じさせられて涙ぐむところもあった。特に、キャラクターが死を迎える時の内的な独白がよかった。

しかし、それもくりかえされると冗長な感じが否めないのと、王覇思想に関心があるのか、そこら辺の議論がうっとうしかった。中国は覇道の国、日本は王道の国、革命を繰り返した民族と万世一系の民族では思考の根っこが違うはず。漢王室の血が400年を経て特殊なものとなり、1000年を過ぎれば神になる的な発想自体が日本的で、この小説にはそぐわない気がする。この議論は日本の皇室のものだからだ。

吉川さんの三国志には遠く及ばない気がする。



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