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光の教会―安藤忠雄の現場

光の教会―安藤忠雄の現場

とても良い / 口コミ件数 : 24


価格 : 1,995 円





クチコミReview一覧
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1.  とても良い takuさん 書き込み日: 2003年01月28日

プロのモノづくり

私たち一般人は、
建築と直接触れる機会はあくまで、建築物を見るとき。
あまり、作っている最中を目にする機会はほとんどありません。

安藤さんの建築とは、その計算し尽くされたモノの配置、
光と影、コンクリートの表情など、
美しさ、すばらしさを挙げればきりがありませんが、
それは、あくまで氷山の一角。

僕たちが目にしているものは、その安藤忠雄さんという人の建築の
ほんの一部でしかない。
そんな言ってみればあたりまえのようなものを、
垣間見ることができる一冊ではないでしょうか。

もともと、建築が好きで、
建築関係の大学に行きたかった僕にとって、
安藤さんはもちろん尊敬する、雲の上の人であります。
そんなプロの建築家の建物達に憧れて、

彼らと同じ道を見てきました。
しかし、高校最終学年になり、
年が過ぎるにつれ、どんどん目に見えてくる現実はとてつもなく、
きたないものでした。
街には、画一的なマンションばかり立ち、
せっかく、新しいものを作るチャンスをもらった土地は、
ただの、金儲けの場所と使われてしまいました。
大会社が美しさを求める事はなく、

追求するものは、金ばかり。
利益が多ければいいのです。
人間は進化を続けてきたのに、芸術に対する欲求は、まるで退化してきたようです。
退化するというより、
人間は、並んだ金と芸術を見ると、
金のほうに走ってしまうという弱みを露呈したものです。
それは、資本主義が反対される理由の一つではないでしょうか。

そんな、経済の摩天楼の中で、

彼らは、小さいながら力強い光を放っていました。
見るからにわかる、赤字物件に挑戦する、安藤事務所や工務店。
それは、彼が、質素というテーマのもとに存在する芸術を信じていたからだと思います。
彼を突き進めたものは、金でなく、
芸術への探究心ではなかったのでしょうか。

それを支えてきた人間関係がこの本には描かれてます。

利害関係だけではなく、作る人それぞれの信頼関係。
まるで美に対する欲求だけにより、成り立っているモノづくり。
そして、彼らを、欲求という曖昧なものだけで働かせてしまう、
安藤忠雄さんの人間性。
その、人間関係こそが、
彼の建築の美を支えてる、氷山の下の部分のような気がします。
この本を読んだとき、

光の教会のように、暗くなりかけていた将来の夢に
純粋で、美しい、力強い光のクロスがさしたかのようでした。



2.  とても良い 親カッパさん 書き込み日: 2007年03月17日

2007年の人になりつつありますね

安藤忠雄が有名になった”光の教会”について書かれた本です.

安藤忠雄は,大学系の人でないのに,東京大学の担当教授になったり
最近では東京オリンピックのマスターアーキテクチャを担当したり
なにかと話題の人になりつつあります.

安藤忠雄が書いた,建築に夢を見たなどの本は建築に興味が無いと
読むのは厳しいですが,こちらはそんな基礎知識が無くても
読みやすいのでお勧めです.



3.  とても良い turnaround☆editorさん 書き込み日: 2002年08月26日

光と思いがあふれる現場の魅力

コンクリートの壁に切り抜かれた十字架。装飾を極力排した礼拝堂の空間に差し込む十字の光。そこに集まった信者たちの思いと教会を建設した人たちの思いが重なり、交わり、時間が刻まれていく。この建物は多くの障害・困難を乗り越えて存在している。経済的な資金不足、技術面、それらを現場の知恵と思いの力で克服していく過程はこの本のクライマックスである。人はそれぞれの思いを抱えている。自分の思いに対しどこまで真摯に向き合い、あきらめずねばり強く実現していくか。ついつい忘れがちなこの気持ちを思い出させ、勇気を与えてくれるビタミン剤となりうる作品である。



4.  とても良い makoto_imadaさん 書き込み日: 2002年05月31日

安藤建築ファンならやまずに語れない!

もしあなたが安藤ファンであるなら、この本を読まずして、安藤建築については語れないのでは?と思えるほど、あの安藤氏の肉声が伝わってくる本です。

それだけでなく、安藤建築を支えているさまざまな人の姿、葛藤、それぞれの作品がつくりあげられていく(これは安藤氏やスタッフだけでなく、クライアント、また、実際に手がける工務店などとのまさに協働作業)が伝わってくるものです。
最終的に出来上がった姿を「美しい」「かっこいい」と賞賛するだけでなく、ぜひ、その過程を実感してください。



5.  とても良い jobitakiさん 書き込み日: 2005年03月11日

名建築誕生にいたる人間たちのドラマ

時はバブルの真っ只中、恐ろしく低予算の教会建築が実現するまでの経過をいささかコミカルに描く。
設計も施工も大赤字を覚悟で引き受けた小さな教会。
「光の教会」として名高い「茨木春日丘教会」である。
建築は四角い単純な箱だ。
その箱に15°の角度で貫入する独立壁と、壁に穿たれたスリットとして表現された十字架、これがいわばこの建築の全てである。
簡単に見えるかも知れないが、とてつもなく困難な形である。
斜めの独立壁は、屋根スラブかとわずかにスキマが空いている。
壁のスリットは更に難しい。
特にスリットの上側の壁は大変な構造である。
「これ、もつんかいな」
という施工者の述懐は至極当然だろう。
事実、この小さな建築の施工は困難を極めた。

安藤のやり方に抵抗を覚える人も多いだろう。
施主と設計者とどちらがエライのか、と。
安藤は、施主にも相当の覚悟を強いる建築家である。
住宅ならば、住み手の生活の仕方にまで介入してくる。
当然、反発もある。
しかし、結局安藤のペースに巻き込まれてしまうのは、安藤自身の強烈なエネルギーと建築に対する愛情が施主に伝わるからだろう。
波乱万丈の人生を歩んできた安藤には、人を納得させる自信と人間的魅力にあふれている。



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