最近、「会議革命」という本が出たり、マネジメントコーチを名乗る人たち が雑誌に「デキル会議の秘テクニック」といった記事が掲載されたりしてい た。そろそろ来るなと思っていたら、本格的なファシリテーションの本が翻 訳されて出版されていました。 この本でファシリテーターの定義は「中立的な立場でチームのプロセスを 管理し、チームワークを引き出し、その成果が最大となるよう支援する人物」 とあります。これって、チーム全体をコーチングするコーチとしてもとらえ られないでしょうか? そんな視点を持って、本書を読むといろいろとコーチ ングを行う上で参考になることがあります。 第2部は「ファシリテーションの基本スキル」となっていて、5つの技法が 取り上げられています。 1)質問・発言・要約の技法−何をいうか 2)話を聞く・表情・動作の技法−何をするのか 3)記録をとる技法−フリップチャートを利用する 4)グループを読み取る技法−調整能力を身につける 5)コンセンサスを構築する技法−意志決定の基本プロセス 1)、2)などはもろにコーチングの技法と重なるところですね。3)に 関しては、コーチングにとって面白い視点かもしれません。確か、コーアク ティブ・コーチングのフルフィル・コーチングかバランス・コーチングでフリップチャートを使う場面がありましたが、普段はほとんど使いません。 電話が主な手段であるコーチングでは難しいかもしれませんが、記録をとる というのが取り入れられてもいいと思います。 また、フリップチャートなどを使うことで、「考えない」で「好奇心」でも 述べた、コーチの問題との分離・区別化が行いやすくなります。また、クライ アント自身が抱える問題とクライアント自身との分離・区別化に使うこともで きます。 第3部では「ファシリテーターの手法とツール」ということで、たくさんのツ ールや手法が紹介されています。例えば、QC活動などでおなじみの特性要因 図や親和図も紹介されています。また、多重投票法や意志決定マトリクスなど の意志決定手法も数多く説明されています。このような、ツールを使うことで コーチングの可能性が広がるかもしれません。 技法に戻りますが、4)、5)はグループならではの技法なので、個人を扱う コーチングとは関係ないように思えます。しかし、個人も複数のアイデンティ ティから成っていると考えるととても参考になります。実際、コーチングでは 「グレムリン」と呼ばれる、変化を忌み嫌う内なる声が出てくることがありま す。このようなグレムリンをどう扱うかのヒントにもなりますし、コーチとし てより柔軟に対応できる可能性が広がります。 会議のファシリテーションは1対N(個人)のコーチングととらえることも できます。また、1対1(チーム)のコーチングととらえることもできます。 どちらにせよ、コーチングの腕をさらに活用し、そして磨いていくために、 積極的にファシリテーターとなっていくことは重要だと思います。 コーチの方にお勧めの1冊です。 |